2024.1.27vs渋谷　オフェンスの構築

　守備では渋谷を67点に抑えるも、62得点に留まり敗れたFE。何が足りないのかの一考察です。

オフェンスが停滞してしまった原因

　これはズバリ、外国籍選手の1on1に頼りすぎたのが原因だと言えるでしょう。チームが昨日犯したターンオーバーは10個、そのうちオマラが6個です。オマラの今シーズン平均ターンオーバー数は2.5なので、通常より多いと言えます。また、その6個のうち、５個を後半に犯してしまっています（3Qが3、4Qが2）。
　オマラが1on1にこだわってしまったところもあるように思いますが、チームとしてもそれを安易に選択してしまったように感じています。

　確かにシーズン序盤、オマラのローポストの強さに大きく助けられてきたところはあります。しかし、当然相手チームもそのオマラのローポスト1on1に順応し、対策を打ってきます。昨日の渋谷も、ベースライン側からのダブルチームというセオリー通りの守り方をしてきました。そこからうまく得点に繋げられたシーンもありましたが(↓2:33〜)、ミスをしたりシュートを落としてしまったりした場面の方が多かったように思います。（オープンコーナーは決めたい！みっつーも打ってほしい！）

セットオフェンスの課題

　1on1ではなく、チームとしてのセットも勿論ありました。しかし、フロアバランスやダイブのタイミング、スクリーンの確実性など、改善点はあるように感じます。

　例えば2Q5：09からの場面。
① オマラとルークがエルボー（フリースローラインの端っこ、ペイントエリアの角）に立ち、川嶋がオマラにパスを入れる。
② オマラがボールを持ったタイミングで、川嶋はペイントエリアに侵入、逆サイドの佐土原がルークのスクリーンをもらいながらトップに走る。
③ 佐土原オマラからハンドオフでボールを受け取りゴールにドライブ。ルークのスクリーンで出遅れたチェンバースは、さらにオマラにもスクリーンを掛けられ、完全に間に合いません。
④ チェンバースの遅れを感知したジョシュが佐土原にスイッチ。ジョシュのブロックを警戒した佐土原はオマラへのパスに切り替えるも、ペイントに残っていたベンドラメに触られパスが通らず、ターンオーバーに。

　ここで気になるのは、川嶋がペイントに残っていた目的です。ペイント内では自分のマークマンであるベンドラメにクリアアウトし、ヘルプに行けないようにしていましたが、結果的にはそのベンドラメにパスを阻止されてしまい、あまりプラスには働いていないように思います。

　選択肢としては、佐土原が最初に立っていたコーナーまで走り抜けることが考えられます。そうすればマークしているベンドラメがついてきてゴール下が空いたかもしれませんし、ベンドラメがヘルプのためにペイントに残れば、自分がコーナーでフリーになれたはずです。
　もしくはペイントでジョシュにバックスクリーンを仕掛け、佐土原のドライブレーンを空けることも可能だったと思います（いわゆるスペインピックです）。

　外から無責任に言ってしまっているので悪いな、とは思いつつ、やはりフィニッシュのところでは、できるなら人を減らしてシュートまで行きやすくしたかったのではないでしょうか。(下の動画1:35〜は、ピッタリ同じではないですが、同様にハンドオフからのカールカットのシーンです。ゴールにカットしたガードが止まらず反対サイドに抜けたため、スペースが空いていることがわかります。)
　選手の判断か元々のデザインか、狙いとズレた結果となってしまったのだと思うので、改善したいところです。

（もう一つ言うと、オマラにケリーが寄っているので、ルークにキックアウトする選択肢もあったのかもしれません。相手の出方に合わせて多様なオプションを組み込めたものが、いいセットオフェンスと言えます。）

今日の展望

　そうは言っても、セットは昨日の今日で組み上がるものはないでしょう。では今日はどうするか。昨日の試合では、トップからのピックアンドロール(PnR)が充分機能していました。（1:47〜)

　渋谷はPnRに対してドロップと言って、ビッグマンが一歩下がってドライブに備える守り方をしていました。そうすると上の動画ようなパスは通りやすくなります。また上のようにゴール近くまで行かなくても、やや離れた位置からシュートを打つことはオマラなら可能です(ショートロール)。またルークならスリーポイントを打つことも可能です(それを決めてこそ、です。そして昨日はそれを決めています)。

　昨シーズンはランダルの途中離脱で得点源を失い、チームオフェンスの構築ができないまま負けが先行してしまいました。今シーズンも後半戦。1on1ありきではなく、システムの中に1on1を組み込めるようになってほしいと思います。

↑0:33〜は見事な1on1でした。