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SAKANAQUARIUM 2024 "turn"supported by サンテFX 幕張メッセ公演 初日感想

サカナクションによる約2年ぶりのツアーが幕を開けました。そのコンセプトはずばり“サカナクション復活祭“といったところでしょうかね、たぶん。

ボーカルの山口一郎さんが、体調不良のため活動休止したのが2022年の7月。その闘病の日々をインタビューで赤裸々に語っています。

一郎さんが再びステージに立ったのは、昨年から今年1月にかけて山口一郎ソロで行われた「蜃気楼ツアー」。その千秋楽にて、サカナクション完全復活が高らかに宣言されました。

そして迎えたツアー初日、会場には待ちに待った魚民(サカナクションのファン)たちが集結していた。

個人的には「アダプトツアー」の仙台公演以来の鑑賞になります。そしてサカナクション沼にハマりだしたのがちょうどコロナ禍だったため、声出し有りのサカナクションは今回が初めてで、その点も楽しみでした。



以下セトリ等のライブのネタバレ含みます。








会場が暗転した後、最初に聴こえてきてのは雨音。それが雷雨へと変わっていく。そして正面のモニターには青白い雷のエフェクト。そこから解き放たれた1曲目「Ame(B)」からライブスタート。ド派手電子音を開幕浴びせられる。

そして完全復活宣言と共に披露されたのは「陽炎」。正にお祭りと言える楽曲に、やたらご機嫌な映像が合わさりいきなりテンションアゲアゲだった。

続いて「アイデンティティ」→「ルーキー」のお馴染みの流れが、この超序盤に炸裂した。僕にとって人生初の声出し「アイデンティティ」である。「蜃気楼ツアー」でも披露されていたが、バンド演奏の方が周りの熱気も相まり熱さを感じた気がする。会場一体となる「アイデンティティ」楽しすぎだ。

そこから「ルーキー」へと繋ぐ定番の流れだが、「アダプトツアー」では繋げなかった為これも初体験になる。映像で何度も観ていた流れも、体感するとやはりぶち上がってしまう。

「Aoi」、「プラトー」と続く。特に「プラトー」はここまでの華やかな演出から一転、クールなムードを纏うギャップにキュンとしちゃう。シルエットも絵になるし、ラスサビの振り切った光量もかっこいい。2番頭の“平行線の夜“の辺りが、以前より感情を露わにした歌い方に感じた。

アッパーなテンションは「ユリイカ」を経て一旦落ち着き、いわゆる“深海“パートへ移る。まずは「流線」。赤い照明に照らされながらの、男性陣による迫真のプレイングが見どころだと思う。今回導入された超絶高音質を誇るシステム“Speaker+“の猛威が、遺憾なく発揮されたシーンの1つだったと感じる。思わず息を呑む大迫力だった。そして一郎さんは、苦悶とも取れる表情での歌唱だったように見えた。その様子を見ながら、歌詞の“心空回り“とは、これまでの一郎さんの事ではないかと邪推してしまう。

そして「ナイロンの糸」、「ネプトゥーヌス」が続き海へと潜って行く。「ナイロンの糸」のラストは朝の海を感じる様な演出で、夜の世界へとスムーズに誘ってくれた。そして夜を描く「ネプトゥーヌス」。この曲は一郎さんの闘病生活を象徴するような1曲で、弾き語りで披露されるシーンも多々あった。だからこそ、5人の演奏で披露されるのは感慨深いし、終盤にかけての盛り上がりに感極まってしまう。最後のコーラスなんて、もはや昇天しそうになるほど美しい。個人的にこのライブのハイライトは「ネプトゥーヌス」だったと思う。

「さよならはエモーション」で闇を抜け、また浮上し始める。「ホーリーダンス」で踊った後、DJパートへ移行していく。

「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」「ネイティブダンサー」で更に踊る。クラップは上手くできてたはず。DJパートは選曲や、正面の幕が割れていきメンバーが姿を見せる演出等、過去のライブ映像を思い出す内容をやってくれて、新参者的にありがたいなぁと思っていた。あとやっぱり高い位置に行くんだぁとか思っていた。

そして満を持して「ミュージック」。実は1番聴きたかった曲で、やるだろうと思ってはいたがめちゃくちゃ嬉しかった。音源だと序盤は淡々と進む印象だが、ライブで聴くとテンションも相まり、イントロからかなりノリノリになれた。バンドスタイルへ切り替える際の、脳を貫くような開放感がたまらない。

更に「ショック!」、「モス」、「新宝島」と続くのだから休んでる暇などない。爆湧きショックダンスはもちろん健在、めちゃんこ楽しい。散々上げ倒した後、「忘れられないの」でチルアウト。心地良い高揚感が会場を包み込み本編はフィニッシュ。大盤振る舞いな内容に大変満足した。

満足したのだがアンコールにて一郎さんの「まだまだ踊れる?」の1言。もちろん「夜の踊り子」を披露。そして「デビュー曲やるよ」と告げ「三日月サンセット」。再出発のライブでのデビュー曲披露、ここから再開だ!という意思が伝わってくる。

個人的にアンコールで印象的だったのは、一郎さんが他メンバー全員に話を振っていたところ。なんというか、昔の多少ワチャワチャした感じが戻っているように感じた。映像でしか観たことないけど。その光景を観るだけで、新しいサカナクションを感じられた気がする。

ラストは遂に5人でのお披露目となった「シャンディガフ」。エンドロールと共に優しいメロディが響き、会場が拍手で包まれる。さっきまで踊り狂っていたのが嘘のように、じっくり聴き入ってしまったのは僕だけじゃないはず。多幸感に満たされていた。アウトロの一郎さんがノリノリで、なんだか嬉しくなった。

この日のライブは、自分の中でずっと色褪せない気がする。復活までの日々はきっと、外部からじゃあ到底分からないほど壮絶で、苦しい日々だったんだと思う。それでもずっと言い続けてきた、「変わらないまま変わる」を体現してくれたサカナクション。新たに始まる旅をこれからもずっと応援したい。

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