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子どもたちが、デジタルデバイスを賢く使えるようになるために ~「安易な禁止」から「賢く使う」教育への転換~

先日、和光中学校で日本初の保護者向けDQワークショップが開催されました。

今回は、昨年インタビューにご協力くださった小池則行先生につづき、和光中学校で技術の授業を担当している、中山義人先生にインタビューいたしました。

なぜDQを学習教材に選んだのか、「危険だから使わせない」から「賢く使う」に発想が変わったのはなぜなのか。ご自身の経験に基づいてお話ししてくださいました。

インタビュー(和光中学校・中山先生)

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中山義人
(Yoshito Nakayama)

和光中学校技術科教諭

2019年4月より教務主任

子どもの遊びと手の労働研究会常任委員

技術科の教員としてアナログとデジタルの両方の良さに触れられるよう日々ものづくりの授業について研究を深めている。


*なぜDQなのか?

— — DQを学習教材として選んだ理由を教えてください。

中山:1つ目は世界標準のプログラムであるということ、2つ目はDQTestとDQ Worldのテストとプログラムの両方があって、すぐに状況が分かるということです。

昨年の1年生は12月にDQテストを行い、その結果をプリントアウトして配付し、3学期の総合学習でどのようなテーマで学習を深めていくかということを、Googleフォームを使用し回答させました。クラスによってやり方が違いますけど、私のクラスに関して言うと、メインテーマは共通ですが、似たような課題意識を自分たちで集めて、1グループ3人組にして各自調べ、調査活動をしました(*DQWorld日本語版のリリースは3月です)。

— — DQの学習に出会うまではどういったものを使っていましたか?

中山:基本的には自作教材です。自分で教材研究をして、そこに必要なコンテンツを探したり、作ったりしながらやってきました。

10年前で言えば、掲示板で匿名と実名でのコメントでは中身に変化があるのか、ないのかみたいなことを、自分たちでやった上で言語分析、発話分析をさせるなんてことをしていました。

— — 掲示板で匿名と実名での中身の変化はどうでしたか?

中山:年によって違いますが、如実に表れた年もあればあまり変化がなかった年もあったりして効果があるような、ないような…。

掲示板使って何かをするということが、あの当時は生徒の中のリアルではなかった時代になっていたと思います。

*スマホ・インターネットの活用

— — 今までのリテラシー教育で足りていなかったことってなんだと思いますか?

中山:よくありがちなことで言えば、危険性だけを教えて、どのように活用するかということがあまり意識されていなかったことですね。スマホ、インターネットがあるのが前提という子どもたちなので、大人が見て、感じての「危険」というだけで触れさせないようにするのではなくて、賢く使えるようになる。そういう視点で授業を組まなければいけないということですかね。

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中山先生:授業の様子

— — 以前は、使わせるべきでないという考えだったとお聞きしましたが、賢く使えるようになるという、考え方に変わったキッカケはなんでしたか?

中山:そもそも教員になりたての15年前は、使わせるべきではないという考えで、授業でもそういう視点での教材を使っていました。しかし、彼らの生活実態を見ていくにつれ、もちろん危険性を知ることは大切なことですが、そのような視点だけでの学びだけでよいのかという疑問を抱いていました。危険性を煽るだけで良いのか、という問いを立ててそこから発想を転換しなければいけないのかなと思うようになっていました。

大きく発想の転換を感じさせられたのはやはり東日本大震災でした。その時は学校にいましたけれども、周辺は停電していて子どもたちも何が起きたかわからないというパニック状態の中で、私がどのように情報収集していたかと言えば、もちろんラジオでというのはありましたが、私はワンセグの携帯を見て情報をつかんでいました。そんな中、広島の中学生の報道がネットで配信されたことによって、危険だからダメではなくて賢く使えるようになる人になるための学習に転換しなければいけないと感じたことです。
(*広島県、中学生の報道の記事はこちらからご覧いただけます)

— — デジタルリテラシーについて、今の子どもたちはここ危ないな、と思うところはありますか?

中山:危ないというか、やっぱり意識させないといけないのは信憑性のところでどう判断するか。これだけフェイクニュースなどが大きく扱われる今、世の中に様々な情報が溢れている中で、何が確度の高い情報なのかを読み解く、そこは大きいんじゃないかなと思います。
似たような画面のページはいっぱいあるじゃないですか。

— — そこはどうしていけば高まっていくと思いますか?

中山:1つは国語力と、もう1つはなんでしょう、ページの構造。明らかに怪しいというか、図や写真と文章が本当に合っているのかとか。

あと、もう一つ意識しなきゃいけないと思ってるのはURLですよね。まぁそこが1つポイントかなと思っています。

*DQWorldについて

— — DQWorldを使ってみて、先ほどの信憑性のゾーンであるクリティカルシンキングを見てどう思いましたか?

中山:やっていく中でクリティカルシンキングは身に付くんじゃないかなと思います。始めてすぐのミッションで自分の名前を入れる部分があるんですけど、あそこでまず生徒たちは止まります。実名で入れていいのかとか、何を入れて良いのか、入れた情報がどのように扱われるのかというところで考えている子はけっこう多かったです。
そういう意味でいうと、トラップっていう言い方はよくないかもしれないけど、そういうものがけっこう散りばめられているなと思いました。

和光中学校ではこれから本格的にDQ学習に取り組んでいきます。
以下から、和光中学校、DQ導入事例をご覧いただけます。

和光中学校

和光中学校 DQ学習導入事例


弊社ホームページ:https://cyber-felix.com/

パートナー:https://www.dqinstitute.org/

#DQEverychild in Japan

プログラミング教育だけで、未来の子供たちはデジタル世界を生き抜いていけるでしょうか?ネットいじめ、ゲーム依存症、ネット上の人との面会、ネット上の性情報といったリスクから子供たちを守るのは大人の役割です。#DQEveryChildは、世界基準であるDQ(デジタルインテリジェンス)をすべての子供たちが身につけるためのグローバルムーブメントです。


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