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【SN@P新潟支援パートナー特集】04_株式会社モザイクワーク

今回は『にいがたでの創業を応援するSN@P新潟支援パートナー』をテーマに、支援パートナーである株式会社モザイクワーク代表取締役社長 杉浦二郎さんにお話を伺いました。40代で起業したバックグラウンドを持つ杉浦さんならでは目線からSN@P新潟の魅力をお伝えします!


モザイクワーク代表取締役社長 杉浦二郎さん

<プロフィール>   
杉浦 二郎(すぎうら じろう)
2015年9月まで三幸製菓(株)にて人事責任者を務め、ヤフー株式会社在籍中の2016年4月に株式会社モザイクワークを設立。
企業向けの人事部支援・採用支援・評価制度構築等、組織人事に関する全般的なコンサルティングを行う。また、地方自治体と連携しながら地域における課題解決にも積極的に取り組んでいる。


新潟から人事をアップデートする

ーーまずは事業内容について詳しく伺えますでしょうか?
杉浦さん:人・組織を支援したいという想いで会社を立ち上げ、「人事制度」「採用」「人材育成」などをメインとした組織人事のコンサルティングを行なっています。『地域の人事部』として、地方の人事をアップデートしていくことが僕達の役目だと考えています。

新潟を含む地方の企業は、そもそも人事制度や教育制度が未整備だったり、兼任で人事(総務や経理などの業務をメインでやりつつ人事を兼務)することが多い。だから、結果的に人・組織に関する対応が後手になってしまうんですよね。そうなると、「せっかく事業やビジネスは面白いのに、働いている人が楽しそうでない」そんなやるせない状況の会社も多く、この現状を打破したいんです。

ーーなるほど、組織人事のコンサルティングですか。自社商品を持たないコンサルティングという形態を選択しているのは何か理由がおありなのでしょうか?
杉浦さん:そうですね。モザイクワークでは、特に採用領域において、あえてモノのサービスとしての自社商品に注力はしていません。自社で採用サービスや商品を持つと「いかにして使ってもらうか」という視点に陥り、クライアント目線に立てなくなるのではないかと思っています。そうではなくて、目の前のお客様にとっての一番を考え、どうしたらお客様の会社が良くなるかを考え提案していきたいと考えています。

ーーお客様に寄り添った提案のため、コンサルティングという手段を選択されているのですね。そんな中で新潟にも拠点を置かれているのはなぜなのでしょうか?
杉浦さん:日本全体を良くしていくためには地方の企業が良くなる必要があって、これからの選択肢として「地方で働くこと」がもっとあっていいのではないかと思ったことが始まりですね。働き方、生き方の選択肢を増やすため、地方で魅力的な企業をどんどん増やしていきたいんです。そうすることで結果的に地方が良くなり日本が良くなると思っています。

ーー杉浦さんがモザイクワークを立ち上げたのには、そういった想いが背景にあったのですね。起業を考え始めるきっかけは何かあったのですか?
杉浦さん:
私の父は40歳で他界したのですが、その年齢を超えたことが起業を考えるきっかけとなりました。生きていたらもっとやりたい事があっただろうけど、自分はその時間を与えられている。それなら、もっと自分がやりたい事を思いっきりやってみようと思ったんですよね。私にとって40歳を超えた人生は“エクストラボーナス”みたいなもんだよな、と。

会社員時代もそれなりに活動してきたつもりですが、もっと世の中を変えていく動きがしたかったし、このタイミングだなと思ったので会社員を『やめる』決断をし、2016年に起業をしました。


本流からはちょっと離れた起業支援

ーー2年前からSN@P新潟支援パートナーになられていますが、そもそも支援企業となる決め手はなんだったのでしょうか?
杉浦さん:
支援パートナーになる決断をしたのは、「起業しない人たちを支援することが結果起業の支援になる」と思ったからです。起業を目指している人のうち、実際に起業する人はほんの一握りで大多数は『起業しない』わけです。だから起業しない人たちをフォローし、将来の起業の芽を潰さないことも起業の支援に繋がる。『起業しない』選択をした人たちも「今」起業しないだけで将来起業家になる可能性は十分にある。そこをフォローするのが大事だと思っています。

