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大地震の直後に連絡しないで下さい(2024/05/21)

 以前にもnoteに投稿したのですが、最近フォロワーさんが少しずつ増えてくださったので、改めて広くお伝えしたくて、記事にします

 夫の実家が能登地方であり、令和6年能登半島地震の被害を受けた地域です。結果的に親族・家屋は無事でしたが、夫の実家付近は発災直後に大津波警報が出された地域でした。

 地震が起きた元日は私たち家族は能登には帰省しておらず、自宅のある関東地方にいたため、被災していません。しかし、タイミングが正月だったために、夫の実家が能登だと知っている知り合いのうち数人は、地震直後に夫や私に「大丈夫?」と連絡をくれました。

 このとき、被災地にいなかったからその連絡をありがたいと思っていましたが、冷静に考えたら、もし被災地に居たら間違いなく大津波警報から逃げている最中でしたので、電源の取れないであろう高台に向かう中で、余計なバッテリーの消耗は控えたい状況だったと思います。

  ↓この辺の経緯は、こちらの記事で詳しく書いています。

 上記の記事を投稿してからしばらく経った後、被災地に住む義母とようやく少し落ち着いて話ができるようになったタイミングで、地震当日の話を聞くことができました。

 やはり、地震の直後に友人・知人から大量の連絡が来たそうです。大津波警報が出てから、義両親は車で高台へ向かったようですが、みんな考えることは同じですし、高台の場所も限られているため、車は数珠つなぎとなり全く動かず。当初の目的地だった最も高い場所へ向かうことは諦め、自宅よりは海抜の高い、脇道のようなところで深夜まで待機していたようです。

※当然、この時点では避難所のようなものがあったわけではないので、「津波から命を守るためにとりあえず高いところに逃げた」わけで、どこかの建物の中にいたわけではなく、電源の取れる場所でないのです。

 このような状況かもしれないということは容易に想像できたので、あえてこちらからは安否確認の連絡はしなかったのですが、夫には義母(夫の母)から、無事を伝えるために電話がかかってきて、一瞬だけ通話したようです。

 そのような状況を想像できない方が、たくさん連絡してこられたのだと思います。連絡手段が、ひと昔前の固定電話から携帯電話の通話となり、携帯電話でメールが打てるようになり、メールから更に気軽に送受信できるようになったメッセージアプリになり…この気軽さゆえに、その状況を「ジブンのアタマ」で想像できないと、安否確認のメッセージを送ってしまうのだと思いました。不要な救急車要請の増加に似ているものを感じてしまいました。

 上記にリンクを貼った記事の中でもお伝えしていますが、一概に発災直後の安否確認を否定しているのではなく、発災直後で安否確認してよいのは親子・家族・親族レベル、パートナー、(および勤務時間中なら仕事関係の人)と思いました。また、それ以外でも、もし連絡した相手から「いま倒壊家屋の下敷きになっている、助けに来てほしい」と言われたら、行けるくらいの距離・関係性の相手くらいですかね。

 実際にSOS求められて、行けない距離や関係性くらいの相手でしたら、安易に「発災直後」には連絡してはいけないと思いました。

 これ、ACか何かでCM打って、啓発する必要あるレベルの話じゃないかと思いました。

 また、地震から数日たっても、しばらく義母の元には「大丈夫?」「大丈夫?」と、たくさんの人から連絡をいただいたそうですが、地震後、1~2ヶ月程度は、

・そもそも「大丈夫」ではない。(ケガはなく身体は無事で、家は壊れてはいないとはいえ、もろもろ含めて「大丈夫」と言える状況ではない。)

・どのように「大丈夫ではない」状況なのかを、連絡をくれた相手に一人ずついちいち説明する気力も余裕もない。

という状態だったようです。

 気軽に連絡を取れる手段が発達した時代だからこそ、考慮すべきことがあるのだなと実感した出来事でした。

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