神の住まう国

舌を乾かし空が蒼く淀んでいる「英雄譚を書きたいの」
神の住まう国の夏の終わりは玉音と共に死が無駄になる
「一つの現在は多くの過去をすり減らし、雄弁と絶望は隣り合わせ」
敗戦と統治、回心と煽動、暗殺ときな臭い、戦争の予感。
舌を乾かし流転の池に未来を投げ多くの現在は一つの神話に――
「私なりの帰還物語(ノストス)。英雄譚は、桃山の風葬の鳥の還らぬ行き道」
沈黙と焦燥、狂気と睾丸、暗喩と祭儀、王の胤を持つ者。
神の住まう国に同窓会の葉書が届く「神殺しの英雄譚になる」
   反歌
盲目の星を曝した 脈を打つ命を憎んだ――星の再生

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