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新体験 ➡︎ ただ今、吸収中「助監督、回顧録」

過去の自分の、その時、その作品に、携わった時のコトを、
思いつくままランダムに振り返っていきます。

No.6・緊張の中、甘い囁き体験

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血液型殺人事件・霧の那須高原 襲われた女探偵」
(1985 12月OA 土曜ワイド劇場)
原作『焦茶色のパステル』「血液型殺人事件」 (仮題)
監督:鷹森 立一
出演:中野 良子 浅野 ゆう子

面倒見のいいY先輩の誘いで、
東映テレビプロダクションの2時間ドラマに参加できました。

にっかつ撮影所から東映大泉撮影所へ、
会社が変わると同じドラマ作りでも、
モノ作りの進行、手順、手続きなどが微妙に違うので、
新参者のように戸惑い、緊張しました。

もちろん、不安なこと、判らないことは、
Y先輩からアドバイスをもらいます。

ホントに、頼もしく、心強い存在です。


撮影所内に漂う空気感の差、そういうモノが、
それぞれ独自のカラーを、醸し出してるような感じがします。

監督の色とは違って、
また、別のにっかつカラー、東映カラー、
東宝カラー、松竹カラー・・・という風な感じです。


スタッフの皆さんとは、
徐々に、顔を合わせていき、

俳優さんの衣装合わせに立ち会い、
監督に確認や質問を交わし、

クランクインまでの準備と同時に、
人間関係を築いていきます。

これは、フリーランスの決まった手続きでもあります。

撮影チームは、よく建築屋に例えられ、
完成したら、
皆んな、それぞれ、次の仕事に散っていきます。

1つのモノを作れば解散です。

次の職が有れば、OK。無ければ、失業だ!

で、

前回も述べましたが、

人見知りの僕でも、好きなことならば、
このような人間関係作りにも、徐々に慣れ、
平気になっていくんだなぁと思いました。

一歩、前進かな!
ヤレ、ヤレ!!

(本音では、避けられる事ができるならば、避けたいけど)

*                 *


今回は、
那須高原の地方ロケーションもあり、

馬、生き物絡みの撮影。
人が撥ね飛ばされるカースタント。
銃弾で飛び散る血しぶき。

など、など・・・。

新体験、満載でお楽しみという事だったんです・・・

どころか、

逆に、失敗は許されない!
ということで、
準備でおおわらわ、オロオロしたことになりました。


馬の調子に合わせないといけないし、
事故にも繋がりかねないカースタント、
被弾した血ノリの飛び散り具合とタイミング、


1発OKで挑む緊迫感。
成功するまでは油断禁物!


細心の注意を払い、慎重に慎重を重ね、
ピリピリとした、雰囲気が重く伸し掛かる。


でも、

うまくいったら・・・?!

ヤッター!!!

やはり、皆んなプロなんだ!


●身体に備わった、プロ意識


*                 *


そんなロケの合間に、

1つ、甘い話が、
ナント、僕に転がってきました・・・。


撮影の出番待ちのとき、
主演のA・Uさんが、

「助監督さん!ちょっと、いい? 話、あるの!」

僕は、

「?!」

イソイソ行き、ドキドキで聞く。

「ナ、ナンですか?」

「空いてる?」

「!!???ええ・・・」

「あのさ、うちのSちゃんと、どう?」

「えっっ!?」

「気になってるみたい」

「あっ・・・あぁ・・・」

「どうかな?」

「いや、今は、ちょっと・・・」

と、断りました。

「判ったわ!」


Sちゃんは僕と一緒で関西人で、
いい感じの子だったんですけど、

なにぶん、

僕は監督になりたいと夢中に突っ走っていたので、

この時は、

そんな、ゆとりがなかったんです。

「障害になるんちゃうかと・・・」

でも、今、思えば、

「欲しいことしたなぁ・・・」

と、

人生、変わってたかもと思ったりします。


なんせ、
A・Uさんのお声掛けなんだもの・・・。


監督目指すんなら、
ビクともしない、ビビらない、
ゆとりくらい持たななぁー・・・。

●ゆとりを持て!


Y先輩、今回もありがとうございました。
仕事先が拡がっていくってことは、ホントに嬉しいことです。

「こん時の教訓」

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1、身体に備わった、プロ意識
2、ゆとりを持て!



今回の「助監督、回顧録」いかがでしたか。

また、よろしくお願いします。


【よければ、どうぞ!】

では、さよなら。

サポートしていただけましたら、より一層、充実した日々が送れると共に、明日へのパワーが漲ります!よろしくお願いします。