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初めて災害ボランティアに参加して理解したこと【前編】(2024/04/04)

 このたび、4月1日・2日の二日間、災害ボランティアに初めて参加させていただいたので、そのときの記録と感想などを共有したいと思います。

 これまでの地震関連記事はマガジンに集約しております。

 


■参加への経緯

 私自身は関東出身・在住です。夫が石川県七尾市出身で、現在も義両親や親族は七尾付近におります。コロナ禍期間を除き、割と頻繁に帰っておりました。七尾市は私も好きな土地となり、「いわゆる故郷」が無い私にとって、勝手に第二の故郷と思っておりました。

 それゆえ元日に起こった地震には心を痛めましたし、金銭面でも少額ながら寄付等の支援は行いましたが、ボランティア活動でも支援したいと考えました。これまで災害ボランティアの経験は無かったのですが、漠然と「いつかやってみたい」という思いはありました。しかし、まだ留守番できない年齢の子どもの育児中であることから、なかなか遠方でのボランティアに参加することには障壁がありました。

 自分自身がライフライン断絶地域でもタフに衣食住を完結できるようなアウトドアスキルがあるわけでもありません。「義実家のライフラインが復旧し、義実家から近い距離で集合・解散できるボランティアが可能になったら行きたい」と考えていました。そして、3月下旬からそのような条件が整ったため、春休み中の子供達も義実家連れて行きそこで預かってもらえればボランティア参加できる・・・と考え、もろもろ調整して実行に至りました。

■「テント村プロジェクト」で参加

 私が今回参加したのは、「石川県」のボランティアではなく、「七尾市テント村プロジェクト」からの参加でした。「県」の募集では、集合場所は金沢に限定されていて、金沢からの送迎バスでの移動となります。「テント村プロジェクト」は、遠方からの参加者のために、登山家の野口健さんらが市内の野球場にボランティア参加者向けのテント村を開設して受け入れている活動となります。こちらのテント村プロジェクトは、必ずしもテント村に泊まる必要はなく、マイカーの乗り入れで七尾市内の指定の場所に直接集合することが可能です。
 ただし、市内の宿泊施設は被災して休業中のところが多く、限られた宿泊施設などは、おそらくボランティア向けではなく、復旧の工事関係者優先で受け入れられているものと推測されます。なので、私のように親族や知人の家を頼る当てが無ければ、ほぼテント村一択です。

↓ご興味のある方はこちらをご覧ください。

■ボランティア1日目

 集合場所は七尾市文化ホール(ボランティアセンター本部、以下、本部)でした。こちらにも駐車場があるのですが、ボランティア活動参加者は、本部への車の乗り入れは禁止されております。指定された別の場所の駐車場から集合場所まで約1.5kmを徒歩で向かう必要があります。初めにこの情報を知ったときには少し面食らったのですが、ボランティア活動というのは、その程度の徒歩移動なんて問題ないと考える人たちが集まるところなのだと理解しました。

・本部到着

 本部に到着すると、自分のスマホでQRコードを読み込んで受付登録し、ビブスや名札を受け取ります。その後、オリエンテーションが開始。県のボラセン経由の申込者と合同で説明を聞きます。夫が2月に県のボラセン経由で参加したときは、バスの車内でA4サイズ1枚に記された「ボランティア活動参加にあたっての注意事項」の紙が配付されていたようですが、私の参加フローではそういった注意事項の紙は渡されませんでした。

ボランティアセンター本部の仮設トイレ
青いプールの中に溜められた水をバケツで汲んで流すスタイル

 この日の参加者はおよそ150人程度だったでしょうか。ボランティア活動用の車両が何台かあるため、その車両の運転手をまず始めに決めていきます。挙手制で、意外とスムーズに決まりました。平日だったせいか、参加者層は圧倒的に高齢の男性が多い印象でした。運転手を決めた後にグループ割が決められていきます。

