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【キッチンこぼれ話】起死回生の麻婆豆腐

失敗した。
痛恨のミス。
まあ、いけるっしょと手を抜いた結果がこれだ。

なんの話かって?
夕飯のおかずの話です。
な~んだそんなことか、と言うなかれ。
私みたいな「料理をしなくていいならそれにこしたことはない」という面倒くさがりが、ぐうたらな自分をなんとか奮起させて作ったおかずが失敗作だったとき、これ結構ダメージ大きいんですよ。
はああ…

冷蔵庫の野菜室に里芋が2個あったんですね。
先日煮物をした残り。
里芋の煮たのって美味しいですよね。
塩をまぶしたり下茹でしたりと、下ごしらえはちょっと手間ですが。
甘辛く煮た里芋の、にちっとした食感。
歯ごたえと言っていいのか分からないくらいの、ほろりとくずれる柔らかさ。
そこにひき肉を合わせてそぼろ煮になんてした日にゃあ、もう他のおかずなんていりません。

でも、さすがに2個だけじゃ(しかも小ぶり)煮物にするには物足りない。
さらにこのときは、下ごしらえもなんだか面倒くさかった。
でも中途半端に残ったこの里芋をなんとか使い切りたい。

で、検索しました。
『里芋 レシピ』で。

調べること数分。

ん?これいいんじゃない?
見つけたのは、里芋に味噌とチーズをのせて
オーブントースターで焼いてグラタン風に食べるレシピ。
しかも里芋は皮ごとレンジでチンしてから、
皮を剥けばOKですと?
よし簡単、簡単、これでいこう。

で、作りました。
輪切りにしたアツアツの里芋の上に味噌(ちなみにしめじを混ぜ込んだ「きのこ味噌」になってます。)とたっぷりのトロけるチーズ。
うん、見た目はバッチリ。

だがしかし食べてみると…
塩辛い。
めちゃくちゃ塩辛い。
味噌をそのまんま食べてる感じ。
チーズも里芋も、もはやその存在は無いに等しい。

念のため言っておきますが、レシピはきちんと
したものです。
私が味噌の量、完全に間違えてます。

とりあえず心を無にして自分の分は食べ切りました。(残すという選択肢はない)
がしかし夫にはこのまま出せない。
なんとかリカバーしなければ。

そこで思いついたのが、鍋に移して牛乳を注いでミルクスープにしてしまう方法。
そうすれば味噌の味はマイルドに、最後にちょっと胡椒を振れば大人のスープって感じに仕上がるのでは。
我ながらナ〜イスアイディ〜ア♪

で、さっそくやってみた結果…
薄〜く牛乳の風味がついた、塩味のお湯が出来上がりました。(チーン)
もはや打つ手なし。

夫には品数が少なくて申し訳ないけど、他のおかずだけで我慢してもらおう。
このスープは明日自分で食べよう。(残すという選択肢はない)
そう思っていたらですね、その日に限って帰宅の遅かった夫。
私が寝ていたので、なんと自分でスープを温めて食べたらしいんですよ。
全部食べ切って証拠隠滅しときゃよかった…

で、翌日。
「昨日のさ〜、鍋の中のって何ていう料理?」
と夫。

「あ、あれね、ミルクスープ(のつもりのただの塩味のお湯)」

「ミルク…ふーん…」

夫、まだ何か言いたげ。
もう正直に告白するしかない。

「いや、最初違う料理だったんだけど、失敗しちゃってね。スープにアレンジしたんだけど、微妙だったでしょ〜」

「ああ、どうりで。胡椒の味しかしなくてさ〜
うん、微妙だった。ほんと」

だよね。
でも残さず食べた夫。
なんか、ごめん。

ああ、この失敗をどうにか挽回したい。
それには、何を作ったらいいだろう。
そうだ!
前に一度作って好評だった麻婆豆腐にしよう。
丸美屋の素とか使わないやつ。
あれならちょっと手がこんでる風に見えるし、
なにより美味しかった。
よし、これで起死回生の逆転ホームランだ!

さっそく近所の業務スーパーで、豆腐と豚ひき肉(冷凍)を購入。
あ、麻婆豆腐に入れる豆腐って、もめんと絹ごし皆さんどっちを使いますか?
ウチは断然絹ごし派です。

丸美屋の素を使わない味付けは、にんにく、しょうが、鶏がらスープ、味噌などなど。
にんにくとしょうがはチューブじゃないやつ。
豆腐はしっかり水切りします。
で、食べる直前に追いごま油と花椒辣醤(ファージャオラージャン)という、これも業務スーパーで買ったピリッと痺れるような辛さの中華調味料をまわしかけます。
こうすることでかなり本格的な味になる!(気がする)

そうして出来上がった自信作。
今日の夕飯は、はたして名誉?挽回となるのか。

食後、夫に聞いてみる。
「麻婆豆腐どうだった?」

「うん!美味かった!」

おお!良かった!

「業務スーパーのひき肉って美味いよな。冷凍だからってバカに出来ないな」

…どうやら麻婆豆腐は成功だったみたいです。
しかし夫よ、褒めるとこ、そこ?

まあ、美味しかったならいいか。

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