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しまなみごはん道中記②

続き。

6食目(2日目、午前9時) 竹原でうどん

2日目、朝6時起床。天気は雨。雨量が多し。今日は「さざなみ街道」とも言われる尾道から竹原を経由して呉まで走るつもりでしたが、予定変更。竹原まで輪行で移動して、竹原を散策&昼食。午後、雨脚が弱まってくるようなら呉まで走るという作戦を立てました。

まずは尾道で朝食を……と思ったのですが、あてにしていたお店が、その日に限って開店時間が遅く、乗りたい電車の時間に間に合いそうがないので、竹原に移動してから食べることに。

呉線の車内より。海岸線を走るんで景色がよいのです。

毎度お馴染みGoogleマップで検索したところ、竹原駅から少し離れた場所に、朝6時からやっているうどん屋さんを発見。またうどん? と思われそうですが、自分的には問題なし。そう、この旅はうどんを食べる旅だったのです!(違う)

竹原港の目の前にある「うどん屋かあちゃん」。
(切り盛りしていたのはお兄さんでした)
えび小丸うどん(500円)

美味しいんですけど! 雑味なく、けど力強さのあるお出汁。つるつるしこしこのうどん。なんなのほんと。松山駅の立ち食いうどん屋さんでも思ったけど、立ち食いうどんのクオリティじゃない。すごい。

7食目(2日目、午前11時) 竹原でお好み焼き

竹原はその昔、京都・下鴨神社の荘園(私有地)として栄え、さらに江戸時代には製塩地として経済を発展させた歴史があるそうです。今に残る立派なお屋敷が建てられ、現在は保存地区になっています。その様はまさに「リアル江戸村」。かつて「小京都」と言われていたのも納得の佇まいでした。

雨のおかげもあって人も少なく、静かに散策できました

さて、7食目は竹原の有名店「ほり川」さんでお好み焼きをいただきます。

ここは友人が「初めてお好み焼きを美味しいと思った」といった店で、その彼とは何度かお好み焼きを食べに行っていたのですが、「え、いままで美味しいと思ってなかったの?」「どんな違いがあったの?」と聞いても、「うまいものはうまいとしか言えん」「わからん」とのこと。というわけで、その謎を解くために食べにきたのです。

歴史を感じる店内
ほぼろ焼き(1400円)。友人が頼んだものと同じものをいただきました

こちらのお店、映画やアニメのロケ地(モデル)になっているそうで、今回頼んだ「ほぼろ焼き」というのは、アニメ「たまゆら」に登場するメニューを再現したものなのだそう。通常の「そば入り」に肉団子を忍ばせ、コーン、ねぎを散らし、さらに謎にチキンライスがのっています。ただチキンライスと肉団子以外は、基本はお店で出しているほかの「お好み焼き」と変わらなそう。これで「ほかのお好み焼きと何が違うのか」を判断しても大丈夫そうです。

食べてみて、なるほど違いがわかりました。

例えば広島市で頼むお好み焼きは「ミルフィーユ型(層型)」というか、一番下が生地、その上にキャベツ、揚げ玉、豚バラスライス……と積み重ねて層を作り、一番上が卵になります。ほり川さんのお好み焼きは、生地と卵の間が「混ぜて焼かれている(ミックス型)」なのですね。

たしかに「層型」の場合、食べているうちに層がずれたり、そうするとキャベツの部分に味がのってなかったりなど、「食べ方」によって味が均一にならないことがあります。「ほり川」のお好み焼きはそれがないので「味」が伝わりやすい……のかな? と思いました。

まぁ私はどっち型でも美味しいんですけどね。もちろん、ほり川さんのお好み焼きも美味しかったです!

8食目(2日目、午後7時半) 居酒屋さんでお刺身とご飯セット

お昼をすぎて雨脚も弱まり、なんとか走れそうになってきました。竹原〜呉までおよそ40km。いざ出発! ……はい、呉到着! ぶっちゃけ雨は完全には止まず、景色を楽しむというより「ひたすらに課題をクリアする」感じの道中でした。寒かった〜。

呉を訪れるのは今回で3回目。本来は映画「この世界の片隅に」の聖地めぐりや、大和ミュージアム、鉄のくじら館など、見るべきところはたくさんあるのですが、17時半に広島で予定があり、今回はスルー。駅到着と同時に自転車を解体して、電車に飛び乗りました。

私の旅の楽しみのひとつに、現地で献血をするというのがあります。いわゆる「旅けつ」というやつです。旅の行先に献血ルームがないこともあるのですが、広島には市内に2箇所の献血ルームがあり、今回はそのうちのひとつ「献血ルームもみじ」に行ってきました。

献血ルームもみじ

汗まみれで対応してもらうのは申し訳なく、先に宿にチェックインし、シャワーを浴びてから伺いました。献血なんてどこでやっても同じ……ではあるのですが、なんというか自己満足ですね。はい。けどときどきご当地予約特典とかもあって、おもしろいのです。

