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母国を離れ、サイボウズで働くことを決めたわたしの話。ーー日本でのお仕事の日常につまった工夫や幸せとは?

外国籍のメンバーも多数在籍しているサイボウズ。拠点や所属によって、自身の第一言語を使って業務を行うメンバーもいれば、母国語ではない日本語を主としているメンバーもいます。

2022年10月にサイボウズのカスタマー本部に新卒で入社した金裕珍さん(以降、ユジンさん)は、韓国で生まれ育ち、大学生の時に来日、現在は母国語ではない日本語を使いながら活躍するメンバーの一人です。

現在、カスタマー本部でサイボウズカレッジでのセミナーの企画・運営等を担当するユジンさんに、外国で働くことへの想いや、第二言語を駆使するなかでの工夫、日常の業務の中で役立っているサイボウズ製品の使い方を聞きました。

日本に来たのは、自身の夢を具体化するため。そして働く中で大切にしている3つのこと

まずは、ユジンさんが働く中で大切にしている価値観について聞くと、3つのポイントを教えてくれました。1つ目は「外国語の勉強機会を失わないこと」、2つ目は「おもてなしの日常化」、3つ目は「個々人にフィットした教育を実現すること」です。

1.外国語の勉強機会を失わないこと

高校時代は韓国で外国語高校(中国語専攻)を卒業したユジンさん。外国語や日本語に触れる原体験にあるのは、小学5年生のときの出来事だそうです。

「小さいときディズニーランドに行くのが夢で、隣国の日本にあることを知りました。両親と、小学校の卒業旅行にディズニーランドへ行くことを約束し、その時初めてひらがなの本と日本旅行ガイドブックを買ってもらいました。今でもその本は大切に持っています。2011年の震災の影響で日本への旅行は実現できませんでしたが、高校の修学旅行がたまたま日本だったんです。関西の観光地を巡り、日本の空気の優しさや、かたことの日本語でも通じ合える感覚がとても楽しく記憶に残りました。

幼少期に購入してもらった、子ども向けの日本旅行ガイドブック
タイトルは『子供も行く!ENJOY日本』

もともと大学で観光学を学びたいと感じていたユジンさん。修学旅行で感じた日本の魅力が原動力となり、日本の大学で観光学を専攻することを決意。就職を考えるタイミングで、働いていく中でも外国語を学び続けたいと感じたそうです。

「韓国の日系企業で働く選択肢もありましたが、業務上必要な言語の割合でみると韓国語と日本語が半々くらいです。日本に居たほうが身につくのが早いと感じ、日本の企業への就職を選びました。働いていると、どうしても日本語ネイティブのメンバーと日本語の能力に差がでてしまうのは確かです。たまに、なぜ自分はここで働いているのだろう?と感じる瞬間もありますが、自分は自分自身の勉強のため、夢を具体化するためにこの環境を選び、そして仕事もできて、一石二鳥なんだ!と思うようにしています!」

2.おもてなしの日常化

ユジンさんが日本の大学受験を決めたタイミングは、ちょうど東京オリンピックの招致が決まった時でした。当時話題になった「おもてなし」というキーワードが、とても印象的だったそうです。

「修学旅行で日本を訪れたときの記憶を思い返すと、実際に自分が受けた接客や人との交流が『おもてなしだったんだな』と感じました。この時感じた『おもてなし』は、サイボウズで働く際にユーザーさんと向き合う中でも意識していますし、また、サイボウズの同僚はホスピタリティスキルが高い方が多いので、日々とても刺激になっています。」

3.個々人にフィットした教育を実現すること

先にも少し触れたように、韓国在住時や日本の大学在籍時に多くのアルバイト経験をしたというユジンさん。例えば、韓国で日本語教育のボランティアや、学生塾・ゲストハウスでのアルバイトなどの経験があるそうです。

「アルバイトをする中で、なにか知識を教える際に、人によって最適な教え方があることに気が付きました。例えば、マニュアル的に手順を伝えた方がうまく伝わる方もいれば、最低限行ってほしいことをリスト的に伝えて自由に行ってもらったほうがやりやすい方もいる、というような感じです。今後は、サイボウズカレッジのセミナー運営においても、より多様な方にフィットするようにセミナーの種類を増やしていけたら、と考えています。

製品の中に蓄積されたヒントで日々学びを得る。日本で働かないとできない経験が、今できている

Garoonで会議の予習復習を

ここからは、普段ユジンさんが働く中で工夫している点についてお話を聞きました。まずは会議時のエピソードです。

「サイボウズにはGaroonのスケジュールで、会議の議題や話した内容をコメントに残したり、資料を会議前後で添付したりする文化があります。会議中は、その場の会話についていくことにまだまだエネルギーを割かなくてはならないので、会議の前後にはGaroon上の情報をしっかり見て予習復習を行うようにしています。」

メールワイズに蓄積された過去の知見からも学びを

サイボウズカレッジの運営の中でも、工夫をしていることがあるそうです。もともとアルバイトをしていたときは、BtoCのコミュニケーションが多かったというユジンさん。そのためお客様との会話も、良い意味でくだけた会話が多かったですが、入社して会話の性質に大きな変化を感じたと振り返ります。

