見出し画像

DQ Institute が最新の Child Online Safety Index (COSI) を発表、世界の子どもの4人に3人が少なくとも1つのサイバーリスクを経験

11月10日、国際シンクタンクDQ Instituteは、サウジアラビアの首都リヤドで開催されたグローバル・サイバーセキュリティ・フォーラムで、最新の Child Online Safety Index(通称COSI)のランキングを発表しました。

COSIのレポートによれば、2021年9月から2022年9月までの1年間に、世界中の8~18歳の子どもや青少年のほぼ4人に3人(73%)が、少なくとも1つのインターネット上の危険や課題に直面したことが分かっています。フォーラムでは、その他にも以下の具体的な調査結果が発表されました。

―――――――――――――――――――――――――
調査対象国の子どもや青少年の内・・・
・50%がネットいじめの被害を経験
・40%がネット上の攻撃を経験
・25%が暴力的・性的コンテンツにさらされている
・16%がゲーム障害のリスクにさらされている
・8%がソーシャルメディア依存の可能性がある
・8~12歳の子どもの13%が、見知らぬ人とのオフラインでの出会いや性被害など、危険な接触を経験
・13~18歳の子どもの40%が望まない性被害を経験
・こうしたサイバーリスクは、2020~2021年の新型コロナウイルスのパンデミック時に減少し、2022年に増加
―――――――――――――――――――――――――

こうした調査結果は、オンライン上での子どもの安全性の構築に関連する「子ども、保護者、学校、ICT事業者、自治体(ソフト/ハードインフラ整備など)」の6つのグループの貢献度合いからを総合して算出されています。2022年は、欧米と東アジアの国々が全般的に順位が高く、イギリス、次いで日本が上位国として発表されました。

以下の2022年版のCOSI特設ページでは、オンライン学習プラットフォームである DQ World 等から収集された約33万人の学習者のデータと、外部からのデータを集約した世界100カ国のCOSIランキングがご覧いただけます。

COSI2022特設ページでランキングを確認

ロックダウン以降増加するサイバーリスクの脅威

これまで、新型コロナウイルスの流行によるインターネット使用の増加とサイバーリスクの増加の相関は指摘されてきましたが、今回のCOSIレポートはその関連性を否定する結果になりました。子どもや青少年のサイバーリスクへの脆弱性は依然として高いものの、2020年~21年の流行期には、その前の3年間(2017年~2019年)と比べて、数値は2~10%減少していました。

ロックダウンが長引く中、過剰なスクリーンタイムや未成年によるソーシャルメディアの使用が増加したのは確かです。しかし、2022年に入り、世界的にロックダウンが解除されるにつれて、インターネット上の危険に遭う確率は5~15%さらに増加していたことが今回新たに分かりました。

DQ Instituteの創設者である Yuhyun Park は、以下のコメントを残しています。

「COSIは、世界の子どもたちのインターネット上の安全性について、すべての人に警鐘を鳴らす1つの指標です。サイバーリスクは、パンデミック以前から常に存在していましたが、今回ロックダウンによる急激なスクリーンタイムの増加などを経験したことで、オンライン上での子どもたちの安全を確保することの必要性を改めて認識する機会になりました。

さらに、メタバースの出現により、web2.0のデジタルメディア・IT業界の課題は膨らむ一方です。今の世界では、デジタル世界を良い場所にするために社会の誰もが役割を担っているのです。今後、特にソーシャルメディアやゲームサービスを提供する企業や各団体がより積極的に協力し、オンライン上での子どもの安全性の構築に取り組むことが重要になるでしょう。」

■デジタル・シティズンシップを測ってみませんか?
今年2月8日のセーファーインターネットデイに、DQ Instituteは、選択式の質問に答えるだけで小学生から高齢者までのデジタルシティズンシップをスコアとして測定できる簡易テストを公開しました。テストを受けることで、デジタルスキル・テクノロジーの使用やインターネット上の危険に対する脆弱性などの度合いから、テクノロジーを安全かつ責任を持って使用する準備がどの程度できているか確認することができます。

テストの詳細と受験方法はこちら

■日本での事例を紹介するオンラインイベントを開催
11月27日(月)に、日本でオンライン学習プラットフォームDQ Worldを実証導入する鹿児島市とつくば市での取り組み事例を紹介するオンラインイベントを開催します。日本の自治体・公立小中学校でのデジタル・シティズンシップ教育の取り組みと教材の活用事例や成果についてのプレゼンテーションをお届けします。

イベントの詳細とお申込みはこちら

<参考>
COSIレポートのダウンロード▼
https://www.dqinstitute.org/wp-content/uploads/2022/11/2022-COSI-Card-Report.pdf

COSIの算出方法について▼
https://www.dqinstitute.org/wp-content/uploads/2022/11/2022-COSI-Methodology-Report.pdf

原文のプレスリリース
https://www.dqinstitute.org/news-post/three-in-four-children-worldwide-experienced-at-least-one-cyber-risk-in-2022/

DQ Instituteについて
DQ Instituteは、デジタル時代における個人、組織、国家の安全、エンパワーメント、幸福を確保することを目的とした国際シンクタンクです。DQ Instituteが提唱するデジタルインテリジェンス(DQ)は、デジタルリテラシー、スキル、レディネス(IEEE 3527.1-2020)の世界共通のフレームワークとして認定されています。
https://www.dqinstitute.org/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?