【師匠と弟子】 読書の効能(アンケート、権威、文書作成、病)
○アンケートへの雑感
弟子: 師匠、最近、周りの人がアンケートや調査に頼りすぎているように感じます。どんな問題でも、まずアンケートを取って、それを基に結論を出そうとするんですけど、それが本当に正しい方法なんでしょうか?
師匠: 弟子よ、それは一つのアプローチだが、すべての答えを得るには限界がある。確かにアンケートを取ることで多くの意見を集められるが、その意見が常に正しいとは限らない。
弟子: どういうことでしょうか?多数の意見を反映させることで、みんなが求めるものが明らかになるんじゃないですか?
師匠: それも一理ある。しかし、革新的なアイデアは必ずしも大多数の意見から生まれるわけではない。以下引用しよう。
例えば、人々が「より速く移動したい」と思っていても、人々が想像できるのは速い馬車。自動車ではないということだ。フォードは自動車によって、人々が求めていた以上の解決策を提供したんだ。
弟子: つまり、アンケートや調査に頼りすぎると、革新的なアイデアが生まれにくくなるということですか?
師匠: その通りだ。アンケートは現状を知るためには役立つが、未来を切り拓くには、それを超える想像力が必要だ。そして、その想像力を育てるために、出口治明さんが言うように、「人、本、旅」を大切にすることが重要だ。アンケートの結果に頼るのではなく、「人、本、旅」を通じて得た知識や経験をもとに、自分自身の考えを育てることが大切なんだ。それが、アンケート以上の答えを見つける鍵になる。
弟子: ありがとうございます、師匠。これからは、もっと「人、本、旅」を意識して、自分の視野を広げるようにしていきます。
○権威付け
師匠: そうだ。そこでだ。弟子よ、これまで話したことを実践するのは大切だが、一つ覚えておくべきことがある。お前が自分の考えを話すとき、必ずしもみんなが耳を傾けてくれるとは限らない。
弟子: ええ、確かにそうですね。自分の意見を言っても、なかなか人に伝わらないことが多いです。
師匠: それは自然なことだ。人は、自分がまだ知らないことや新しい視点に対して、無意識に警戒心を抱くものだからな。しかし、同じことでも「こう本にあった」と言うと、不思議と聞き方が変わることがあるんだ。
弟子: 確かに、「本に書いてあった」というだけで、なんだか信頼されやすくなる気がします。
師匠: そうなんだ。人は権威に弱いという一面がある。次のような言葉がある。納得せんか。
本や著名な人物の言葉には、その背景にある知識や経験が信頼を生むからだ。だから、自分の考えを伝えるときに、本や他の権威ある情報源を引用することで、相手の受け取り方が変わることがよくある。
弟子: なるほど、それで自分の意見も聞いてもらいやすくなるんですね。
師匠: そうだ。だからこそ、日頃から多くの本を読み、信頼できる情報を身につけておくことが重要だ。それが、自分の考えをより説得力のあるものにし、人々の耳を傾けさせる力になる。
弟子: 師匠の言う通りですね。ただ自分の意見を述べるだけでなく、背景にある知識や権威を示すことで、伝わりやすくなるんですね。
師匠: その通りだ。これからも「人、本、旅」を大切にし、得た知識を活用して、説得力のある言葉を持つよう努めるんだ。その積み重ねが、お前の言葉に力を与える道だ。
○飛躍(文章の書き方)
師匠:さらに、少し話を続けよう。お前が本を読むことで、自分自身が飛躍したと感じた瞬間があるか?
弟子: はい、実はあります。文章の書き方に悩んでいた時期がありまして…今更ながら、そういう時期もあったなと振り返ると、なんだか懐かしい気持ちになります。
師匠: どんなことに悩んでいたんだ?
弟子: 自分の意見をうまく伝えることができず、文章を書くのがとても苦手でした。どうやって書けばいいのか、どう伝えれば相手に理解してもらえるのか、ずっと悩んでいました。
師匠: その悩みをどう乗り越えたんだ?
