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【2018 DQ Impact Report ⑬】The Impact:トルコ、タイ、フィリピン<ICT企業による迅速な実践>

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ICT企業による迅速な実践 ~トルコ、タイ、フィリピンの例~

背景:ICT企業のCSR介入の必要性を認識する
成果:国レベルでの導入に関与する複数の利害関係者
重要な学習:インパクト測定により複数のステークホルダー間のコラボレーションが実現

「私は大人として、自分自身に尋ねます:この新しいデジタル世界に向けての準備は完全にできていますか?と。 もちろん、大人だけでなく、子供達もです。 […] 私は、DQがTurkcellと共に社会に有益な影響を与え得る点でDQに対して大きな価値を感じています。」
İsmail Bütün, Chief Marketing Officer of Turkcell

ICT企業は、CSR(企業の社会的責任)の取り組みを通じて、最も効果的にその国にDQ教育の動きをもたらすステークホルダーである。多くのICT企業は、コミュニティや既存の教育活動に基づいた教育現場における広いネットワークに対する支援のリソースを確立していることに加え、現地のNGO法人や政府のパートナーをムーブメントに参加させ、導入に成功した段階で国家レベルにスケールアップする際に非常に有効的なポジションにある。

我々は、主要なICT企業がクロスセクターのパートナーと共にどのようにして国家レベルでプログラムを体系的に導入するのか視察した。代表的な例としてトルコ、タイ、フィリピンの3カ国が挙げられ、各国の特徴やニーズは異なるが、ムーブメントを子どもたちに伝えるプロセスは以下の様に共通している。

1)教育コンテンツを現地の言語に翻訳する。
2)既存の学校ネットワークを利用し、導入校をつくる
3)地元のNGO、教育機関、政府のパートナーと協力しながら拡大する

トルコの例を挙げると、TurkcellがMustafa HilmiÇolakuglu教授と共同で試験運用を開始し、必須のコンピュータ技術クラスを設置するとともにプログラムを容易に統合できる11〜12歳の学生に焦点を当てて実装を開始した。その後国家教育省もこのプログラムを学校に直接導入し、研究における教員参加の最大レベルである 1,700人以上の教育者が対応するに至った。

タイにおいては、バンコクの国連のMeechai Orsuwan博士とバンコク大学のVeerapong Malai博士の2人の教育者が自国でDQの必要性を評価し、わずか2ヶ月間で4,000人もの子供達にDQ教育を享受した。これによって彼らはデジタルシチズンシップ教育の必要性を見出し、flipped classroomsや21世紀を生きる上で学生に必要とされるスキル等の政府が支援している研究に取り組んでいる。

公共部門においては、デジタル社会経済産業省のデジタル経済推進機構(Digital Economy Promotion Agency)が基礎教育委員会、教育省、EduTech Thailandがタイにおける研究を支援した。彼らは、この研究から非常に重要な洞察を得れることに加え、タイの子供のためのデジタル開発戦略を形成するためもその研究が必要になる と述べた。

「大人と子供ではデジタルメディアの使い方や関わり方が全く異なります。デジタルの理解における世代間ギャップは、両親や教育者がそれらを十分に理解し、実践的な助言を与えることを困難にしています。子供達が”デジタルとともに成長している”時代においては、子供達がデジタル利用と市民権の健全な概念を学ぶのを助けることが重要です。」 — Nuttapon Nimmanphatcharin、Digital Economy Promotion Agency、President / CEO

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「未来が予測できないときは、機会を形作って未来を創造すべきです。 デジタルシチズンシップは全ての人々の責任ですし、 生徒が積極的に活動するための安全で効果的な空間を創出することが重要です…私たちはすべての子供が新しいデジタルメディアの世界で生きていくのを助け、子供達に安全に学び、遊び、社会活動を行い、デジタル世界に参加することを教える必要があります。DQインスティチュートと協力して幸せなデジタル世界を構築できることを嬉しく思います!」
Dr. Veerapong Malai, Bangkok University, Thailand

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フィリピンでは、電気通信会社のグローブ・テレコム(Globe Telecom)、 2つのNGO法人(ASSISTアジアとJunior Achievement Philippines)、 教育技術会社ウーホーラーニングラボの活動を通じて4つのアプローチが策定されている。これらの組織は、それぞれが持つネットワークを利用して#DQEveryChildの導入をフィリピンで展開するために連絡を取り、結果を次年度の全国展開のために教育省に提示する。

「Globe Telecomは、多国籍DQ調査を通じて、フィリピンのデジタルインテリジェンス指数を決定するためにDQ研究所を支援している。 これにより、フィリピンの子どもたちの学習を向上させるための新しい学習ノウハウを作成することが可能になる。」
-Yoly Cristanto, Globe Senior Vice President for Corporate Communications, Globe Telecom, Philippines

クロスセクターのパートナーとICT企業による急速なDQプロジェクト普及の背景にある主要な要因の1つは、独自の効果測定機能だ。 これらの国にとって重要な次のステップは、#DQEveryChildを国内レベルまで体系的に拡大することである。

「DQはタイでは全く新しいものなので、タイのデータを利用したDQに関する実証ベースもしくはデータベースの調査はほとんどありません。 タイのDQ導入調査やグローバルDQレポートを作成するためのデータ収集は、良いスタートとなるでしょう。」
-Dr. Meechai Orsuwan, Bangkok.
2018 DQ Impact Report: https://www.dqinstitute.org/2018dq_impact_report/

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