 私が参加した日の活動内容は、主に以下の3つでした。

① 依頼のあった個人宅から災害ゴミを回収→「仮仮置場」まで搬入
②「仮仮置場」でのゴミ分別作業および解体作業
③「仮仮置場」から「仮置場」へ移動する作業

 この日、私が割り当てられたグループの作業は①でした。グループ分けされるまで、そこまで詳しい説明があったわけではなかったので、あまりよく分からず、流れに乗って行動していました。ボランティア参加者を仕切っているのは、建前上は「七尾市ボランティアセンター」の職員ですが、名札を見ると、主に関西圏から応援に入っている社会福祉協議会(以下、社協)の人たちでした。憶測ですが、彼らも1週間程度で交替していると思われ、不慣れでバタバタしている印象でした(批判の意図はないです)。おそらく慣れたころに、また別の職員とバトンタッチするのだなと考えると、いろいろ大変だなと思って見ていました。

 この日の私のグループは、男女合わせて7人ほどのグループとなりました。その中に、仕事でもプライベートでも、災害支援の経験が豊富で慣れているという方がいらっしゃり、その方がとても頼りになりました。

・無線機でのやりとり

 ボランティア活動中は本部を離れて軽トラやワゴン車で移動するため、グループごとにスマホ型の無線機を渡されます。おそらく【電話】の機能もあると思うのですが、無線での連絡を指示されます。

 私自身も含めて、無線機でのやりとりの経験はあまり無いという人がほとんどだと思うのですが、これが意外とコツが必要だということを学びました。この無線のやりとりは、1対1ではなく、端末を持っている全員に発信されるため、「誰から、誰に」向けての発信なのかを明確に伝えることが重要だと理解しました。これ、文章で読むと「当たり前でしょ」と思いがちなのですが、慣れていないと、意外と出来てない人が多かったです。

 また、他の人同士のやりとりも全て聞こえるため、答えが「YesかNo」の質問に対して、「おそらくそう思います」「その可能性はあると思います」という答え方をしている人がました。これでは質問者が困ると思うなと思いました。答えがYesかNoの二択の質問に対しては「YesかNoで答える」必要があると理解しました。ただ、この場合、返答を求められている人もその日が初めての活動であるという可能性もあり、即答でYes、Noを判断しなければならないというのも、難しいと思いました。

・依頼者のお宅へ

 グループ分けされた後は、本部から依頼者の情報が記された資料を渡され、車で移動しました。資料には予め依頼されていた内容(災害ゴミの○○の回収)などが記載されています。

 基本的には事前に依頼を受けた内容のみの作業を行います。しかし、実際にお宅にうかがうと、「追加でこれも持って行ってほしい」と言われました。よくあることのようです。その際は、無線で本部に確認を取ります。可能な依頼であれば受けますし、そうでない場合にはお断りします。この日は2軒のお宅にうかがいましたが、いずれも、搬出物は事前にまとめておいてくださっていたため、数人で運べばスムーズに終わりました。

 現在の七尾市で一般のボランティアが活動できる内容としては、ほぼ災害ゴミの対応です。事前にSNSやnoteで七尾市のボランティアに参加された方の感想など見ていたのですが、実質的には「…災害ゴミ…というよりもともと不要なものだった【粗大ごみ】では…?」と疑念を持たざるを得ないような搬出物が多いという感想を持っている人が多いようです。私と同じグループとなり、既に七尾のボランティア活動を何日か行っていた方も、そのようなことを仰っていました。でも依頼者の皆さんが被災者であることに変わりはありませんし、大なり小なり被害は被っていて、苦労されている訳です。行政も、そういった実態があるのは把握していて、ある程度は目をつむっているのが現状なのかもしれません。

 依頼者のお宅から預かったゴミを軽トラックで「仮仮置場」に移動し、降ろしたところで、この日の作業は終了となりました。ゴミの量があまりにも多ければ男女関係なく運ぶことになると思いますが、この日の量はそこまで多くなかったこともあり、私から頼んだわけではないものの、男性のほうが率先して運んでくれたため、ほとんど労働らしい労働を行うことができませんでした^^;

 というわけで、1日目はほとんど役に立てず、更に時間も予定より早めに終了しました。

 長くなってきましたので、続きは改めて別記事にしたいと思います。

 




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