吠える

犬 悲しいんじゃない、夜が我が身に重いだけだ
竹 一面の竹、竹、竹。が、嵐を呼ぶ
月 地にはないものを私たちは抱え持っている
HOWL――ギンズバーグのビートに乗って
夜 戻らない日々を想う、舌、耳、陰茎
煙 煙草をやめたのは命に抵抗しようと思ったから
  酒をやめられないのは空が蒼い幕に覆われているから
我 悲しいんじゃない、空が我が身にあまりに重いだけだ
    反歌
一枚を攫っていった鳥たちの翼に似せた木片の飛行機

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