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きっかけを、知りたい。

私が住んでいる所にある「自然史博物館」は、とても見応えがある。

今まで二回訪れたのだが(1回目は一人で、2回目は夫と二人で)大人510円の入場料でこんなに楽しめていいのかと思うほど、私の好奇心は存分に満たされた。

今回の記事のトップの画像は博物館で撮影したものだが、この恐竜の模型は相当デカい。他にも実物大の動くティラノサウルス模型もある。迫力満点だ。

地球がどのように誕生したのか?生物はどのように海から陸へ適応したのか?恐竜はなぜ、あんなにも巨大化したのか?人類が二足歩行になったきっかけは?なぜネアンデルタール人は絶滅し、ホモサピエンスは生き残ったのか?などなど生命の進化のきっかけとも言える部分に、私の興味の矛先はある。

前の職場(学校)で、ネアンデルタール人の骨格化石の写真や、彼らの生活の様子がカラーイラストで載っている図書が廃棄されるというので、「捨てるならください」と貰って帰って来た事があるが、その時は思いっきり「変わった人」という目で見られた。まあ、当然だろう。

きっかけ、という事で別の話をすると、最近私は『むらさきのスカートの女』という小説を読んだ。

この本は第161回(2019年)の芥川賞受賞作品で、内容自体も面白かったのだが、著者である今村夏子さんが小説を書き始めたきっかけがまた面白い。

29歳の時ホテルの客室清掃の仕事をしていた今村さんは、ある日、翌日の客室稼働率に対してスタッフが多かったので「明日休んでください」と言われたそうだ。

そういった人員の調整は珍しい事ではなかったようだが、今村さんは必要以上にショックを受け、自分は必要とされていない、いらない人間なんだと思い込んでしまい、それならば今後は誰とも関わらなくて済む仕事をしよう、誰とも関わらなくて済む仕事といえば作家だ、「そうだ小説を書こう」となったらしい。

めちゃくちゃネガティブな思考回路だが、気持ちはよく分かる。なぜなら私も出来る事なら一人で仕事がしたいと、ずっと思ってきたから。

考える事は同じでも、そうやって書き上げた初めての小説『あたらしい娘』は太宰治賞を受賞、のちに『こちらあみ子』と改題され、その本は三島由紀夫賞を受賞するなど、凡人ねこ子とその後芥川賞作家になる人とは、天と地ほどの違いがあるのだが。

そんな、きっかけエピソードを知った私は、益々今村作品に興味を持ち、立て続けに他の2作品を読んだ。とても面白かった。

きっかけとは少し違うのだが、私はnoteの記事を読んだ後、そのクリエイターさんの自己紹介記事が固定されていたり、固定されていなくてもすぐ目に付く場所にあったりした場合、100パーセントそれを読む。

自分が面白いと思った記事を書いたのが、どんな人なのか(たとえ部分的にであっても)知りたくなるのだ。

以前、ある方の「一般人の自己紹介など誰も興味無いから自分は書かない」という内容の記事を読んだ事がある。なるほど、そういう考え方もあるのだなぁと感じた一方、もしあなたの自己紹介記事があったら私はすごく読みたいけど、とも思った。

何かが産み出されるきっかけには(それがnoteの記事でも、小説でも、地球でも)それぞれのドラマがあると私は思う。だから興味が沸くし、強く惹かれるのだ。

色々な考え方があるけれど、自己紹介記事ってクリエイターさんの個性が出ていて、結構面白いですよ、ね?

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