弟子: まずは、「文章の書き方 辰濃和男 著」より、「文は心である」という言葉。この言葉で、文を書く気持ちが研ぎ澄まされました。
そして、木下是雄さんの本に出会ったんです。彼が言っていた「意見と事実を分けて書く」というアドバイスに触れました。そして、それは日本の教育では乏しいということに触れていました。以下の引用では、アメリカの教科書を見て、衝撃を受けたと書いていました。
「事実と意見を分ける」、このシンプルなアプローチが、私の中で文章を書く際の基盤となり、すべてがクリアになったんです。
師匠: それは素晴らしいことだな。木下是雄さんのその言葉は、確かに文章を書く上で重要な指針だ。お前がそれを実践し、さらに部下指導にまで活用しているということは、読書の力が如何に大きいかを物語っている。
弟子: そうなんです。この言葉を部下の指導に使ったことは数え切れません。文章を書く際に「意見と事実を分けて書く」ことの重要性を伝えるています。これは事実に基づいたものなのか、それとも経験が少なく、ただ気持ちだけで書かれた付け焼き刃的な考えなのかを問うようにしています。そして、事実か意見のどちらを記しているのか分かるようにしてほしい、と言っています。少し口は悪いですが。
師匠: それは大きな進歩だな。文章の中で、何が事実で何が単なる感情や表面的な意見なのかを見極める力は重要だ。そして、それを的確な言葉で指摘し、部下に伝えられるようになったのも、お前が本を通じて得た学びの成果だろう。
弟子: そうですね。以前は、どう指摘すればいいのか悩むこともありましたが、今では「これは事実なのか、それともお前の意見、気持ちなのか」と、しっかり見極めて指導できるようになりました。
師匠: そのように具体的に指摘できるようになったのは、お前がしっかりとした知識と洞察力を身につけたからだ。そして、その基礎は読書から得たものだ。本はただの情報源ではなく、思考を深め、洞察を鋭くする力を養うものだからな。
弟子: 確かに、読書を通じて得た知識が、ただの理論ではなく、実際の仕事や部下指導に生きていると感じています。読書の力を改めて感じます。
師匠: これからも、しっかりと本を読み続け、学びを深めていくんだ。その知識と経験が、さらにお前の言葉に力を与え、部下たちにも良い影響を与えることになるだろう。
○病いへの思い
師匠: 弟子よ、読書を通じて学んだことは、他にあるか?
弟子: はい、師匠。実は、読書を通じて病院や医者に対する考え方も変わりました。以前は、病院の先生が言うことはすべて正しいと思っていたんです。彼らが言うことに疑問を持たず、まるで神のように信じていました。
師匠: それがどう変わったんだ?
弟子: 読書を進めていくうちに、人の体というのは千差万別で、様々な組織や器官が複雑に絡み合っていることを知りました。それを人間の組織や機能単体で見て、さらに過去の知見をもとに判断するのは、正しいとは限らないと気づいたんです。それに、体に良いことは実際には自分の体が一番よく知っている、という考え方に変わりました。
師匠: それは大きな転換だな。確かに、医者の言うことがすべてではない。人の体は個々に違い、それを理解し、感じ取れるのは自分自身だという考え方は重要だ。
弟子: そうなんです。そして、薬についてもいろいろと学びました。薬には副作用があり、誰もがそれを教えてくれるわけではないということ。薬を過剰に摂取すると逆に体に悪影響を与えることもあると知りました。これも、読書を通じて得た大切な教訓です。
師匠: そうだな。薬には役割があるが、それを過信することなく、自分の体の声をしっかり聞くことが大切だ。薬の副作用や過剰摂取の危険性についても、自分で知識を持っておくことで、無駄なリスクを避けることができる。お前がそれを学んだのは、まさに読書の力によるものだ。
弟子: はい、師匠。読書を通じて、自分の体や健康に対する考え方が大きく変わりました。これからも自分の体の声に耳を傾けつつ、必要な知識を得るために本を読み続けます。
師匠: それでいい。自分の体を知り、自分で判断できる力を持つことが、健康を守るためには何よりも大切だ。そして、それを支えるのが読書による学びだ。これからも、しっかりと学び続け、知識を深めていくんだ。さぁ、どんどん、読んでいこう。
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