晩暉浸礼を享く(昭和二三年)

帝国の晩暉と共に新しき「日本」の誕生――
国柄は矯正器具の如きもの身じろぐ度に「国体」は禁忌となりぬ
『うらうらとかすむ春べになりぬれど山には雪ののこりてさむし』
「美濃部さんも亡くなりました」「あの頃の日本は良かった」
「食べるために赤子を殺す世の中に成り下がりましたね」
極東国際軍事裁判の判決は、人口膾炙に訴求する――
「我らは負けた、負けたんだ」「負ければ何でもされてしまう」
国体護持は今上陛下の首のみとなる――
     反歌
猛々しい我が帝国の沈みゆく遥か朱に染む 極東の首

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