2023.12.23vs川崎 それでもスイッチをあきらめない

 昨日、1Q早々にリードをしてから、結局一度も追いつかれることなくFE名古屋を下した川崎。全Qにおいて20点以上の得点をコンスタントに上げ続けたその攻撃の裏には、相手の修正に対する対策がきちんと打たれていたように思いました。

スイッチに対する対策

まずは、川崎が富山に敗れた前節のハイライト動画をご覧ください。

 1Q8:20ごろのシーンですが、昨日のFEがとったように、富山も藤井ーファジーカスのPnRに対して、マークマンを入れ替える「スイッチ」で対応していることがわかります。ここではロールターンをしようとしたファジーカスがファンブルをして富山の速攻を許していますが、このシーンは川崎にとって3つ目のポゼッションで、その前2つでも、ファジーカスにミスマッチを作ったところから得点に繋げられずに終わっています。(0:24〜)
 本当はその動画があるといいのですが、1つ目のポゼッションはファジーカスについていたブバがすぐに、2つ目のポゼッションではヘルプサイドにいた上田がタイミングを見計らって、ダブルチームに寄り、ファジーカスにタフショットを打たせています。

 FEとしてもこの形を狙っていたのでしょうが、川崎も修正を施していました。

 ファジーカスが1on1を始めた時、川崎の選手はみんな3ポイントラインの外に出ていて、簡単にヘルプに寄れなくなっています。途中からインサイドに入ってきたのも、208cmあるヒース。ルークがヘルプに寄った瞬間、ヒースにパスを出されてしまえば簡単にスコアされてしまうでしょう。

 またこのシーンでは、佐土原があらかじめペイントゾーンにいてヘルプの準備ができていますが、ここでアレンがローポストにフラッシュすることで、ルークがそちらに反応してしまい、長谷川にはより遠い位置にいた佐土原がチェックをしに行かざるを得なくなってしまっています。(2:26〜)

ファイトオーバーへの対策

 スイッチからのビハインドをなくすため、FEはスイッチをしない時間もありました。特に笹山が脚をよく動かしており、4Qフル出場だったのはそれもあったように思います。

 しかし川崎は、藤井や能見がスピードでFEのオマラ・ルークを引き離し、フリーに近い形でビッグマンにボールを預けるようにしています。(2:54〜)

 こうして、FEが色々修正を重ねますが、それを上回る対策をもって、川崎はコンスタントに得点を上げ続けられたのだと思います。

それでもスイッチをあきらめない

 しかし、FEも全くなす術がないかと言えば、そうではありません。

 このシーンでも最終的にファジーカスにスコアはされてしまっていますが、ルークと笹山でスイッチした後、笹山はさらに杉本かオマラとスイッチしようと試みています。ここは間に合いませんでしたが、工夫は見えています。(4:42〜)
 4Q6:16のシーンでは同じような形で、笹山がヘンリーにスイッチを指示しており、同じタイミングで飛びだしたルークがファジーカスからヒースへのハイローパスをカットすることに成功しています。ヘンリーかルークか、どちらとスイッチするかが整理されていれば、よりスマートに守ることができるかもしれません。

 このコメントからも分かる通り、川辺HCはスイッチディフェンスにさらなる修正を加えてくることでしょう。今日の試合は、ボールマンとスクリーナーについているDF以外の選手が動き回るシーンが見られることを願っています。

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