見出し画像

「ちょっとAS(自閉スペクトラム)でちょっとADH(注意欠如・多動)」な人として生きる

発達障害って何だろう?

最近、大学時代の友人とその息子さんが、発達障害であると知りました。

彼女はアーティスティックで自分の軸がしっかりした人なのですが、発達障害であると打ち明けられて、とても驚きました。

そもそも発達障害って何だろう?

時刻表を隅から隅まで覚えているとか、授業中に立って歩くとか?

でも、彼女の特性はそういうものではなく、人の話を聞いているようで理解できていなかったりとか、集中しすぎて周りが見えづらくなっていたりとか、なんだそうです。

もっと彼女を理解したくなったので、発達障害について調べてみることにしました。

本田秀夫先生の『発達障害 』を読んでみた

発達障害の研究者で、本田秀夫先生という方がいます。

SB新書の『発達障害 』という本を読んでみたら、意外なことが分かりました。

発達障害というのは、ADHD、自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)など数種類の障害をまとめた総称のこと。

発達障害の人の一部は、ASDやADHDなどいくつかの特性が混じり合っているタイプに該当するのだそうです。

このタイプは「ちょっとAS(自閉スペクトラム)でちょっとADHな(注意欠如・多動)」とも言える人達。

発達障害の特性には重複や強弱があり、発達障害のようであるが、ASDともADHDとも言い切れず、どちらの特性も存在しているという状態がある。

むしろ先生の長年の臨床経験によると、一つの障害の特性だけが存在する例は比較的少ないと言うのです。

このことを知って衝撃を受けました。

これって、もしかして私のことではないか?と。

長年の生きづらさの理由が氷解

「ちょっとASでちょっとADH」な人はそれぞれの障害の特性は

「1+1が2にならない」ために、特性の多さやそこから生じる悩みは、「2」かそれ以上に強いのに、特性自体は0.5に見えてしまうために理解が得られない人達

本田秀夫『発達障害 』48~49ページ

なのだそうです。

この文章を読んだ時、雷に打たれたような衝撃を受けました。

臨機応変な対人関係が苦手、興味の範囲が狭い、手順やルールにこだわる、うっかりミスが多い、気がちりやすい、思いつきでしゃべる。

本の中で紹介されていた例ですが、全て私に当てはまる特徴です。

私は、とにかく雑談が苦手だったり、こだわりが強かったり、1人でいることを好んだりいう特徴があります。またそそっかしい部分があり、気が散りやすさにも悩んでいました。また、集中して周りが見えづらくなることもあります。

とはいえ、勉強はそこそこできたし、学ぶことも好きなので、高校は進学校だったし、大学院にも通っていました。仕事もそれなりかなーと思える程度にはこなしています。

でも、あまりにも生きづらいので、実は以前に発達障害を疑ってネットでチェックリストを受けたこともありました。

しかし、おそらく「ちょっとASでちょっとADH」な私は、ASDやADHDのチェックリストを受けても、日常生活に支障をきたすほど強い特性ではないため、当てはまる項目と当てはまらない項目があって、ピンときませんでした。

そもそも、前述の通り、発達障害といえば特性が強いステレオタイプしか知らなかった私は、まさか自分に当てはまるとは思ってもいなかったのです。

ちなみにHSPについてはほとんどの項目が当てはまるので、私はHSPではあるんだと思います。

でも、単なるHSPだというだけでは説明のつかない生きづらさを常に感じてきました。でも、それがどうしてなのかわからない。

それが本田先生の本を読むことで、「あっ、私の生きづらさはこれだったんだ」と腹の底から納得できたのです。

長年の生きづらさに答えが出て、ショックというよりはほっとしました。事態は何も変わらないけど、自分の努力が足りないとか劣っているとか、そういうことではなかったんだと。

ちなみに、女子のASとADHの重複例は男子に比べて特性が見えづらく、大人になってから専門外来を訪れるケースが多いそうです。(線前掲書、61~62ページ)。

女子の場合、集団生活の中で独特のコミュニティや暗黙のルールが存在することが多いので、「ちょっとASでちょっとADH」な私たちにとって困難で感じる場面は多いと感じますが、その理由についても合点がいきました。


「ちょっとAS(自閉スペクトラム)でちょっとADHな(注意欠如・多動)」な人として胸を張って生きよう

友人の発達障害から端を発して、まさか自分の発達障害に行き着くなんて想像もしていませんでした。きっかけをくれた友人には、感謝してもしきれません。

人生のブレイクスルーには、他者の存在や外からの刺激が不可欠なのだなぁと実感しました。

ちなみに先程の本の中では、特性がわかったら「環境調整」をすることを勧めています。私もこれまで自分なりに生きづらさと向き合った結果、少しずつ環境を整えていくしかないなと思っていたのですが、改めてその方向性で実践していこうと思っています。

夫は私の発達障害を知って納得し、私の生きづらさが前よりも理解できるようになったそうです。そして、「凡人の自分からみたら、ユニークで羨ましい」と言ってくれています(生きづらいのであまりオススメはしないけど…笑)。

また、発達障害とわかってから、私は以前より穏やかになったそうです。

確かに憑き物が落ちた気持ちというか、自分は自分のままでいるしかないんだと腹を括れたような気がします。私は生きづらい人として胸を張って生きていこうと思います。

ちなみに友人も自分の特性を受け入れて、お子さんと2人で療育に通って楽しんでいるそうです。

生きづらさに悩んでいない人なんて誰1人としていないと思います。その答えはそれぞれ違うと思いますが、肩の力を抜いて、のびのびと生きていきたいものですね。

もし今この記事を読んでくれている方で、私のような人がいたら、ぜひ本田秀夫先生の『発達障害』を読んでみてください。全力でオススメします!









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?