見出し画像

奥山淳志×草彅裕 もう少し対談 前編

草彅裕「水の粒子」特別企画の奥山淳志×草彅裕対談の後、喫茶cartaに場所を移して、ほっと一息。と思いましたが、写真家二人の話の熱は冷めません。その様子を少しご紹介させていただきます。

Cygでの対談はyoutubeにて公開中

草彅)こう言っては申し訳ないですが、今回は収録という形でできたのがけっこう嬉しいです。youtubeで公開するのでぜひ見ていただければなと。できるだけノーカットで編集します。

奥山)牛乳パックのとかね…。それがはじまりっていうのも重要でしたね。

草彅)牛乳パック!笑
ほんと、すごく話を引き出していただけて良かったです。

奥山)テレビのも面白いよね。賞取ったってのもわかる。考えただけで面白そう。

草彅)写真になると楽しいですよ。目で見ただけではわからないですけど。

奥山)泡に全部映るっていうね。確かにね。その泡の立つ研究もしているの?

草彅)そうですね。どう泡立つか。氷を何個入れると、こういう泡になるとか。

奥山)あ〜、そういう。温度とか?

草彅)温度とか。その泡の出方とか、持ちが違うとか。

奥山)冷たい方がいいんだ?あったかそうな方がいい印象だけど。

草彅)冷たい方が良かった記憶がありますね。だから、氷を入れて。

奥山)シャボン玉のあれ、試してみました?

草彅)やってないです。あくまでも、身近にある洗剤で。でも、氷入れたのは、失敗したのかな?ちょっともうあんまり覚えてないんですけど、色々と温度には気を遣って。

※スマートフォンで写真を見ながら 草彅裕ウェブサイト

画像1

奥山)この真ん中にあるのは何?

草彅)これはオリーブオイルを。泡立てているところに、オリーブオイルをたらして、そこにテレビが映っているんですよ。
あ、これはちょっと色が変化しているのがわかるかな。
断片になっちゃうんですけど、こんな風に映り込んで。

奥山)これはテレビの色?

草彅)テレビの色です。ぱっぱっぱっとテレビの画面が変わっていく。

奥山)綺麗だねー。

草彅)文字も写り込んでたりして。

奥山)あ、ほんとだ!

草彅)反転しているんですけど、映り込みだから。
次々と変わっていくんです。で、それを撮って。よし、綺麗なの撮れた!みたいな・笑

奥山)それは最初に買ったカメラで?

草彅)そうですそうです。コンデジで。自動的に被写界深度が深くなるのでパンフォーカスでパシッと全部撮れて。目で観てるのとはまた違う雰囲気が出て。それが、良かったかもしれない。
画素数も今のiPhoneよりも低いカメラですが、レタッチもせず撮って出す、が全てで。

奥山)じゃあもうトライ&エラーで、こう映る!みたいな。

草彅)そうそう!延々と。
奥山さんは、雫石に来られる前は、写真っていうのは?

奥山)写真を撮るって意識したのは、東京の出版社に勤めてたときですよね。それこそ、草彅さんがスタジオで入って、色々技術学んだっていうように、僕も出版社入って色んなフリーランスのカメラマンさんのアシスタントやったりして。

草彅)なるほど。

奥山)それがすごく勉強になったと思う。ロケなりスタジオなりに行って手伝って、そのフィルムを僕が預かって、現像補助士さんとかに回して。当時は2時間であがるから、すぐにバーってポジを並べて。その時にこうやったらこう写るっていうのは学んだのかな。

草彅)結構スピーディーに!撮影から感覚的に伝わってきますね。

奥山)今のデジカメに近いくらい。とは言っても、スタジオとかだと午後に入ることが多かったから翌日。午前中には、前日の上がりが見れて。で、夕方になるとカメラマンさんが来て、丸つけするみたいな世界で。あー、こう写るんだ、と。作業の流れが全部見えるんですよね。勉強になりました。

草彅)奥山さんの撮る力も当然なんですけど、編み込む力も尊敬しているんです。「弁造 BENZO」もほぼ奥山さんがやってますよね…?

奥山)ほぼっていうか全部。

草彅)ですよね!

奥山)誰も手伝ってくれないですし。

草彅)装丁とかも全部奥山さんが?

奥山)その通りなんですけど。本が好きだからかな。あと、出版社にいたりしたからかもしれないし。
本とか紙が好きで、面白いから、人に任すのはもったない気がする。もちろん自分でできることっていうのは限られちゃうんですけど。

草彅)あの本を作れるんだっていうのが凄い衝撃で。300部限定ですよね?

奥山)もうちょっと刷った方がよかったけど。

草彅)結構あっという間になくなりました?

奥山)あっという間に…じゃないけど。ちょっと残るぐらいと思ってたのが「庭とエスキース」を書いて、そしてエスキース展をやるってなった時にはもう本がなかった。
「ないんですか」となって。その展示ごとに言われてるけど、限定って謳っちゃったからねぇ。出すわけにもいかないし。

草彅)うーん…

奥山)復刻するっていっても、ある程度時間を置いてでしょ?その頃には忘れられてるかも。
あれは?Canonのは何部くらい刷っているの?

※草彅裕はCanonの写真家オーディション、第2回「SHINES」で入選。入選者は写真集を作成する。「SHINES」ウェブサイト

草彅)オンデマンド印刷なので30から40くらい。

奥山)そんなしか刷ってないの!?

草彅)エディションがついた作品のような感じですかね。オフセット印刷にはできないクオリティーの高い本になると思います。デザイナーの町口覚さんと本を作るという経験も凄く貴重なので。僕自身、想像を超えてくる本を作りたいし、そこはとても楽しみです。

奥山)で、いつできるんですか?予定は?

草彅)予定では、12月くらいにできるとは思います。完成したらぜひ奥山さんにも見てもらいたいですね。


二人の話は後編に続きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?