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パキスタン洪水被災者の生命をつなぐために

こんにちは、プロジェクト・オフィサーのラインです🙂

アフガニスタン事業の話が続きましたが、今回はインドとアフガニスタンの間に位置するパキスタンの洪水被災者への支援事業を紹介します📢


支援の背景


2022年6月中旬以降パキスタンは厳しいモンスーンに見舞われ、過去30年平均の3倍近い豪雨により各地で大洪水や地滑りといった水害が発生し、8月25日にパキスタン政府によって国家非常事態が宣言されました。

パキスタン・シンド州では村ごと水に沈んでしまっていました(9月時点) ©CWSA
洪水被害にあい避難している人々 ©CWSA

11月11日時点の被害状況は、被災者総数3,300万人、死者1,739人、負傷者12,867人を記録し、家屋損壊は220万戸以上、13,115キロメートルの道路損傷、439の橋が破壊され、110万頭以上の価値が失われました[1]。被災地では水位が大分落ち着いてきたものの、冬が間近に迫り、洪水被害を受けた多くの人々が、避難所、食料品やその他物資を依然として必要としています。

とりわけ深刻なのは食料不足です。人命やインフラ、財産、農地や家畜が甚大じんだいな被害を受けたところに世界的な食料価格の上昇が追い打ちをかけ、被災した人々の食料へのアクセスがいちじるしく低下しており、食料安全保障しょくりょうあんぜんほしょうが深刻に脅かされています。

事業概要


こうした水害で深刻な食料不足に直面している人々への食料へのアクセス改善を目的として、CWS Japanは食料購入のための現金キャッシュ配布事業を開始しました。洪水被害が最も大きかったインダス川が流れるパキスタン南部のシンド州で、食料への緊急ニーズが特に高いMirpur Khas (ミルプール・ハース)地区の1,041世帯に、3カ月にわたり行います。なお、この事業は、ジャパン・プラットフォームによる助成を受け、パキスタンのパートナー団体Community World Service Asia (CWSA)と提携して実施しています。


パキスタン全土地図 ©OCHA
対象地域のシンド州 ©OCHA

食料入手のためのキャッシュ配布ではありますが、医薬品やシェルターといった生命維持に必要な生活必需品の購入も考慮しています。配布にあたっては、被害の影響を受けやすい女性や子ども、高齢者(60歳以上)が世帯主である、慢性疾患まんせいしっかんや障がいのある人がいるなど、より脆弱度ぜいじゃくどの高い世帯を優先的に選ぶことにしています。

キャッシュ配布事業は、これまでの記事でも触れているように、それぞれの必要性にあわせた形で食料品をはじめとした生活必需品の購入を選ぶことができ、現金を地元の市場で使用することにより、地域経済の活性化につながるという利点が挙げられます。また、今回の事業では、モバイル送金システムを活用することで、パキスタン全土にある送金銀行の提携店で、いつでもキャッシュを引き落とせることができ、食料品を頒布はんぷするよりも効率かつ効果的な支援となっています。

さいごに

洪水被害を受けた人々が、生命を維持していくために欠かせない食料やその他の生活必需品を一刻も早く入手し、早期に復興していかれるよう、現地パートナー団体とともに迅速かつ着実に事業を実施してまいります。皆さまのご支援、どうぞよろしくお願いします。

(文:プロジェクト・オフィサー ライン静香)

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<参考文献>
[1] UNOCHA, Pakistan: 2022 Monsoon Floods - Situation Report No. 11 (As of 11 November 2022), 13 Nov 2022.


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