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3種類の機械学習

機械学習とは

 こんにちは。経済学AI研究会 マシンエコノミクスの代表のSです。

 今回は機械学習について書こうと思います。

 個人的にはAIを活用していく上ではディープラーニングよりも重要な言葉なのではないかと思っています。

 機械学習(Machine learning)とは人工知能の分類の一つで、効率的・効果的にコンピュータが学習を行う理論体系のことだと言われています。

 AIと機械学習の関係なのですが、機械学習はAIの中に含まれる手法の一つです。ちなみにディープラーニングは機械学習の中の手法の一つであり、近年話題に上る高いパフォーマンスを発揮するAIはほとんど機械学習のようです。
 そのため最近のAI=機械学習というように考えても良いかと思います。

 機械学習はAIやディープラーニングに比べて馴染みのない言葉ですが、定義のしっかりしないAIという言葉よりも具体的であり、ディープラーニングという言葉よりも指す範囲が広い使い勝手のよい言葉ですね。

 そのため本サークルの名前もディープエコノミクスやAIエコノミクスではなくマシンエコノミクスとなっています。

 コンピュータが何らかの処理をする際は何らかの数値が必要ですが機械学習ではコンピュータが入力されたデータをもとにもっとも正しい・効率的な振る舞いをするパラメータを自動的に決定します(まあもっともそれを決定するためのアルゴリズムは人間が作ったものなので厳密にはコンピュータが自分で考えているわけではないですね)。

 機械学習には大きく分けて3つの種類があり、それぞれ教師あり学習教師なし学習強化学習という名前で呼ばれています。


教師あり学習

 教師あり学習は正解となる答えが含まれているデータを学習させる手法です。この答えのことをラベルといい、ラベル付きデータをもとに学習を行います。


 例えば写真をみて動物の種類を当てるAIを作ることを考えてみましょう。
犬の画像には犬というラベルが、猫の画像には猫というラベルがついているデータを大量に学習させます。このデータをみてAIはふむふむ犬という動物はこんな感じなんだな、猫という動物はこんな感じなんだな、と答えをカンニングしながら学習をします。そういう意味では教師あり学習というよりも正答データあり学習といった方が理解しやすいかもしれません。

 そしてここが凄いところなのですが、いったいどんな要素が犬を犬たらしめるのか、猫を猫たらしめるのかをこちらが教えなくてもコンピュータが勝手に探し出して決定します。この特徴はさっきの犬のデータにも含まれていたが、こっちの猫のデータには含まれていないな、じゃあこれは犬に特有の要素なんだなと。このようにしてだんだんとそのモデルの精度が高くなっていきます。

 これこそが上で述べた「機械学習ではコンピュータが入力されたデータをもとにもっとも正しい・効率的な振る舞いをするパラメータを自動的に決定する」ということです。

 このような学習を通じて動物の種類を正確に判断するモデルを作成します。そして最終的にはラベルのない画像を見せても、この画像は犬だなと判別できるようになるのです。


実は回帰分析も立派な教師あり学習の一つです。


 ちなみによく耳にするディープラーニングは教師あり学習の手法の一つです。しかし後述する強化学習とディープラーニングを組み合わせた深層強化学習なるものもあるようで教師あり学習に特有なものでもないようです。


教師なし学習

 教師なし学習は教師あり学習とは異なりラベルがないデータを学習させる手法で、データの構造や法則を解析します。先ほどの教師あり学習と違いこちらは答えがわからないのですが、答えがなくともデータの特徴を捉えることはできます。


クラスタリングと言われる手法が代表的です。このデータの特徴はさっきのデータの特徴に近いな、もしかしたら同じグループに属するのかな、というようにデータをグループ化することができます。


また次元削減ということもできます。これは沢山の変数を少数の重要な変数へ集約することでデータの項目を減らしてスッキリ見やすくすることです。そのままではぐちゃぐちゃしていて法則がなさそうなデータでも次元削減をすればきれいな法則性を見つけることが出来ることもあります。


強化学習

 最後は強化学習です。こちらも教師なし学習と同じでラベルがないデータを学習させる手法ですが、教師なし学習がデータの特徴を学習するのに対してこちらは最適な行動を探し当てる学習です。


 与えられた環境とのやり取りから自らの成果を最大化するように何度も試行錯誤を繰り返して最適な挙動を探し当てます。初めはめちゃくちゃな挙動ですがトライアンドエラーを繰り返していくうちにだんだんとまともな動きをするようになり、最終的には最適な挙動を見つけ出すというようなイメージです。

 他にも半教師あり学習等もあるようですね。


これらの手法の経済学への応用のイメージについていつか書いてみようと思います。


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