無事献血を済ませて8食目。宿の近くにあった居酒屋さん「源蔵本店 舟入店」でいただきました。

源蔵本店 舟入店(Googleマップのクチコミより転載 ©周防灘様)
刺身盛り合わせ(900円)
イカの煮付け(400円)
ご飯と味噌汁(230円と150円)

刺身がうーまーいー!(>< もちろん酒の肴として最高なのですが、だめだ、この刺身には飯がないとダメだ! というわけで急遽ご飯と味噌汁を注文。「お刺身定食」にしていただきました。お刺身に醤油をつけて、それを白飯の上でちょんちょんとして、そのお醤油のついた部分のご飯がめちゃくちゃうまいんですよね。お寿司も好きだけど、お刺身定食も好き!

イカの煮付けもうまかったです。嬉しい甘じょっぱさ。お刺身をご飯用に取っておきつつ、この煮付けでビールと日本酒が進む進む。煮汁を少し取っておいて、少々お行儀が悪いですが、ご飯の最後の一口分にちょっとかけていただきました。うむまずいはずなし。

うまかったー。今日も食べたー。宿に帰ってバタンキュー。
2日目終了!

9食目(3日目、午前8時) 川沿いでパン

3日目にして、ようやく晴れ! 15時の新幹線に乗るのに14時には駅にいるとして、それまでは広島市内を自転車で散策します。

広島観光といえば、原爆資料館や平和祈念公園、広島城、宮島の厳島神社などたくさんあるのですが、私はかつての運河、川沿いの土手をのんびり走るのが好きなんです。

雁木(がんぎ)」と呼ばれる、かつて荷下ろしに使われていた階段上の船着場

最初は喫茶店でモーニングをいただこうと思っていたのですが、ホテルの近くで「パンドール」というパン屋さんを発見。ここでパンを買って、雁木(階段)に腰掛けていただきました。

竹の子ドーナツ、焼きカレーパン、甘夏パン

どれもうまい! 竹の子ドーナツは竹の子入りのホワイトソースが美味しく、皮と竹の子で異なる食感が楽しい一品。焼きカレーパンはもちろん間違いのない、想像通りの美味しさ。甘夏パンはもちもちの生地にクリームが詰まっていて、中心の甘夏の甘酸っぱさと相まって、これまた美味しかったです。またこよ〜。

広島市俯瞰

話が前後しますが、広島市ってちょっと面白い地形をしていて、太田川流域に形成された5つの「中洲」と、それを取り囲む中国山地の麓の平野で出来ています。この川辺をてれてれ走ってるだけで、なぜかね、楽しんですよね。広島市も都会ですから、町並みなんて東京と一緒な気もするんですけど、やっぱりどこか違うんですよね。

10食目(3日目、正午) 最後はお好み焼き!

この旅最後の食事に何を食べるか。広島には穴子飯や牡蠣料理、広島風の汁なし坦々麺などなど美味しいものがたくさんあるのですが、昨日食べた「竹原のお好み焼き」との食べ比べも必要! という謎の使命感もあり、やっぱりお好み焼きをいただくことにしました。うどんでもよかったのですが。

いっちゃん本店
豚玉そば入り

駅周辺のお好み焼き屋さんは人がズラっと並ぶほど混んでいたので、少し離れた場所にあるこちらのお店でいただきました。

たまたま見つけたお店なのですが、ミシュラン広島でビブグルマンに選ばれているお店だったようです。だから、というわけではないのですが、昨日いただいた「ほり川」に負けず劣らず美味しかったです。っていうか、好みでいえばこっちが好きかも!

友人が「ほり川」で「初めてお好み焼きを美味しいと思った」と言いましたが、私はこちらのお店で「なるほど、お好み焼きというのは麺のうまさがかなり大事なんだな!」という気づきを得ました。

麺がきっちり焼かれてるんです。かた焼きそばほどではないけど、ちょっとパリッとしている。香ばしい。そして生地、キャベツ、お肉、麺、卵が「層」になってはいるのだけど、それらがしっかり一体になっている。握り寿司もそうですよね。回転寿司のお寿司は酢飯の上にネタを乗せただけだけど、ちゃんと握ったお寿司は酢飯とネタが簡単には剥がれない。一体化している。

麺のうまさ。そして焼きの技術。お好み焼き、奥深し!

カウンターで一人興奮して、お店の人には不審に思われたかもしれません。けど美味しかった〜。発見もあって満足! ごちそうさまでした!

広島東照宮の奥宮から撮影した広島の街並み(フィルムカメラで撮影)

雨にたたられましたが、風邪も引かず、怪我もなく、無事に旅を終えることができました。道中晴れてたらな〜とも思いますが、雨の日は雨の日なりの楽しみ方もあり、「次こそは!」とまた来るモチベーションにもなり、悪いことばかりではないように思います。雨のしまなみもきれいですしね。

しまなみ is Good! 広島 is Delicious!
また遊びに来させてねー!

おわり。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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