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分かるけれども、なんだかなあ

「今年は、あくまで規定に対して実態がどうであるかだけを見てください」

鴨口副部長は言った。

・・・

今日は内部監査の事前打ち合わせ。今年からISOを抜けて、自社基準で内部監査をやるのだがその主幹が鴨口副部長。去年までと全然違って、かなり力が入っていて、やたらと副部長はやる気がある。それは別に良いことだが、そのために1日の大半を事前打ち合わせに割かれることすでに3回目。

去年までの監査について、私に質問されたので、開発部で新商品Aの立ち上げに際し、問題が多発した為、そこを指摘したことについて話した。

しかし、やる気ゴリゴリと思われた副部長は淡々と言った。

「え〜、昨年までとは違って今年はあくまで規定に対してどうであるかだけ見てください。新商品の立ち上げの際の規定はこのように色々と定められているので、それに沿って書類が提出されているか、会議が進んでいるかどうかという事実だけ確認してください。もし書類がなかったり会議が進んでいなければ指摘事項になりますが私の知る限り、最近の開発部は規定にのっとって、新商品を立ち上げていると思われます。新商品Aはどうだったのでしょうね。知りませんが、そこはもう掘り下げなくていいいです。」

まじですか。。。

副部長はわりと最近転職してこられた方だ。新商品Aが立ち上がった後だったと思う。だけど、全くその問題を知らないはずは無い。

しかしその後もなされた淡々とした説明を聞くと、本来の内部監査というのは、ただ事実が規定に沿っているかどうかのチェックであるということなのであって、(会社の本質的な問題を解決するための場ではない)。


なんだかなあ。

意味は分かるし、内部監査の勉強にはなるけれども。

別の次元で、

会社の本質的な問題がいつまでも解決されずに未来永劫繰り返されていくことが見えてしまったように感じた。だって、そのやり方で監査したら商品Aも内部監査上は「問題無し」になってしまう。「あくまで規定通りに各会議の承認を得て進みましたので」となってしまう。


はあ。

まあ、生産的に監査を進める方法を学べたことは良いのだけれども、、、

なんだかなあ。。。

と感じたはなし。

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