本の感想 「6カ国転校生 ナージャの発見」キリーロバ・ナージャ
中学校の司書の先生がおすすめしてくれたので、図書館で借りて読んでみました。
当時ソ連(ロシア)生まれの女の子が、日本、イギリス、アメリカ、カナダ、フランスの学校へ転校して気づいた各国の教え方の違いを紹介してくれている本です。
全部、面白かったですが、記憶に残ったのが、席の配置とテスト。
席の配置
日本、ロシアは、黒板の方を見て座って、先生の話を聞く。
イギリスは、日本の給食の班のような座り方をして、子ども同士で話し合いをしたり、教え合いをする。
フランスは、口の字型の座り方をして、その真ん中に先生がいて、全員が意見をぶつけるようなファシリテーターのような役割をしている。
アメリカは、真ん中にソファーが置いてあったりして、自由。
勉強っていうのは、何かを覚えることなのか、考えることなのか、話しをまとめて進めることができるようになることなのか? 目標に向かって、一歩ずつ進めるためには、最初は覚えることも必要だろうけれども、どのくらいの年齢から話し合いってできるようになるんでしょうか。(小さい子も交渉はしてそうだけれど)。小学校の国語の単元でも話し合いの分野があるので、日本の子供たちも習っているけれど、どのくらい取り組むかは先生に寄るところがありそう(どの単元でも教え合いを取り入れている先生もいる)。
テスト
フランスのテストは100点が取れず、せいぜい取れて80点になるような設定になっている。アメリカはできなくても、さりげないタイミングで個別テストをやって全員できる、にたどり着く。
フランスは「100点を取ることは難しいと教えている」そうなので、あまり間違いを恐れるってことが無くなるかも、って思いました。でも、100点を目指す頑張りっていう効果もあると思ったり。
水泳
日本以外の国で、早く泳げるようになったので、日本に転校してきたときに、「バタフライを教えて」と先生に伝えたら、先生は「あなたは基礎がなってない」と言われて、「ビート板+バタ足」から再スタートになってしまったという話。その後、カナダに行って、「みんなあまり足を使わずに泳いでいたから、その分、自分は他の人より速く泳げたので、バタ足も役に立った(と、観察して気づいた)」と言う話。ロシアのプールの底の色も面白かったです。
先生の言葉
「今勉強していることは、昔の大人たちがとっても面白がって発見したことなんだよ」と、先生が教えてくれて、勉強を面白いと思った話は、先生の言葉って大切、と、思ったエピソードでした。
ゆたかな人生を送るために必要な教育をしているのだと思いますが、取り組み方が各国違う。取り組み方から方向性が見えるのが面白かったです。
ナージャは、今は日本で働いているそうです。日本選んでくれたのか??
余談
先日、なぜか近所でマグロやを開いたスウェーデンの人がいたので、「日本が好きだったのですか?」と聞いたら、「12歳のときに、親に連れられてきた」と言われて、何か、自分に固定観念があるな…と思った次第。
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