白築という苗字、読めますか?

私はnoteにおいて、「白築シノ」というペンネームを使っている。

いや、ペンネームというよりは登録名と言ったほうがいいのだろうか。
あるいは創作者名?
または妙に拗らせてクリエヰター・ネェムなど?
まあ、なんでもいいのだが。

とりあえず、ペンネームと呼んでおく。
実際にこの名前、本来のペンネームとしての用途でも使っているのだ。

noteを始める以前も、私は書くことが好きで、「どうせ書くなら、書くことに費やした時間の対価がほしい!」と思うようになった。

その切なる思いに応えるように、新聞や雑誌、書店で立ち読みした本や、ネットの広告などで、実は世の中、想像を絶するほど様々な公募情報が溢れていることに目が行くようになった。

小説、エッセイを始め、短歌・俳句・川柳、詩、キャッチフレーズなどなど……。
積極的に探してみると、この世界にはなんと、公募の類いの募集が溢れていることか。
小説はたいてい400字詰め原稿用紙で100枚とか200枚とか書けなどと、クソみたいにハードルが高いが、エッセイは多くても原稿用紙10枚くらいまで、短い物だと400字以内とか、思った以上にハードルが低かった。
これくらいの短さなら、俺でも書けるやろ!
そんな謎の自信が生まれ、更にもともと漫画やアニメの二次創作作品(SS〈ショートショート、あるいはサイドストーリーなどの略称〉と界隈で称される小説もどきな小説や、脚本っぽいけど脚本ほどの厳密さはない台本書きの小説=実質は絵のない漫画〈キャラのセリフと擬音・擬態語とト書きで構成〉のようなもの)を大学4年生の頃からめっちゃ書いてたので、やってみたら結構書けた。

で、運よくというか、幸いというか、いくつかの小さなエッセイコンクールなどで入選する結果となった。

結果、主に複数枚の図書カードを手に入れることとなった。
小さな賞の入選なら500円程度だが、それなりに良い賞だと3000~5000円分くらい。本はよく読みよく買うので、図書カードをもらえるのはめっちゃ嬉しい。

そして更に、現金を獲得するにも至った。
これまでに一番高額だったのは、「令和4年度 第35回「働くってなんだろう」エッセイ」という、公益財団法人勤労青少年躍進会、および一般社団法人日本勤労青少年団体協議会が主催する公募で獲得した現ナマ5万円「厚生労働省 人材開発統括官賞」という、最高賞に次ぐ栄誉ある賞をいただいた。
さらに東京・中野で開かれた表彰式にも招待され、陰キャ・コミュ症の私だが、選考委員の方々からチヤホヤされたいという下心(アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の主人公の後藤ひとりさん並みの承認欲求モンスターおじさんである)で、うっかり授賞式に参戦。
他の受賞者との懇談でぼっち特有の気配遮断スキルを発揮し、割と良い賞を取ったにもかかわらず、空気と化した壁の花ならぬ壁にへばり付いた妖怪・塗り壁の如き冴えないおっさんを演じてしまったのは良い思い出だ。うん、良くない。

閑話休題。

とりあえず、その「働くエッセイ」でも使ったのが、ペンネーム・白築シノである。

さて、このペンネームだが、しっかりと由来がある。

まずは苗字の「白築」

こちらは私の本名だ。

多くの方は、あまり目にしたことがないだろう。
それもそのはず、この苗字は島根県雲南市掛合町あたりが発祥とされる、全国におよそ420人くらいしかいない苗字なのだ(「名字由来ネット」より)。

そして私もやはり、雲南市を出自とする一族の倅である。両親ともに雲南市内の出身で、父の仕事の関係で、私は兵庫県内で生まれ、現在も県内で暮らしている。

その苗字の読み方は「しらつき」

これがなかなか、一発で読んではもらえない。

「しらちく」「しろちく」「しらきずく」……。
挙句の果てには「しらちく」が聞き間違われて「しなちく」と呼ばれてしまう始末。まあメンマ美味しいから好きだけどね!

「しら」はまあ読めるが(白石とか白川とか白井とかあるしね)、「つき」となかなか読めないようで、まあ珍しい苗字だからさもありなん。

当事者の私からすると、「都築(つづき)」という苗字を想起できれば、「しら……つき?」というふうに語呂の良さで類推できそうに思うのだが……。まあ、なかなか簡単ではないらしい。

ただ、一発で淀みなく読み方を当てられた場合もある。
そして、そういう方はたいてい知識が豊富で、見識が広く、ものの道理をよく捉えている方だった。烏滸がましいかもしれないが、「白築」という苗字を読めるか否かで、相手方の知恵働きの実力みたいなものを試してみることがある。うーん、性格が悪いかもしれないが、まあ私の内心に留めている限りはよしとしてほしい。

私はこの苗字を説明するとき、「赤白のシロのシラ」と「築地(つきじ)のツキ」で「シラツキです」と語っている。
そして、最後にこう付け加える。
もともとは「しろつき」と呼んでいて漢字ではお城の「城」で「城築(しろつき)」でした、と。

実際に、掛谷出身と聞いている私の祖先は城郭建築に関わった一族らしく、実際に建築に携わった雲南市内の城の名前も伝わっているのだ。

そして、苗字の由来まで説明し終えると、初対面の方でもたいてい「白築(しらつき)」という名前を覚えてもらえる。

珍しい苗字だからこそ、逆に目立って覚えてもらいやすいのは得しているかもしれない。
私は私の苗字が好きだ。
だから、これからのペンネームの苗字は「白築」に拘っていこうと思っている。

(了)


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