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天気と空と想像力|CX Clip 週間ハイライト(2022/1/17)

編集部より

CX Clip編集部の柏原です。

先週は、データ活用とその顧客体験への還元を追求する企業へインタビューするData for Experienceの連載としてウェザーニューズさまへのインタビュー記事を公開しています。

天気予報アプリ「ウェザーニュース」を使用している方には身近かと思いますが、このアプリでの天気情報にはユーザー自身の自発的な投稿も含まれています。リアルタイムに、あるエリアにいるユーザーがそこでの気象状況をつぶやいていくことを通して、天候予報の参考にしたり、そのデータをもとに以後の天候予報の精度向上に役立てたりするわけです。

当然「どうしてユーザーは自発的に気象情報を発信するのか?」という疑問が生じるのですが、記事の内容を先取りすると、そこには「ゲーム感覚」というキーワードが見いだされるようです。報酬系の刺激と強化に代表されるゲーミフィケーションの考え方です。

確かに。と思う一方で、こと天気を司る「空」が、わたしたちの想像力にもたらす影響も無視できないように思います。多くのフィクション作品で、国境といった人工的な境界を超える存在として空が描かれます。同じ空のもとに生きているのに、どうして私たちは争わないといけないのだろうか、といったような。

つまり空というのは、本来つながっていない人と人をつなげるような機能というか、そのような想像を喚起するモメントをもたらすのではないかということです。このような観点に立つと、ウェザーニューズのコミュニティという実践の背景をより深く理解できるんじゃないかと思います。

コミュニティは、本来的には時間や空間に「埋め込まれている」ことを前提とします。そうではなく、参加者が自由に選択できるタイプのコミュニティを目指すのであれば、どうすれば他の参加者との共同性を認識し、想像できるか、ということが問題になります。

普通は具体的な関心や趣味が共通しているという意味での共同性でしょう。一方で、ウェザーニューズの天気という象徴的なレベルでの連帯においては、直接的な交流がなくとも、サービスデザインによってそのコミュニティならではの価値を発揮できるのだと思わせてくれました。この考え方は、天気以外にも地球環境や貧困解消など、実際の参加者を目の当たりにできないが、他の参加者への想像力をもとに連帯が必要になるときに重要になるのではないでしょうか。

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