ーー本流と言いますか、起業したい!というような方を支援されることもあるのですか?
杉浦さん:
あまりというかほぼないですね。個人的な感覚として、特に学生の起業支援そのものには本腰を入れられなくて。おそらく、会社員経験が長かった影響もあると思います。「起業したい、だからやりたいことを探す」という発想にはどうしても向き合いにくい。自分がそういう発想で起業していないので、その支援を僕がするのは難しいと感じています。

そういった熱意のある起業を否定したいわけではないですし、その熱量こそが起業には求められるとは思いますが、自分がそういうプロセスを歩んでいない。それよりも、自分が歩んできたプロセスが生きる支援の方がいいのではないかと考えています。だからちょっと本流からは離れた場所から支援を行なっているのかもしれません。

ーーなるほど起業しない人のフォローが起業の支援に繋がると。モザイクワークさんは確か別の支援パートナーもしていらっしゃいましたよね?
杉浦さん:そうなんです。SN@P新潟だけでなく、アルビレックス新潟のパートナーもしています。 アルビの支援に関しても、直接的な支援ももちろんですがそれ以上に選手のセカンドキャリアを応援したいと思っていて支援させてもらっています。私の個人的な興味と関心の対象が、本流よりも傍流の支援なんですよね。そこを支えることで最終的には本流の支援に繋がるというような支援が好きなんだと思います。



遅咲きの起業にしびれる

ーーすごく概念的な話にはなってしまいますが、杉浦さんにとってなにが起業だと思いますか?
杉浦さん:
自らの力で生業を創出したらそれはすべて起業じゃないですかね。会社(法人)の存在自体はそれほど重要ではないと思います。自分の責任で自分の生業を立てていれば、それはすべて起業かと。あとは『ものごとから逃げないか』は起業家としては大事でな心持ちだと思っています。事業をしていれば良くない状況に何度も直面します。その状況に向き合い何とかするのはトップだから、そういう責任から逃げないことはすごく大切なポイントじゃないかと思います。

ーー杉浦さんが起業の中でも特に支援したいことはありますか?
杉浦さん:
僕が今後やりたいのは、『40歳以上の起業家を支援すること』です。
僕自身40歳を超えてから起業していてその経験があるからこそわかるんですが、40歳を超えての起業はなかなか孤独なんですよ。いざ起業した時に40代の起業家も若い起業家と同じように悩みを抱えるんですが、それは社会の見られ方的に「いいおっさんが何を悩んでるの?」となってしまいやすい。

だけど40代でそういった環境にチャレンジする起業家はすごいと思うんです。相当なリスクがあるにもかかわらず、果敢に挑戦している。そこに僕はしびれるというか。だからそういう40代での起業も若い起業家たちと同じように支援したいと思うんです。

ーーご自身でも経験されているからこその杉浦さんだから可能な起業家へのサポートはどんなことだとお考えですか?
杉浦さん:言語化できない起業家の悩みってあると思うんですよね。起業家はそもそも自分で会社をつくるくらいなので言語化がうまい方だとは思いますが、そんな中でもなんとも言えない不安や悩みに陥ることがあるんです。そういった時に「それってこういうことが理由なんじゃない?」、「こういうことを1回やってみたら悩みが晴れるんじゃない?」というアドバイスが経験からできると思っています。もちろんそれだけの話ではなくて、契約書や見積書作成、給与や労務回りの対応といった細かな実務面やファイナンスの話まで僕が経験したことは一通り共有ができますが。笑

ーー起業家支援についてここまで伺ってきましたが、そんな支援をされながら支援パートナーとしてSN@P新潟を見られていてどうでしょうか?
杉浦さん:起業家支援に対する本気度が熱いですね!それは社長である逸見さんの力かもしれないですが、起業に対する熱い想いが詰まった組織だと思っています。お題目だけではなく実があるというか、本気でここまで支援を行っているところはあまり他にないんじゃないかなと。



