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鳥類ジャーニー類伝送記憶メモリー…………。


………マグマは依然として紅く熱気を内に潜らせ、グツグツと溶けた地盤を激しくうねらせ
激動しつつあった……熱い地熱は熱波を繰り返しまだ暑すぎる大気に稀に放出していた……
地球全体がまだできて間もなく、マグマの地殻から押し上げようとする猛烈な勢いは凶猛で留まるところを知らなかった……不思議なことに巻き上がり続ける熱風、熱波を、躱すように黒い影たちが空を縫うように、大空を旋回をしている……上のまだ真っ黒な大気の出来ていない宇宙空間から摩擦による高温な熱、
焔を身にまとい無数の隕石がそこら中のマグマ溜まりの地表に激突し続けさらに熱気を吹き上げ続けつつあった……真っ赤なマグマ岩石片が巨大にマグマの海から勢いよくいきなり競り上がり壮大に溜めを作って宙に吹き飛ばされズドバーン!!とマグマ海に叩きつけられながら、辺り全体にマグマ飛沫を暴力的に飛び散らかしていた……その燃え上がる熱気を熱風の竜巻を縫うように数多くの黒い影が旋回しつつ空を舞って飛び回っていた……
それは高熱に耐えれるように高角質なプロテクターのような角質の鎧を身に纏う様に環境適応、環境進化して来た巨大な翼を広げたドス黒い翼竜の類の新種の新生物達であった。
彼らは見た目と違って極めて高度な知性を持っているようであると、その仕草から観察は
出来た。その上、黒光りしている口ばしから高周波を通り越したテレパシーのようなメッセージを発している様子でもあった。
何処かの、遠くの、別次元、別世界へと何かの希望にも似た、何かの、コトバ……………


いつの頃の世の中なのだろう………

そこは不思議と皆、何処かの大都市の巨大な大ターミナルを無数備えた壮大な駅であった……

駅の利用客、駅員、清掃者達はみな一様に鳥のマスク、被り物をしている。中には大きなペリカンのクチバシを持つ鳥の仮面だけの人も……ハチドリの仮面の通行人利用客も……中には孔雀のマスクをしながらも背中に孔雀の尾羽根を180°広げながらそそくさと内股で急ぎ歩く人も……異様なことに、巨大なマンモス駅の利用客の全てが、全員が全員、鳥のマスクをし、鳥のコスチュームをしながら足繁く朝のラッシュアワーを忙しくコセコセと会社学校関係各管領機関へと遅れまいとして行き急いでいるのであった。

それは、何故か………?

この現実世界とは少しズレてしまった近未来のパラレルワールドの社会では、かなり感染力の強い空気感染であっと言う間に、皮膚、
呼吸器、肺、等に喘息症状や重い皮膚感染を
引き起こす対応がかなり難しい新種のウィルス感染症が世界的規模で爆発的に感染拡大し大多数の感染死亡者を排出していたからであったのだ………。

国家的規模ではもはや対策はたてられず、国連などの世界的機関ではもはや間に合わず、なかば絶望的に放棄され、世界的には絶望的な状態に陥っていたのであった………皆、口々に噂し始めていた……新たな世界的な死に至る病、黒死病・ペストだと……。世界各国の個々人に対応策を任せるしかない所まで来ていたのであった……各国の医療機関では、鳥のマスクをすれば感染ウィルスの感染力を弱められると、半ばガセネタに近しい流言飛語が世界中へと飛び交っていたのである……

駅構内の高層数百メートル上のガラス天井の格子には結構な数の様々な鳥たちが停まっていた。よくよく見てみると少しおかしい。どの鳥も見たことがないような姿なのだ。アジア原産でもない、ヨーロッパ原産でも見たことがない様な姿をしている。しかも鳥の鳴き声でもない、それぞれが何かの小声を囁いている………何処か遠くの何かの相手と話しているように…………。

ようやくマグマは、数千年の歳月を経て冷えて来ていた。ジュウジュウと、大量の水蒸気
を大空に放出させながら、熱気を強力にいまだその内に宿しながら。その段階で冷えて来た足場らしきものが出来て、それは大地であり、さっきからの正体不明の黒いプロテクターを付けた翼竜達は多数の群れをなし地へと
それぞれが警戒しながら大空から舞い降りて来ていた………
翼竜達は何故かプロテクターを少し外し、外した身体から美しい虹色の羽毛なような物を生やし始めた。依然として口ばしから高周波らしきものを発しながら、それぞれが時にうなずき時に首を振り、遠くの方の何かとコミュニケーションらしきものを繰り返していた………

