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5年前、突如わたしの人生にアイドルが現れた

それはいくつもの偶然が重なって起こった些細な、だけどわたしにとっては重要な出来事だった。

2019年1月5日、わたしは珍しく友人の家にいた。
新年会をやろう!と数人で集まり、鍋を囲む手筈になっていたからだ。
そのほかにも各々食べたいものを作って持ち寄ることになっていて、家主はわたしたちが到着した頃は仕上げをしていた。

「ちょっとテレビでも観てて」
家主の一声で明るくなった画面には、黒スーツにサングラスという出で立ちに身を包んだ無表情の男たちと、カラフルで身軽そうな格好をした芸能人たちが映っていた。
逃走中。
ああ、未だやってたんだな、テレビ久しぶりに観るな、なんて思いながらぼーっと眺めていた。

その中に、華奢で目の印象が強い、男性というには幼さの残る人を見つけた。
元々ひょろりとした体型がタイプであることに加え、独特なワードチョイスと本気でビビっているように見えるその様子も相まって、なんだかやたらとかわいらしさを感じた。
本当は色白の方がより好みだけど、その人は太陽と仲良しな肌の色をしていた。

テレビをつけるのは朝のニュースだけ、情報を追っているのは二次元コンテンツとバンドばかりで、だから芸能人には疎くて、その人のことは知らなかった。
だけど所属しているグループ名くらいはさすがに聞いたことがあった。
何人組かも定かではなければもちろん名前と顔が一致している人もいなくて、だけどデビュー曲はいろんなところで耳にする機会があったからサビだけは知っていた。

これが、わたしがKing & Prince、髙橋海人さんを認識した最初の日だった。



家主の手料理が出来上がって鍋パーティーが開始されても、わたしはテレビに映るその人が気になって仕方がなかった。
とにかくかわいい。
そして一生懸命さがこれでもか!と言わんばかりに伝わってくる。
ギリギリでハンターを躱わすシーンを見るたびに、気づけば熱を込めて応援していた。
多分、友人たちは珍しいこともあるもんだ、と感じていただろう。
自分でもそう思うから。

中でも印象に残ったのはハンターを増やすか否かの時の言動だ。
増やした方が最終的な獲得賞金は上がるが、それに伴ってもちろん難易度も上がる。
逡巡したのちに出した答えは「増やさない」だった。
理由は「女性もいるから大変ですよね」。

別に女性のことも考えてて素敵♡となったわけではない。
いやまぁその点でも素敵ではあるが…。
そんな話ではなくて、「King & Prince」を全うしてるんだなぁ、と(わたしが勝手に)感じて感銘を受けたのだ。
たとえば所属が他のグループだったとしたら、
「いっぱい賞金もらえた方が嬉しいし難易度は高ければ高いほど燃えるぜ!!!」
みたいな方向性の方が合っていることもあると思う。

ただ、「僕は君を守り続ける」と、「I wanna always be your King & Prince」と歌ったグループに所属する以上、この選択の方が合っていると感じたのだ。わたしは。
結局その姿勢を崩さず、最終的には唯一の生存者となり賞金を手に入れていた。
わたしは思わず祝福の声を上げていたが、周りの友人は鍋に夢中だった。
ただ茶化さないでくれただけで有り難かった。


この時点で確実に沼に引き摺り込まれていたのにその事実から目を逸らし、しかし時間があれば名前で検索し、新たな一面を知り(多彩すぎる)、ギャップにやられ、でも認めない…という無駄な数日間を過ごした。

・約四半世紀もの間理由もなく抱いていた所属事務所へのうっすらとした苦手意識

・この年で同じ三次元を生きるしかも片手では足りないくらい年が離れているアイドルにハマるのか…???という躊躇

・FC入るの…?(元々二次元/バンドオタクだから公式にお金を落とさなければ、すきになったからにはライブには行かなければという意識は多少ある)という謎の抵抗感

上記の諸々でなぜかこれ以上は踏み入れてはならない…と謎の制約を自分に課していたのだ。
マジで無駄。
さっさと入会しろ。


結局最後はええいままよ!の心持ちでFC入会ボタンを押していた。
FC会費の安さにまず驚いた。
ついでに担当を選ばされるのも驚いた。
この日から今日に至るまで一度も変えていない。

メールやらその時期のTwitter(まだその時期はTwitterだった。戻して欲しい)を見返す限り1月13日に入会手続きを済ませ、1月15日には1stコンサートのDVDを買いに行っているようだ。
所属事務所に興味がなかったわたしはもちろん組合のコンサートは見たことなどなくて(カウコンが放映されてることはもちろん、存在すら知らなかった)、金のかかり方に度肝を抜かれた。

円盤には初回盤・通常盤とあり、特典内容が違う=両方見たければ両方買うしかないことについて、正直その時はまだ「で、出た〜!!」と言葉を選ばずに言えば引いていた。
ついでにCDが3形態あるのも同様の感想だった。
最初はレンタルで済ませていたし、〜2021年12月までは買ったり買わなかったり、買っても1形態を厳選しての購入だった。
もちろん写真なんて買おうという思考にすらならなかった。
かなりライトな推し方で、個人的見解としてはオタクではなくファンだった。

ちなみに今は問答無用で最低でも全形態買っている。
2021→2022でさらに深く沼に引き摺り込まれたからなのだが、その原因がこれ。

これの24:42〜(概要欄にセトリ?ある)のMagic Touchで髙橋海人さんの沼に更に深く引き摺り込まれたのである。
すきなところが100個ぐらいある。
…それは盛ったかも。
でも書くとあまりにも長くなるので、もし機会があればまたの機会に。

これ以降のシングルは全形態購入スタンスに変わった。
ちなみにアルバムはピースから全形態買いに変わり、写真は現体制になってついに欲求を抑えられなくなり初めて購入した。
遅くてすまん。


上の動画の前でも、たとえば
出演することに運良く気づいて(この頃はまだ所属事務所のファン初心者だったから情報が追えてなかった。許して欲しい)観に行った映画ブラック校則での演技があまりにも自然体で驚いたとか、
何の音楽番組か忘れてしまったがMazy Nightの「生きてゆけない独りきりじゃ」で抜かれた時の表情があまりに良くて三日三晩沸き続けたとか、
キンプる。の小芝居でSじゃなくてKならありますよ→K?→...キス、のときの目線の逸らしかたにぶち抜かれたとか、
なんかまぁ色々ずぶずぶと沈んでいく感覚は常にあったが。



FCに入会してからずっと熱量高くオタクをしているわけでは正直ない。
でもずっとKing & Princeをすきでいる。

2023年はあまりにも激動の年だったが、あくまでもわたしは、今も昔もKing & Princeに救われ続けている。
2023年を通して変わったことは、髙橋海人さんとほぼ同等ぐらい永瀬廉さんのこともすきになったこと。
2人のことを心から尊敬していること。
それから、ただのいちオタクの分際で、2人のことがより愛おしくなったこと。
それぐらい。


こんなに生活の一部になるなんて5年前のわたしは想像もしてなかった。
「見つけてくれてありがとう」と彼らは歌っているけれど、「見つけるまでいてくれてありがとう」と心から思っている。

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