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【旬杯】 勝手にチューダ賞

旬杯の予選ラウンドも間近ですが、

その前に、先入観抜きに僭越ながら、

「勝手にチューダ賞」

を選ばせて頂きました。

◆選んだ基準

こんな感じで選びました。

  • 思わず数秒目が止まったもの

  • 意外性のある取り合わせ

  • 情景がリアルに浮かぶもの

◆俳句に関する前情報

今回は、ほんと全く、皆様の俳句は読まないまま(あとから読みます!の意味もこめて、私の俳句にスキをつけて頂いた方や、交流のある方などの俳句にはスキだけ先につけさせて頂きました💦)
なので、先入観は完全にゼロ

の状態で、
全句一覧から、選んでみました!
↓↓↓


◆勝手にチューダ賞の特典?!

俳句からイメージした野菜を、私の畑の野菜の写真からピックアップして、
勝手に賞の特典として、付けさせて頂きました。

また今回は、順位を付けることも、絞り込むこともしないで、第一印象で選んだそのまま15句としました。

それでは、発表させて頂きます!

【勝手にチューダ賞】


1句目
コンタクト入れる放課後若楓

コンタクトを入れる動作、放課後という時間と場所、そして若楓という取り合わせの意外性に、心が動きました

季語が若楓だから、まだ青々とした若いイメージで、放課後だから、学生にちがいない。とすると、思春期の女の子なのか?

そして朝じゃなく、放課後にコンタクトを入れる?

なぜ放課後?

学校とは違う自分に変身するトリガーとして、コンタクトを入れるのか?
何かしらの強い決意なのか?

みたいなことを感じました。

◆チューダ賞の特典写真はこちら

若楓からまだ若い
ヤングコーンの画像を選びました



2句目
校庭に屈む子ひとり蝸牛

校庭に屈んでいる少年。
え?何で屈んでいるんだろう?
何かあったのか?
落ち込んでいるのか?

それとも夢中で、何かをじっと見ているだけなのか?

さらにその屈んでいる少年を、

何と「蝸牛」と合わせた取り合わせていて、寂しげな少年と、蝸牛の見事な対比に!思わず唸りました。

素晴らしい1句を、
ありがとうございました!

◆チューダ賞の特典写真はこちら

畑の片隅でポツンと実をつける
まだ小さなスイカ


3句目
ハムサンド薔薇のアーチをくぐる朝

ハムサンド!
これがこの句のなかでは、めちゃめちゃ効いていて、

薔薇のアーチという華やかな、爽やかなイメージの言葉が、朝の透明感に本当にマッチしていて、

それでいてちょっと素朴なハムサンドとの取り合わせが、めちゃめちゃいい。
(「ハムサンド」これを取り合わせる発想が凄いです!「タマゴサンド」でも「サンドイッチ」でもなく、やっぱり「ハムサンド」だからいい)

爽やかさと朝の透明感と、ハムサンドとの素朴さが、絶妙にミックスされて、
とても印象深い1句でした。

◆チューダ賞の特典写真はこちら

爽やかな朝のイメージに合う白い花
これ、インゲンの花です。
(インゲンのイメージと違って可愛い)


4句目
教室にお化けの気配梅雨きのこ

教室とお化け。
もうこれだけで十分に夏っぽい。
(肝試しみたいな)

そしてそこに取り合わせたのが、
梅雨のジメジメしたキノコ🍄
キノコの増殖した感じって、不気味ですよね😅

さらにお化けの「気配」という表現が、何か背中がゾクゾクした感じを増長させていて、さらに梅雨のキノコがトドメを刺している。

ひやりとゾクゾクする夏を感じる1句でした。

◆チューダ賞の特典写真はこちら

ちょっと不気味に見える
南瓜の写真をチョイスしました
(周りの葉っぱも枯れた、収穫間近の南瓜)


