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弟が結婚できた出来事とは

私には、2歳年下の妹と4歳年下の弟がいる。
弟は、3人兄弟の末っ子である。
弟は、高校時代にラグビーで青春を捧げた。
残念ながら、弟の夢である花園出場は果たせなかった。
現在は、56歳になり、結婚して二人の娘がいる。
普通のサラリーマンで愛知に住んでいる。
娘は、二人とも成人している。
弟の趣味は競馬。昔は、車で競馬場まで通っていたが、現在は健康のため、自転車で競馬場に通っているらしい。
性格は、少し、照れ屋で基本的に寡黙な人。

それでは、本題に入っていこうと思う。
弟は、結婚したかったが、なかなか良いご縁がなかった。
母親は、寡黙な弟が結婚できるか心配していた。
心配しても、何も変わらいので、思い切って近所のおばさんに相談した。
すると、良いお嬢さんがいるということで、トントン拍子でお見合いをする運びとなった。
実を言うと、母親は、お見合いにはあまり乗る気ではなかった。
その理由は、母親もお見合いで結婚した。
60年以上前の話であるが、お見合いの後、1回デートして結婚したらしい。(知らんけど)
結婚式の前日まで、結婚したくないと父親に直談判したらしい。
か・わ・い・そ・う・に! 同情する。
しかし、結婚しなかったら私や妹、弟は誕生していなかった。
複雑な心境であるが、今では良しとしよう。
母親としては、息子には、好きな人と恋愛して結婚してほしいようだった。
参考に、私は社内恋愛で結婚した。
母親は、「兄ちゃんみたいに会社に良い女性はおらんのか?」とよく、弟に言っていた記憶がある。
結婚するプロセスは、恋愛でも、お見合いでも、マッチングアプリでも幸せになればそれで良いと思う。結婚観は、人それぞれ。

それでは、弟の話に戻ろう。
近所のおばさんにお願いし、お見合いをする運びとなった。
結論から言うと、弟は、お見合いで結婚した。
お見合いで無事に結婚できたので、その決め手というかその出来事を紹介しよう。
えっ、他人の結婚のことなど興味ないって!
私もその点では同感であるが、そのことは置いといて、話を進めよう。

遡ること、26年前の1998年の7月。
お見合いは、実家がある山口で行った。
当時、父親が病気だったので、私が父親代わりでお見合いに立ち会った。
次に、相手の女性を簡単に紹介しよう。
弟より、1歳年下。控えめな女性。弟には、丁度良いくらいかな。
いたって、普通の女性。
当時は、実家がある山口に住んでいた。
お見合いの当日、お互い緊張していたせいか、口数は少なかった。
弟は、いつもより更に無口であった。
おばさんから、弟とお見合いした女性を簡単に紹介した。
続いて、私から母親と私の自己紹介、お見合いした女性の母親から父親とご自身の自己紹介をした。
最後に、弟とお見合いした女性が自己紹介を行った。

その後、少しの間沈黙が続いた。
仕方なく、私が場を盛り上げることに。
始めからその予定であったが。(笑)
弟の少年時代のことや高校時代はラグビーで花園を目指していたことなど、を切り出した。
特に、小学校1年生の時に、足を骨折し入院したエピソードは大変盛り上がった。
その理由は、当時、母親が病院に付き添いで約2か月間家を留守にしたいたので、父親と私、妹との3人での生活が暗黒の2か月だったからである。
この話は、長くなるので別の機会にすることにしよう。
そのおかげで、場の雰囲気は和んだ。
あとは、両家の家族構成や親せきのことなど話し、前半は終わった。

後半は、おばさんから「折角なので、若い者同士にしましょうか。」
といういう提案があり、私たちは別室に移動した。
1時間ほどであったが、親同士は、昔話や親せきの話題で話が弾んだ。
当の本人達は、学生時代の話、趣味や現状の生活などの話して終わったようだった。
弟いわく、話はうまくいったらしい。(知らんけど。)
最後に、おばさんから「今後は、本人同士で連絡を取り合ってほしい。」とあいさつがあり、お見合いはお開きとなった。
私から、夏季休暇に帰省するので、是非、私の実家に来てほしいと提案した。お見合いした、母親から快く、お許しをいただいた。

