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秋の夕暮れ

 夕暮れ時の気温が下降気味になる。日没するまでの時間が早くなる。もうすぐで夏が終わる。これから秋が始まる。
 小中学生の頃は秋の夕暮れを塾の帰り道で見つけた。一歩一歩歩く毎に夜の闇が深くなった。闇夜を怖がり恐れ帰り道を急いだ。幽霊は信じないが人ならざる者が存在しそうな気がして一人で怯えていた。家に到着した途端安心感で玄関でへたり込んだ。
 高校生の頃は大学受験の勉強帰りで秋の夕暮れを見つけた。運動部の掛け声をBGMに空を見上げた。看板の電飾や街灯で星屑が見えなく少し寂しげ。これが青春なんだと言い聞かせ大学受験への不安を心の中でドロリと押し殺した。
 大学生の頃は課題に追われた日に秋の夕暮れを見つけた。周囲の学生は秋の夕暮れよりもスマホの画面に夢中。秋の夕暮れ。無数の星屑が煌めく。星屑にときめきを感じ目に焼き付ける。忙しなく過ぎ去る日々。ずっと大切にしていた言葉を今まで忘れていたことに気が付いた。

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