5句目
全身で鮓桶扇ぐあふぐ丸坊主

これはもう、
映像がリアルに目に浮かんで、

酢桶のなかに、熱々のご飯があふれ、
汗だくで、全身を使って、ねじり鉢巻の坊主男が、

いっしんに団扇で扇いでいる。

夏の暑さ。
炊きたてのお米の熱さ。
ほとばしる汗。
大きく扇いでいる動きと風。

目の前にもう、ありありとその姿が目に浮かぶ描写が圧巻で、さらに暑い夏も表現している、素晴らしい1句でした。

◆チューダ賞の特典写真はこちら

丸坊主から
まんまるのスイカをイメージしました


6句目
平凡に生き平凡に茄子を焼く

平凡に生き平凡に

このリフレインが、何か考えさせられることが多くて、

平凡だけど、実は平凡なことって、本当はありがたいこと。
ここでいう「平凡」は、決してネガティブな意味ではなくて、
日本人の、わびさび、に繋がるような、静かな世界観。

そしてその取り合わせとして、
「茄子を焼く」
という、日常のささやかな幸せ。

平凡と言いながらも、
幸せを感じられる1句でした。

◆チューダ賞の特典写真はこちら

これはもう迷わず茄子の写真!
畑のつやつやの茄子です。


7句目
終バスの《降ります》灯る夏の夜

バスの「降ります」のランプ。
あれ、何だか風情がありますよね。
ちょっと物寂しい感じがして、
ちょっとレトロな感じもして、

そんなバスのランプへの着眼にまずは驚いて、

さらに終バスという、組み合わせと、夏の夜との取り合わせ。

夏の楽しい宴の帰りに、終バスで家路にむかう。

何かちょっと寂しくて、さらに趣きの深い「降ります」の点灯。

とても味わい深い1句でした。

◆チューダ賞の特典写真はこちら

「降ります」のランプから
黄色い花を連想しました。
こちらはベランダで育てている
メロンの花です。


8句目
鳥たちがTLの外夏を知る

TL???
えっ?TL???

TLって何だ?

しばらく頭がフリーズし、調べてみると
「タイムライン」
ああそうか。タイムラインか!

てことは、
鳥ってTwitterのロゴのこと?
もしかして、Twitterロコが鳥から「x」に変わったことも示唆しているのか?
深い、いや深いぞこれ。

もしくは鳥たちが、この猛暑に嫌になって、空を飛び回るのを止めちゃったのか?だからタイムラインの外なのか?

いろいろと、妄想を楽しめる1句でした!

◆チューダ賞の特典写真はこちら

空へ空へと伸びていく
(空飛ぶ鳥のイメージ)
メロンの蔓の写真です!


9句目
枝豆に塩を振るなり時の鐘

枝豆に塩を振る

もうこの表現が大好きで、
そう、枝豆には塩を振ったほうが、絶対に美味しい。

茹でるときは、4%の塩とされていて、でもってこれ、けっこう、しょっぱいんだけど、仕上がりを食べてみると、追い塩を振りかけないと物足りない塩味。

そして、この句で取り合わせている
「時の鐘」

食べ時を逃すな!ということか?
そう確かに、枝豆は収穫してからどんどん糖度が抜けていくから、収穫したらすぐに茹でたほうが断然美味しい!

そんなことを色々と考えた1句でした。

◆チューダ賞の特典写真はこちら

うちの畑で採れた枝豆を茹でて
ビールで1杯やったときの写真です。
枝豆の追い塩は、茹でた直後がベストです
冷めてから塩振っても、中まで浸透しません


10句目
紫陽花や丸き笑顔の老いし母

紫陽花の丸い花。

そこから優しい母の笑顔を連想した、
ほっこりとする1句です。

梅雨どきに、可憐に咲く紫の紫陽花。
そしてその丸い花の群れを、
母の優しい笑顔にかけていて、

でもそこに「老いた」という表現が入ることで、何ともいえぬ寂しさなのか、

はたまたそれでも「丸き」という表現から、優しい母の笑顔に、ほっこりとしているのか?

寂しくもあり、変わらず優しくもあり、そんな母の笑顔を紫陽花から連想されたのか?

