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テレビニュースの劣化

最近テレビが一段とつまらなくなったように思う。

バラエティはいうまでもなく芸人やタレントを多数集め映像を見たり、企画に挑戦する番組ばかり。お手軽にできるのだろう。

さらにニュースの方も変わった。取材不足なのか1項目の時間が長くなり、何度も同じ映像を挿むワイドショー的な手法が目立つ。関東在住ではないためローカル局の情報番組・ニュースを見る機会があるが、夕方の情報番組のコーナーや系列局、キー局の特集を流用することが増えた。本来のローカルニュースが機能せず、明らかに枠を埋められなくなっている。これはNHKにもいえること。短縮でもいいのではないか。


思うのは、最近海外で活動するスポーツ選手などをやたら持ち上げるようで、その報道があまりにも過剰で食傷気味である。特に野球の場合スポーツコーナーで扱うほかに別枠で組まれることが多く、練習風景やファンがどうのとひたすら関係することを拾い上げて流している。つい最近はニュースを差し置いてトップで練習試合の結果を報じていた。それ以上に飼っているペット、車の種類といった本業と関係ないことがとり上げられ、さらにここにきて誰と婚約したといったことを詮索したり、祝福といっておよそ関係ないと思われる芸能人のコメントなどを延々と流し尺を埋めている。某フィギュアスケート選手のスピード離婚は過剰な報道と無関係といえまい。

どの時間も同じ内容といったところで、これではテレビを見る人がさらに減るのもさもありなんだろう。局の都合が大きいのだろうが一体何を考えているのか。政治家の裏金問題もいわば核心に迫ることは難しくもう間延びといった感想だ。

以前4月からのNHKの新番組はどれほど上手くいくかと疑問に記したが、そのパイロット版を放送らしい。チラと内容を見ると

謎の場所にアナが出没
生中継
記者が取材現場から登場
過去の番組を切り出すコーナー

これまでの番組を拡大する形だが、まだ試行錯誤の段階という。ただその新番組も大リーグ頼みという話が出ている。いわば試合映像の再編集でお手軽にコーナーを作りたいようだが、番組自体経費削減をキーワードとしているだけ、新番組で前向きアピールながら手抜きモードとも評されている。「民放のマネより、バランスのとれた報道番組を」「社会の役に立つ放送をするのがNHKの本筋」という関係者の声もあるが、NHKはここ暫く、らしさを捨てる方向に動いているようで期待できない。やたらネットに誘導する構成も飽きが来る。

「他に頑張っている人たちにも焦点をあてた番組作りを」というが今のテレビにはこの精神が欠けている。黙っていても日が当たり恵まれている人間にばかり焦点を当てていないか。かつてのドキュメントは日頃なかなか知られないテーマに密着したものも多数あり、現在見ても勉強となる点があるのだが今はさっぱりとなってしまった。シロウトが飛びつくような内容にばかり走って逆に嫌われていると愚考する。

かつてのテレビ好きとしては今の編成にはがっかりである。良くなる日は来るのだろうか。


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