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『さよならの向こうへ』 私たちは、もう会えないのですね。 そっと、誰かに話したかった。 …
『 モールス信号 』 トン・トン・トン・トン ツー・ツー・ツー♪ トン・トン・トン・トン …
『 微睡み 』 あなたは、私に会いに来る 私の背中を 抱きしめ 愛しているよ と、言う …
『片足の人魚』 ある時、左足が痛み出し ピコピコ歩く ある時、どうしたものかと 考える 左…
『 庭 』 閉ざされた息苦しさに 四角い濁った部屋を抜け出し 風になる わたし 重いドア…
『哀しみ』 この哀しみをどうして慰めよう 入道雲がもくもくと沸きだすように 哀しみが溢れて…
『生と死』 あの人は、この灼熱地獄に焼かれて死んだ。 ほんの数分前に読んでいた本を閉じたように、 椅子から立ち上がり ドアを開け外に出て、 熱波で熔けてゆく身体を横目で眺めながら、 「どうせ、死に向かって俺は生きている。」 「焼かれたところで痛くも痒くもない。」 あの人は目を閉じ、 そう思った。 「ここが潮時なんだよな。」 一筋の涙が流れる 誰の為に? 生きる事を諦めたのか? さっきまで読んでいた本が 棚に戻された。 あの人の死を知らない世界で、
『君の哀しみ』 ぽつかりと空いた心 無色透明な かなしみ あの白い雲 わたしの涙 流れ出…
『 本の虫 』 本を開くと本の虫がいた 丸い眼鏡をかけて此方を見る ちょっとお邪魔してもい…
『 蛾 』 茹だるような暑さ 気だるい夏の夜 窓の灯りに群がる虫たち 何を見ているのだろう…