それから、1か月後、夏季休暇で弟も私達の家族も山口に帰省した。
そして、約束通り私の実家に、お見合いした女性をお招きした。
弟は、お見合いした女性のことを気に入っているようだ。
私も、この女性と結婚してほしいと思っている。
私から、弟に「結婚は、妥協と勢いだ!」と常日頃から言っていた。
今回、お見合いした女性より、次にお見合いする女性の方が良いとは限らない。恋愛や結婚は、一点ものである。そして、唯一無二の存在になっていく。
今回のお見合いは、良縁になるようにしたいところだ。
弟の心配事は、結婚した場合、現在住んでいる山口から愛知に嫁ぐことになり、実家が遠距離となる点である。
要するに、気軽に実家には帰ることが難しいということだ。
相手の立場を心配する点は、弟らしい。
しかし、距離を埋める、深い愛またはそれに相当する何かが必要だ。
愛は、この段階では、まだ早いので魔法でもあれば、簡単にゴールインできるのだが。

お見合いした女性は、部屋に入ってきた。
私の家内や息子達は、お見合いした女性と初対面だ。
まずは、私の家内に、お見合いした女性を紹介した。
次に、息子たちも紹介した。
息子たちも、お見合いした女性を気に入ったようだ。
家内からは、絶対に結婚してほしいと後押しされた。
家族全員が、賛成した。
その後、大人たちで愛知の観光名所やグルメの話をしているときに、結婚の決め手となったある出来事が起こったのだ。
いよいよなのか!どんなことが起こったのか?

息子達が部屋にいないことに気づいた瞬間、いきなり、部屋の襖が開いた。
スー、パッシ!
すると、私の下の息子が、な・な・なんと!
パンツを頭にかぶり、踊りを始めたではないか。
息子曰く、「パンツ踊り」をお披露目したのである。
いちびった格好とこっけいな踊りに、大人達は釘付けとなった。
踊りが終わるまでの2~3分の間、爆笑の渦につつまれた。
時間より、踊りが長く感じられた。
冷静に見ると、お見合いした女性が一番爆笑していた。

パンツ踊りのイメージ



このきっかけで、場の雰囲気は和んだ。
これで、お膳立ては完了した。
でも、ここでいきなり寡黙な弟から話を切り出すのは、危険だ。
折角のお膳立てが台無しとなる。
無口な弟の援護射撃を行うのは、兄貴の責任だ!
そう、私の出番だ。
私から弟に、「おまえから話があるんやろう。」
打ち合わせしていないので、弟は一瞬、固まってしまった。
息子がパンツ踊りをすることを想定していなかったからだ。
私は、「折角、お招きしたから、これからの事をきちんとお話ししたほうがええで。」
弟は、「う、うん。」
また、少し間があった。
その間は全員が弟に注目した。

弟は、「よければ、愛知のほうへに来てもらえませんか。遠いですけど・・・。」
ついに、プロポーズをした!寡黙な弟でも、言うときは言うのがよくわかった。
また、少し間があった。
お見合いした女性は、「距離が問題なら、最初からお見合いはしていませ~ん。」
想定外の答えに、弟はまた、固まった。
そして、またまた、少し間があいた。

ということは、OKなのか?それとも、NGなのか!
そう思っていたら、恥ずかしそうに、お見合いした女性から「愛知に行きます。」
ということは、OK!
私も、想定外の答えにサプライズ!
弟は、とうとう、固まってしまった。
感動、感激の瞬間を家族全員でリアルに経験できたたことは、幸せだった。
私らか、「本当に愛知に行ってくれる? 遠いで!頻繁に山口に帰られへんで。」と、念押しした。
お見合いした女性は、「はい。」
お見合いした女性の顔が不安そうな表情から明るい表情に変わったことがわかった。
これで、結婚が決まった。

あとは、とんとん拍子にことが進み、ゴールインとなった。
寡黙な弟のアシストをしたのは、私ではなく、息子の「パンツ踊り」だったことは、言うまでもない。
おそるべし、息子のパンツ踊り。
ありがとう!我が息子よ。
残念だったことは、その瞬間をビデオ撮りしていなかったことである。
予め言ってくれたらビデオ撮りしてたのに。本当に残念!
YouTobeにアップしたら、再生回数100万回越え間違いなし!(知らんけど)
まあ、結果的に結婚できたので100点満点。

最後に、パンツ踊りをした息子は、当時6歳。幼稚園の年長さん。
その息子も今年で33歳になり、2児の父親である。
当時、なぜパンツ踊りをしたのかと息子に聞いたことがある。
息子は、「愛知のおっちゃんは、無口やから僕らが笑いを取らないと結婚できないやろう。」と言った。
弟のことを誰よりも熟知していることに、驚いた。
あ・り・が・と・う!
もう一度、言う。息子よ、本当にありがとう。


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