第3の選択肢

ーーお話しさせていただく中で、『課題解決が本当の問題解消につながらないこともある』というような興味深い話題がありました。このあたりをぜひ詳しく伺えないですか?
杉浦さん:
課題解決が本当にビジネスとして正しいかを考えた時、僕は実はそうではない場合もあると考えています。『ある人にとっての課題は、他の人にとっては課題ではない』ということがあると思うんです。みんながみんなそれを課題だと思っていたら、もう社会全体として改善されて仕組み自体が変わっているはずじゃないですか。

ということは課題としてまだ残っているのであれば、それは全員が解決したい問題じゃないんですよ。例えばある場所にゴミが落ちている状況があったとして、「ゴミを捨てたい。」という人にとっては課題だけど「別にいいんじゃない。」という人からすれば別に課題ではないわけです。課題解決は特定の人にとっての問題解消となるかもしれないですが、別の人からしたら改悪になりうるという場合も実はあるわけです。

ーーなるほど。まだ私も完全に理解しきれたわけではないですが、なんとなくイメージはできました。ですがコンサルティングをされる上で課題解決は必須になりますよね、、、?
杉浦さん:コンサルティングの本質は課題解決ではありますが、僕らが本当にやるべきことは課題そのものの解決でも未解決でもなく『第3の選択肢を提示する』という可能性もあるわけです。

僕らがアルビ手当をつくったのもこの第3の選択肢に通ずるものがあるのですが、「パートナー企業になったからアルビレックスを全員で応援するぞ。みんな注目してね!」って指令を出すのはつまらないじゃないですか。それよりは「勝ち点に応じてボーナスが変わるよ」となったらみんな自然と本気の応援になる(勝ち点1と勝ち点3で3倍も手当の額が違うんですから!笑)。

アルビレックス新潟応援手当」(略称:アルビ手当)
アルビレックス新潟の試合結果(勝ち点)に応じて、手当額が決定されます。

参考:https://mosaicwork.co.jp/news/2419/

こういった仕掛けをつくることで、楽しめるしみんなハッピーになるわけです。「パートナーになったんだから応援しろよ」と指示するだけでは、そもそも興味がない人からしたら迷惑でしかない。「ついつい応援しちゃってるじゃんわたし達。」という仕掛けをつくることで悩みを解決するような、第3の選択肢を提示していきたいです。



人事評価を無くし、ビジネスを無くす

ーーこれからの目標ややっていきたいことを伺えますか?
杉浦さん:モザイクワークという会社をもっともっと実験的で面白い組織にしたいと思っています。例えば、評価制度を無くして全員の給料を同じにする、とか。その代わり全員それなりに高い給与にする。仮に年収が全員1000万円だとします。採用においてはその給与に見合わない人は採用しないし、2000万欲しいんだよねという人は、それだけもらえる会社を選べば良い。そうする事で評価コストを下げて事業に集中できるんじゃないか、と考えたりしています。そんな事を考え実験できるような会社組織にしていけたらと思っています。

やはり評価コストは高いし、評価に対する納得度ってどこまでいっても高まらないものなんです。だったらいっそ『評価を無くしてしまえばいいじゃん』という発想になりました。評価はそもそも社内に対する労力なので、そのコストを0にできればその分お客様に還元もできます。そんな会社を作っていきたいです。

ーー最後に一言、今後の展望について伺えますか?
杉浦さん:今の事業をもっと強くしたいですね。そして組織人事のコンサルティングを通して、新潟の企業一社一社を良くしていきたい。またちょっと極端な話にはなりますが、今ビジネスとしてやっていることは基本無くなったほうが良いと思っていて。笑 なぜなら、本来の会社の形としてはそれらの業務は内製できたほうがベストであると考えているからですね。かなり理想論ではありますが、将来的に実現したい、実現できたらいいなと考えています。



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