そんなことを考えさせられる1句でした。

◆チューダ賞の特典写真はこちら

紫陽花に似た雰囲気の紫の花
これ実は、ジャガイモの花なんです。


11句目
蠍座やあたしゃぴゅーっと飛びたいわ

ぴゅーっと飛びたい

この表現に釘付けで😁

ぴゅーっと飛びたいときってあるよな〜なんて思いながら、

でもそんなこと考えるのって、きっと蠍座だよね〜

なんて、根拠なくイメージしたりして。

絶妙な「オノマトペ」と。
蠍座という不思議な取り合わせ。

それでいて、飛びたい! 
って欲求への共感もあって、とても新鮮な作風の俳句でした。

あああ、どこかに飛んていきたい!😁

◆チューダ賞の特典写真はこちら

南瓜の馬車で
空をぴゅーっと飛びたい!


12句目
キラキラの命いただく夏野菜

夏野菜は、
ほんとキラキラしていて。

収穫の秋なんて言われますが、
実は夏のほうが収穫量が多い気がしていて。

それでいて夏野菜って、

茄子とか、トマトとか、
ピカピカ輝いていて。
さらに、夏は成長が凄いから、
ほんとその生命力を頂く感じで。

なのでこの

「いのちいただく」

の表現が、夏野菜を育ててる自分にはとても心に刺さる1句でした。

◆チューダ賞の特典写真はこちら

収穫したての
ピカピカのミニトマトです!


13句目
ここからは一人で歩く梅雨の月

「ここからは一人で歩く」

この格言的なつかみが、とてもキヤッチーで、

それでいて、この格言的な言葉と

「梅雨の月」

という取り合わせが、詩的な要素も演出してくれていて、俳句としての味わい深さも広げている。

なぜ、一人で歩くと決めたのか?
そして梅雨の月は、そんなあなたを見守っているのか?

一人で歩く、梅雨の月
この取り合わせが絶妙で、

きっとこれは、梅雨の月であるほうが、より一人で踏み出す感じを演出してくれているはずだよな〜みたいな。

そんな絶妙なバランスの1句でした。

◆チューダ賞の特典写真はこちら

土を一人で突き破る
新芽が出る瞬間の写真です。
(これは、ジャガイモの芽です)
こんな小さな弱々しい新芽が
大地を突き破るのって凄いですよね!


14句目
トー横の少年少女ひでり星

今回は、自分の勝手に賞では、
あえて順位はつけないと言ったのですが、なかでも、この句は、いちぱん好きかもしれません。

  • トー横

  • 少年少女

これだけでも伝わるものかあり、でもって、目に見える情景も、ほんとありありとしていて、

さらに、

「ひでり星」

この取り合わせも最高!

語彙力に乏しくて申し訳無いのですが、ほんとこの句の言葉の組み合わせ、字面の響き、見えてくる情景。

読んだ瞬間、
頭を撃ち抜かれました。
(個人的No.1の1句です😄)

素晴らしい1句を、ありがとうございました!

◆チューダ賞の特典写真はこちら

この句がもつ怪しい土地柄の雰囲気と
オクラの妖艶な花が合うと思い
この写真を選びました。


15句目
才能を買ひに行きたし蝸牛

才能を買う!!

この素晴らしい表現に(このフレーズは絶対に自分からは出てこないです)

蝸牛との取り合わせ。

何で蝸牛なのか?

蝸牛は、ノロノロとしか動けなくて、
おおよそ才能とはかけ離れた、
鈍くさいイメージかあって、

でもそんな蝸牛も実は、
非凡な才能が欲しくて、
才能を買いに行っているのか?
(作者さまの解釈と乖離してたらすみません💦)

そんなことを、考えさせられる1句でした!

◆チューダ賞の特典写真はこちら

蝸牛と同じように
素朴なイメージのあるジャガイモ
(今年は大豊作でした)
の写真にしました!

みなさま、
本当に素敵な俳句を、ありがとうございました!


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