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"私とコミュニティの話"連載Vol.4<川西克典さん>
「私とコミュニティの話」連載第四弾!
暮らしのサービスcircleでは、‘‘人と関わり合いながら暮らす‘‘ことについてお話を伺う連載、「私とコミュニティの話」をお届けしています。
今回はコミュニティマネージャーを生業にしており、社内外でコミュニティやイベントの運営に携わっている川西克典さんからお話を伺いました。
今回お話を伺った方
川西 克典 さん
大学卒業後、2013年から新卒で繊維メーカーにて社内システム担当として勤務。2014年より社外にて朝活読書会運営を開始。以後、大小問わず社外にてイベント・コミュニティの運営に携わる。社外でのイベント・コミュニティ運営の経験をもとに2018年よりクリエイター向けプラットフォームのコミュニティマネージャーを担当。2022年9月よりtoB向けITサービスの会社にてカスタマーサクセス・コミュニティ担当として従事。
コミュニティは新陳代謝が大切
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ーー最初に社外での活動を始めたのはどんな経緯だったんですか?
大学卒業後、新卒でメーカーに就職し、総合職で配属された情シス部門で社内SEになりました。仕事に不満はありませんでしたが所属部署がとてもホワイトで、定時に帰って夜7時には家に帰ってテレビを見ている生活でした。「他の同級生がバリバリ働いている中、自分は社会人1年目でこんな働き方をしていていいのか?」と不安に思い、社外で何かしようと考えました。
そこで2014年、社会人2年目の時に始めたのが朝活読書会「ええやん朝活」です。読書会を主催しているのに僕は特に本が好きなわけではなく…むしろあまり本を読まない方でした。社会人になって本を読まないといけないとは思うけど、なかなか読めない。でも、読書会を主催してしまえば強制的に読むのでは?と思って読書会にしました。この朝活読書会は今でも続けています。
ーー2014年から続けているとなると、もう9年ほどですね!長く続けられている秘訣はありますか?
最初の3年間はまずやってみようと、とにかく色々試していました。朝活読書会のHPを作ってみたり、読書会のテーマややり方を変えてみたりと試行錯誤していました。
4年を過ぎたあたりからは自分も運営に慣れてきて、読書会自体が日常の一部という感覚なので運営の負担はないですし、毎回10〜15人くらい参加してくれる方がいるので続けられています。集客に苦戦していたり、来てくれる人が減ってしまったら続けられていなかったかもしれないですね。
最近では、コロナ禍前の参加者の方が久しぶりに読書会に参加して「4年ぶりに参加したけどまだやってくれていて良かった」と言ってくださることもありました。長く続けることも1つの価値だと感じています。
ーー読書会も参加者にとって一つのコミュニティですよね。やっぱりリピーターの方が多いんですか?
リピーターは6割程度であとは新規の方ですね。リピーターでも頻繁に参加する方から年数回の方まで様々です。
毎回新規の方が参加してくれているのも重要です。コミュニティは、人の入れ替わりがなくなり代謝が止まると、衰退していくと思います。同じ人だけだと新しいアイディアがなくなって固定化しますよね。常連ばかりだと新しい方が入りにくくなり、どんどん風通しが悪くなってしまいます。コミュニティ所属者の入れ替わりがあることは、とても大事だと思います。
主催ではないですが、渋谷で行われる音楽祭「渋谷ズンチャカ!」や野外映画フェス「夜空と交差する森の映画祭」の運営にも携わっているので、そこでも人の入れ替わりの重要性は感じますね。継続していて運営の方法を知っている人も必要ですが、毎年新しい人が入ってくることで次のイベントの新しいアイディアが出たり、組織としての継続性が保てると思います。
コミュニティの役割は人と人とを繋げること
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ーー会社員としてもコミュニティの仕事をされているんですか?
社内SEとして働きながら読書会の主催や社外での様々な活動を経験する中で「これを本業にできるのではないか」と思うようになりました。そんな時に参加したコミュニティマネージャーの勉強会で求人募集を見つけ、縁あってそこに転職しました。当時は本業でのコミュニティマネージャー経験は全くなかったので、社外での活動をポートフォリオにまとめて話しに行きました。
そこからしばらく、クリエイター向けプラットフォームのコミュニティマネージャーをしていました。次のチャレンジとして半年ほど前に転職し、現在はtoB向けツールの会社でカスタマーサクセスとしてユーザーコミュニティの運営に関わっていますをしています。
ーーコミュニティの仕事のやりがいや大変さはなんですか?
やりがいは、ダイレクトに反応がもらえることです。例えばイベントを実施したら、その日のアンケートの回答や懇親会の中ですぐに反応が返ってきて、直接お客さんの声が受け取れます。
その分、厳しい声もダイレクトにいただきます。大変なのは、お客さんと会社との板挟みになることです。フィードバックを頂いて、改善要望を会社に持って帰っても実現できるとは限らないし、どっちの声もわかるので間に挟まれることになります。
その時々で状況が違うので一つの正解はないですが、伝え方や自分の取り組み方が大事だと思います。例えば、できる/できないをはっきり伝えることや、何かを伝える際に誰からどう伝えるのが一番いいのかを考え続けています。
コミュニティ担当として働くのはそういうことの積み重ねで、すごく人間味のある仕事だと思います。仕事かどうかの境目も曖昧になる事が多いですね。人と人との関係性が大事なので。
僕は自分自身を何かの専門家ではなく、周りで繋がって人と人とを繋げる媒介者だと思っていますが、コミュニティの役割は、人と人とが繋がるきっかけを作ることだと思います。
コミュニティ自体を盛り上げることに貢献していく
ーー川西さんの今後の展望について教えてください!
色んな活動をしているため、よく「独立しないの?」と聞かれるんですが、今のところ独立するつもりはないです。
会社でしかできないこともありますよね。例えば予算やリソースがあって、規模が大きいことができたり。社外で様々な活動をしてきたので、フリーになってできることは今の副業や個人の活動の中でできてるんじゃないかと思っています。
今はtoBサービスのコミュニティを運営していますが、toBのコミュニティは初挑戦なので、頑張っていきたいです。会社も、中長期目線でコミュニティに挑戦させてくれているのでありがたい環境です。
ーー今後もコミュニティマネージャーの仕事を続けていこうと思っていますか?
3年くらいは続けていると思います。でもその先については、そもそもコミュニティマネージャーという仕事…コミュニティというやり方自体が根付くのかどうかによって変わると思っています。現段階では、まだまだ不明瞭ですね。
このままコミュニティが根付かず衰退してしまわないように、自分の所属する企業や組織のことだけではなく、コミュニティマネージャーやコミュニティに関わる人同士が助け合って、コミュニティ界隈そのものを盛り上げて行きたいです。
僕自身も、コミュニティに関することで貢献できることはしていきたいと思っています!
ーー盛り上げていきたいですね!川西さん、お話を聞かせていただきありがとうございました!
川西さんの活動やSNS
・渋谷の音楽フェス「渋谷ズンチャカ!」:https://shibuya-zunchaka.com/
・野外映画フェス「夜空と交差する森の映画祭」:https://forest-movie-festival.jp/
・川西さん主催の読書会:https://eeyanasakatsu.com/
・川西さんTwitter(個人):https://twitter.com/ktnr181
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