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老眼鏡ライフ、迷走中。

数年前から、だんだん小さな文字が見えづらくなってきた。

50代。まごうことなき老眼である。

見えづらさを自覚してから割と早い段階で、私は自身の老化を憂うよりむしろ「いよいよ私も老眼鏡デビューかぁ」なんてちょっと新鮮な気持ちでいそいそと100均へ行き、べっ甲柄のフレームの老眼鏡を買った。

ただし私の場合、コンタクトや眼鏡をしていると近くのものが見えづらく、裸眼だとちゃんと見えるというタイプの老眼のため(もともと近視の人はそうなるらしい)、老眼鏡の使い方としては、裸眼の場合は必要なし、コンタクトをはめていて手元の文字が読みずらい場合は、その上に老眼鏡をかけるという少々変わったものになった。

そして今年の始めに再就職した職場では、主な業務が「製品検査」であるため、かなり細かい部分までチェックが必要な事や不良箇所の見落としがあってはならないという理由から、私にとって近くを見るのに都合が良い裸眼で、毎日勤務する事にした。

そうなると結果的に、私は老眼鏡を使う必要がなくなった。

せっかく買った老眼鏡だが、使わずに済むならそれに越した事はない。結局、普段は裸眼のまま過ごし、車の運転をする時だけ普通の眼鏡をかけるというかたちに落ち着いた。私の視力の状態だとそれで特に支障はなかった。

ところが、ごくごく最近になって今まで裸眼で見えていた手元の文字が、なんとなく怪しくなってきた。スマホの文字などが、ちょっぴりボヤけるのだ。

当たり前だけど、老眼て進むんだな。そう実感した。

で、今現在なのだが、スマホを見る度に老眼鏡をかけてみたり、いや、やっぱりスマホをちょっと遠ざける方が見えやすいかも?なんて思ってはずしたり、老眼鏡を使うんだか使わないんだか、なかなかの迷走っぷりである。

世の老眼鏡を愛用している方々は、最初からしっくりと、ご自身の目の伴侶として馴染んでいるのだろうか。それとも私のように使い方が定まらない時期を経て、徐々に馴染んでゆくのだろうか、ちょっぴり聞いてみたい気がする。


使い方迷子な私の事はひとまず横に置いておくとして、私は大人の女性が老眼鏡をかける仕草って、すごくいいなぁと思っている。

海外の映画やドラマでたまにあるのだけれど、ハイキャリアと言うのだろうか?メイクもファッションもビシッと決めた職場のボス的な女性が、手元の資料などを読むために老眼鏡をカシャっとはめるシーン、あれを見ると(うわ、カッコいい!素敵!)と思うのだ。

例えば、映画『プラダを着た悪魔』でメリル・ストリープ扮するファッション誌「ランウェイ」の編集長ミランダが、主人公アンドレアを面接するシーンや、ドラマ『グッド・ファイト』の主人公、弁護士ダイアン役のクリスティーン・バランスキーにも老眼鏡カシャっのシーンがあったように記憶している。

そういった隙のない大人の女性が、さりげなく老眼鏡を使う仕草には、なにやら色気すら漂っている気がするのだ。

う〜ん、いいなぁ。

まあ私などは、まだまだ遠く及ばないが(そもそも近づけるのかっていう話)、気持ちだけでもメリル・ストリープになりきって老眼鏡カシャっをやる分には、誰にも迷惑をかけないので許されるのではないだろうか。

今は迷走中だけれど、この先長い老眼鏡ライフを私は楽しんでいきたいなと思っている。

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