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「カルテル」とは・・

ニュース記事を見ていたら某業界の「カルテル」に関する記事が掲載されていた。最近かかわることがなかったので久々に復習の意味で「カルテル」を紐解いてみた。


|カルテルとは

カルテルは「企業連合」ともいわれ、企業・事業者が独占目的で価格・生産計画・販売地域等の協定を行うことをいう。

また、公共事業などにおける競争入札の際、複数の入札参加者が入札価格や落札者などを事前協定しておくといういわゆる「談合」もカルテルや「不当な取引制限」となり、独占禁止法に抵触するのだ。
また、ケースによっては刑法の談合罪(刑法96条の6第2項)の対象となり得るのだ。
公共事業などの官の発注者がカルテルを指導する官製談合もある。

|法的な規制

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「法」)で、不当な取引制限として禁止している(法第3条後段)。

【独占禁止法に違反した場合】
独占禁止法では違反した事業者等には以下の措置がさだめられている。

〇 排除命令
公正取引委員会は,違反行為をした者に対して,その違反行為を除くために必要な措置として「排除措置命令」を発する。

〇 課徴金
私的独占,カルテル及び一定の不公正な取引を行った違反事業者に対しては金銭的不利益を課すこととしており、これを「課徴金」と呼ぶ。
刑事罰の罰金と別である。

〇 損害賠償(無過失損害賠償責任)
カルテル,私的独占,不公正な取引方法を行った企業に対して,被害者は損害賠償の請求ができる。この場合,企業は故意・過失の有無を問わず責任を免れることができない(無過失損害賠償責任)。

〇 罰則
カルテル,私的独占などを行った企業や業界団体の役員に対しては,罰則が定められている。

<参考>
日本における課徴金の最高額は、2010年に発覚した光ファイバーケーブルの納入をめぐるカルテルで、約160億円の納付が命じられた。

参照:独占禁止法の規制内容 - 公正取引委員会

|「カルテル」が禁止される理由

「カルテル」は、商品の価格を不当につり上げると同時に、非効率な企業を温存し、経済を停滞させることから世界中で厳しく規制されている。

|過去の事件例

時々報道で「独占禁止法違反」や「排除命令」といった内容を聞くことがあるが、私たちの身近にどんな事件が起こったのか、公正取引委員会のホームページを見てみた。

〇 大手パソコン部品メーカーによる私的独占
〇 旅行業者によるカルテル
〇 電気設備工事の入札参加事業者による入札談合
〇 アイスクリーム製造販売事業による再販売価格の拘束
〇 タクシー事業者による共同の取引拒絶
〇 大手家電販売業者による優越的地位の濫用
などが掲載されていた。
関心のある方は、HPをのぞいてみるとよいでしょう。

|おわりに

今回、某業界のカルテルの記事から紐解いてみたが、いろいろな業界で、また役所などの官を巻き込んだ不公正な取引が行われていることが分かった。

私たちは、たくさんの店舗や商品の中から好きな店で好きな商品を選んで購入することができている。多くの企業が商品を作って、販売しているからであり、企業間でさまざまな競争をしているからなのだ。

適正な競争が行われることで、良い商品の販売、補償、サービスの充実などが市場経済が活性化されるのだから、ぜひ企業等には適正・公正な取引を行って欲しいですね。

https://www.jftc.go.jp/houdou/panfu_files/eraberu.pdf


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