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『サイバー空間における覇権争奪』を読んで

中々固めの本を読んでみた。こういう本をよく学生時代は読んでいたなあと思いなおす。

所感は読んでみた感じでは結構読みにくい本。
一般論として知っている単語が多く使われていたり、そもそも自分になじみのある分野であれば本って基本的には読みやすいはずである(一応セキュリティ業界の間末端にいるし、こういう国際関係だったり国防・外交関係は割と大学でも集中して学んできた分野なので、勘所が無いとは言えないと思っていたのだが)。
基本的なぜ読みにくいと感じるか、文体が合わないのかなぁ・・・なんてぼんやりしたことも思いつつ、全体的に話が結構あっちこっちに飛んでいる印象。少ない紙面で多くの情報を盛り込もうとしたゆえなのだろうか…。
あと、日本の21世紀を生き抜ける可能性のある企業としてIIJを(唐突に)挙げている。IIJ勿論いい会社だと思うけど、ちょっと論拠薄弱じゃねーかな…。なんだろう、素人ながらそういう突っ込みどころが随所に見られた。

あと、告白すると(正直誤植を論うのは趣味ではないし、何の生産性もないことだとは理解しつつ)「グーグルのマーク・ザッカーバーグCEO」(本書82頁、下線はサイマル)というのが目に入った時点でちょっと読む気無くした…(「てにをは」誤植はスルー出来るがこういうのってちょっと緊張が弛緩しちゃうね)


そうは言いつつ、社会人になってしまって思うのは、
昔はこういう本を読んだ時には国家間の力であったり、あるべき論を書生ながらに思っていたものであるが、今は自分の仕事にどう直接的に関わるか、そういう観点で見てしまうのが(自分のせいであるが)惜しい、悔しいと感じること。特に自分の仕事の領域に関して述べている書籍だとなおさら。

そういう自分の仕事領域にどのように関わるかという観点だと(観点でも)、本書は物足りないと思ってしまう。
そりゃあそうだよね、日本の一民間企業がどのように影響を受けるかなんて、このような全体的、理念的なことを議論する本に書いてあるはずもない(勿論、だからと言って本書の価値が損なわれることではない)。

今、自分が(ことサイバーセキュリティ関係の書籍に)求めてることは、理念的なことではなく、仕事にどう役立つかという非常に俗っぽいところになるのだなぁと、認識してしまった。少し自分に失望。

全く本の内容と関係ないのであるが、そういうところに自分の興味領域が今あるということを確認させてくれた本として、記録にとどめておきたい。
(全くブックレビューではないな。)

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