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ほら立てるよ 夢みるアドレセンス「ドレミ」

このフレーズを「ドレミ」とした発想がすごいと思う。

夢みるアドレセンス(夢アド)が9/30にリリースしたアルバム「SUPER JET SUPER」のリード曲「ドレミ」についてであるが、タイトルの「ドレミ」は歌詞中にある「Don’t let me」から来ている。短く発音すると、各単語の母音だけが強調されて「ドレミ」のように聞こえる。

「Don’ t let me 〇〇」といえば、真っ先に浮かぶのは「Don’t let me down」だろうか。
ビートルズの往年の名曲もこのタイトルだ。

訳すると、「私を落ち込ませないで」とかになるだろう。

「ドレミ」において、「Don’ t let me」はサビの歌詞で使われている。

DON’T LET ME GO GO MECHA
SUPER SUPER LOVELY LOVELY
HAPPY WE ARE じゃん

しかし、ドレミの歌詞では、ビートルズのそれとは違って、don’t let meのあとに「down」と単語が続いていない。おそらく、「Don’t let me」の後には「down」がセットで続くことが刷り込まれているため、「down」をざっくりと省略したのではなかろうか。

さらに、この歌詞を読むともう一つ解釈が考えられる。

「DON’T LET ME」の後に「GO」とあるから、たんに「Don’t let me go」として一文になっているのかもしれない。こうなると、「go」させないで、という意味になる。訳としては「私を行かせないで」あたりか。誰かに訴えかけているのだろうか。

けれども、曲を聴きすすめ、後の歌詞とのつながりを考えると、この解釈では少し無理があることもわかる。曲を聴くと、「Don’t let me」と「Go Go」の間は区切られているように思える。音としてはっきりと空白があるわけでは無いのだが、「GO GO」と2回も並んでいる時点で違う気がする。「Go Go MECHA」で一文を成していると考えるほうが自然だろう。となると結局、「don’t let me down」の省略と考えていいのかもしれない。

それにしても、「DON’T LET ME」を「ドレミ」としたのはすごい。「ドレミ」はハ長調の音階の始まり3音でもあるから、ここからスタートを切るという意味を示しているとも捉えられる。アルバム「SUPER JET SUPER」のトップバッターの曲として、これ以上なくふさわしく感じられる。実際にアルバムを先頭から聴いてみても、この曲の存在によってアルバム全体に勢いが与えられているように感じる。

曲としては勢いが良く、テンポも早い。
個人的には、ここの歌詞の部分はあふれ出る疾走感を覚えて好きである。

揺らすリズム 不安無視する

の部分。発音すると「ゆーらすりーずむ」というメロディだが、「す」の発音が「す(su)」というよりは、息が漏れるような「s」の発音に近くて、どこか英語の発音ぽく感じ、抜けがいい。ここのパートを担当する山下彩耶さんの歌い方がハマっている。

メンバーの山口はのんさんもコメントされていたが、振りが分かりやすく、真似しやすいのも特徴の一つである。新体制となってからの夢アドにはコレオグラファーとして元PASSPO☆の槙田紗子先生がついているということもあり、ファンのことをよくご存じでいられる。ライブでファンが「フリコピ」をしやすいように、両腕を前に出したり、横に広げたりと、動きが大きくて特徴的な振りが目立つ。

最後にMVについてだけ。
私服風の衣装で撮影された屋外でのショットは、おしゃれさが際立って良い。 
90年代を思わせる、少し画像が粗いショットも「今」のダンスショットとの対比で味が出ている。

鳴海寿莉亜さんは細かい所作がかっこいい(画像はMVのスクショ)。

鳴海1

ノリがよく前向きになれる「ドレミ」。解禁から1カ月あまりだが、これからライブの定番曲になっていくことは間違いないと思われる。ライブごとに聴こえかたがどう変化していくのかという点も楽しみに、聴き込んでいきたいと思う。

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