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花屋さん

 帰り道の途中。偶然花屋さんを見つける。普段なら花屋さんが目の前にあってもスタスタと通り過ぎる。普段なら「一秒でも速く帰宅したい」「家でゆっくりしたい」帰巣本能がスマホのアラームのように何度も身体中に呼びかける。だけども、今日は違う。帰巣本能が何度も身体中に呼びかけることもなく静か。帰巣本能が静かなうちに好奇心に駆られ目にした花屋さんに入る。
 花屋さんの中は爽やかで涼しげ。店内のBGMにはもういないアイドルグループの楽曲。昔飽きる程聞いた楽曲で懐かしさと寂しさを覚える。BGMで流れる楽曲の通りどの花々も艶やかで綺麗で美しい。比べるのが野暮ったくなる。一通り眺めると片隅にある花に一目惚れ。その花は薔薇。純白色と蒼色の薔薇。純白色の薔薇はウエディングドレスを着用した新婦。蒼色の薔薇は仮面舞踏会に初めて参列する御令嬢。喩えで自画自賛。新婦の白き薔薇と御令嬢の蒼き薔薇を気に入りその場で購入。ラッピングし家に持ち帰る。大切な人に「ありがとう」を伝えた。

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