アートに関する覚書7.「意味」の意味なき時代

全てが「意味」に内包されていく時代。僕たちにとっての場所も、貨幣を生み出すだけの「意味」に変えられていく。

賃金は上がらないのに、こんなにも物価は上がり続けている。物価が上がるということは、貨幣の価値が下がっているということ。それなのに多くの人は気づかない。物であるゴミの方がまだ価値があることに。

僕たちの肉体にも性別という「意味」が次々に付加されている。肉体と肉体の交差に、他人が口を挟み加害·被害、異性·同性の図式を当てはめていく。

技術も自己運動を続ける。苦心して得た言葉の力も、AIが自動で生み出す「意味」によって代替されていく。それなのに、あたかも言葉によって人を理解しうるかのようだ。

であるならば、そもそも「意味」など捨てて、その前提になっている肉体や物質、空間へと回帰せよ。僕らを取り囲んでいた胎内へと戻らねば。

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