「BtoC時代のコミュニケーションに比べて、よりサイボウズを背負う一人として、一つ一つの会話に大きな責任感が伴うような感覚です。例えば日々の業務の中だと、サイボウズカレッジのセミナー中のQ&Aだったり、お客様からのメールへの返信だったり。日本のビジネス独特の言い回しもとても多いです。とにかく日本人の先輩たちの真似をして吸収していくことで、自然に自分のものにしていけるのかな、と感じています。」

過去の先輩たちのやり取りを見る際に、kintone やメールワイズがとても役立っているそうです。

「メールの返信の際には、メールワイズで過去のメールの記録を見ることができるので、『返信が上手い〇〇さんのメールを参考にすると良いよ』と教えてもらった方の履歴をよく参考にしています。また、イレギュラーな対応が入った際も、kintoneやメールワイズ上をキーワードで検索することで、過去の知見を土台に対応することができました。Q&A等の内容も蓄積されていたりと、すべてが記録として残っていることがとても良い環境だなと感じています。

入社当初は、返信メールの文面チェックを先輩にお願いすると、言い回し等の修正をもらうことが多かったというユジンさん。近頃は、日々の学びや蓄積された情報を活かすことで、修正なしでOKを貰えるシーンも増えているそうです!✨

蓄積された顧客情報で、次につなげる分析を

また、ユジンさんが業務を進める上で大切にする“ユーザー目線”を追求する上でも、製品の中に蓄積された情報が役立っているそうです。

「セミナーを受講いただいたお客様のアンケートを分析していたとき、全体的に見たら高い満足度の回答をいただいても、その中に厳しいお声をいただいたことがありました。その背景をミクロな視点で分析してみたいと思ったときに、kintone 上でそのお声をくださったお客様のセミナー参加履歴と照らし合わせてみたところ、見えてきたことがありました。例えばAセミナー参加後にBセミナーに参加したお客様は、Bセミナーに対して難易度が低すぎると感じていらっしゃる、などの事実です。」

セミナー受講してくださったお客様の情報がkintoneに蓄積されていたからこそ見えてきた視点だったと語るユジンさん。現在はこうした分析結果を、資料やセミナー紹介ページの改善につなげているそうです。

「私も新卒で入社したばかりのため、受講者の方に一番近い視点で意見が言える立場だと思っています。資料等の改善の際には、自分だからこそ出せる視点を活かして積極的に自分の意見をチームに伝えるようにしています!

グループウェアによって同僚とのコミュニケーションハードルが下がり、大きな幸せにつながっている

最後にユジンさんに、日々業務に向き合う中で幸せを感じた瞬間について聞きました。まずは、同じ立場で悩みを相談できる人の存在があるそうです。

「同じカスタマー本部に私と同じ韓国人の先輩がいらっしゃるんです。業務的には直接の繋がりは無いのですが、カスタマー本部内の活動についてや、キャリアの相談などをするために、定期的にザツダン(※1)を韓国語でさせてもらっています。状況が近いこともあり、苦労したことを話すと共感してもらえたり、その先輩も同じように苦労していることがわかったり。また、韓国人同士だからわかり合えることもあり、それがすごく支えになっています。純粋に、韓国語を使っておしゃべりできるのも、とてもうれしいです。」

(※1)ザツダン・・・サイボウズ流の1on1ミーティング。詳しくはこちらをご覧ください!

また、現在、大阪オフィスに所属するユジンさん。同じ新卒同期の中に、大阪オフィス所属メンバーが現在6名在籍。その横の繋がりにも、幸せを感じるそうです。

「kintone の中に、『大阪オフィス』スペースがあり、先日その中の『挨拶スレッド』の中で、東京オフィス所属の同期が大阪オフィスに異動したよ!という書き込みがあったんです。同期同士で『すぐ歓迎会をしよう!』となりました。大学時代の友達だと、そこから日程調整が始まると思うんですが、Garoonがあることですぐスケジュールを立てることができます。“やるやる詐欺“、じゃなくて、すぐ実行に移せるアクションが取れることが、すごくうれしいです」

同期同士でもザツダンを行うことがあるというユジンさん。Garoon上だと、空いているスケジュールから気軽にザツダンを入れることができます。また、急用や急ぎのタスクが舞い込んできたときは、気軽に別日に移動できるため、お互い負担を感じないコミュニケーションができているそうです。

「同じ大阪オフィスの同期のつながりがとてもうれしく、最近では絶対に月1でリアルで会っています。笑 休日に遊びに行ったこともあって、その内容をkintoneでつぶやいたら、社内からいいねなどの反応が帰ってくるのもうれしいですね。」

同期とのおでかけの様子を、kintone上でシェア!25件もいいねが✨

夢を具体化するために今のキャリアを選び、日々学びを得ながらカスタマー本部で活躍するユジンさん。製品活用のエピソードからは、聞き手の私も学びになる点がありました。

自身の経験から繋がる価値観を大切にしながら、また、同僚同士のコミュニケーションにも支えられながら、輝く姿が垣間見えました。ユジンさん、ありがとうございました!