駅の利用客達や駅員たちは明らかに行動がお
かしかった。動物でもなく、人間でもない、
何やら説明のしょうのない行動や人同士のコミュニケーション、会話をしているようだった。駅の監視室にあるモニターを監視している駅員達は驚いた!!不思議とよくよく見ると利用客達の被った鳥の仮面、マスクの下から鳥の羽毛のようなものが生えはみ出しているのが、ハッキリと確認でき、そして、両手の指先から鋭い爪のようなものが確認できたからだ。それも駅員、客達全てに。それは駅のターミナル上部に無数に止まり捕まっている鳥たちはユックリと鳥ではあるが何か別の生物へと変化しつつあるように人の眼からでも、ハッキリと解った。鳥たちは全身の羽毛なような物を身を振り払う様な激しい身振りで辺りに振り払い羽毛が飛びまわり、その全身は多少とも極彩色の羽毛を頭や身体、尻尾に残し、太古の世代の恐竜のトリケラトプスの羽の生えた例えようのない姿か、あるいはアンキロサウルスの羽の生えた様な甲羅を持ちつつ、ズッシリとした身体を自慢げに悠々と誇らしげな佇まいを成し異形な姿に各々が各自、変身していた………。

駅行員、駅利用客達、駅清掃員達、完璧な駅の総合システムオペレーターの職員達は監視システムから見える明らかに駅の客達の造作や行動の異様さや、それにもまして駅の上層階にたむろしている鳥だか、化け物だか分からない生物に、驚愕をしていた!!!!
だが、それ以前からのいつの間にやらか、客や自分たち職員の顔、手や足、容姿が黒いプロテクターに固められ羽毛の生えた古生代の鳥型生物に徐々に変化していく、いわゆるメタモルフォーゼに驚愕しつつあったのだ。


冷えた地球の大地の上で、翼竜達は大事な骨格や内蔵の場所だけを保護する様に硬質な黒いプロテクターの破片を残し、他は極彩色の
綺羅びやかな羽毛や羽が生え、翼を大きく大空へと伸ばした新種の飛行生物へと進化と変化を遂げていた。それはマグマの熱気による
身体の燃焼、火傷を防いだ末の環境に対する
適応進化の結果であった…………。翼竜達は何故か解らないが自分達の縄張り、テリトリー
をまともに住むことの出来ない出来たばかりの地球と呼ばれるであろうこの大地に両足を
着け、高周波の音声をテレパシー化させ、もう一つのパラレルワールドの他世界に住む自分達と同種の種族を遺伝子を変化させ、同族を繁栄させようとしているのであった。野生の本能はかなりなくらいしつこくも強烈なのであった………。


巨大な駅のターミナル全体は、狂乱、騒乱状態となり、もはや恐竜から鳥へ、鳥から恐竜への進化が始まってしまったような化け物たちの大騒ぎによる大混乱により、カオスと化していた。
駅員、利用客達、清掃員、監視オペレーター
全てが鳥の化け物達へと進化が止まらなくなっていた。

オペレーター室にあるTVモニターの画面には
世界各国の異常なパニック状態を世界各国のメディアのTVレポーター達が大騒ぎで熱のこもったパニックした状態で騒ぎたてていた、世界各国の都市部、地方、先進国、後進国問わず無尽蔵の未知の鳥類の大繁殖、人から恐竜のおびただしい数の変化、人から鳥類への進化、その明らかな異常事態を騒ぎまくり騒ぎ立てていた……。


全世界の人達が未知のウィルスによる突然変異の進化をとげ、極楽鳥の羽毛を全身に生やした鳥と黒光りした甲殻を身に纏った恐竜の融合した怪物へと進化したのであった。地球創生期に実在した翼竜達の思惑どうりに事は成功したのだろうか?それは生物としての人類にとって幸福なのだろうか?その進化、変化は動物としてでもある人類にとって良き結果なのであったのであるのだろうか……………意外にも幸せな結末なのかも知れない、今となっては誰にも分からないが………。



     しばらくの間、休憩。

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