見出し画像

いろんなことが腑に落ちた、HSS型HSPとの邂逅 その1

noteでも頻繁に題材にされる「HSP(とても繊細な人)」だが、そもそも1996年にアメリカのアーロン博士が発表した学説に基づくものだと言う。2021年には日本でも数々のタレントが自身を「HSP」だと明らかにするなど、ちょっとしたブームを巻き起こした。

しかし、自分はHSPの特性の一部は当てはまるものの、ピンとは来なかった。自分がHSPの中でも「HSS型HSP(かくれ繊細さん)」だと自覚したのは、1年ほど前にHSS型HSPの専門家であり、第一人者のTさんに取材をしたのがきっかけだ。

Tさんによると、HSS型HSPとは、HSPの中でも「感受性が強いHSPという特性を、社交性などのHSSという特性で表面化しないようにカバーしている人々のこと」を指すという。なんでも、HSPは人口の約20%で、HSS型は人口の約6%しかいないとか……。そのわずか6%にヒットする自分がなんだか誇らしいやら、がっかりするやら、複雑な気持ちだ。

彼女の著書によると、HSS型HSPの特徴は、下記だと言う。困ったことにすべて当てはまる(笑)。

・大胆な行動をとり外向的なのに傷つきやすく繊細
・ 誰かに喜んでもらえるなら、自分の気持ちは抑え込む
・おもしろいことや感動することが大好きで、
 心が洗われるような体験を求めて、さまざまな分野に興味をもつ

・ 取り組み始めると、集中してのめり込む
・ 疲れやすく、まわりにペースを合わせ続けられない
・ 時々猛烈に休みたくなる
・ 中途半端な人を見るとイライラする
・ ゼロから1 を生むよりも、1 を2 にすることが得意

自分的なHSS型HSPのエピソードをいくつか紹介するなら、私はお酒で「武装」しなければ他人とコミュニケーションが取れない。例えば飲み会の席でも他人に気を使いすぎて、他人を不快にさせたくないので、なるべくコミュニケーションを避けるか(手段としてはお酒を永遠に飲む、タバコを永遠に吸うなど)、その逆でお酒を飲みすぎて自分の記憶を崩壊させることで「楽しい人」になり切る。全て対人関係で傷つきたくない、感情をしまい込むためだ。

だから、大好きなお酒を飲みに行っても、常に「孤独」がつきまとう。すぐ1人になりたくなってしまう。それをごまかすために、飲みすぎて出禁になるのが大きな弊害ではあるが……。

お酒を飲んで別人になれば、小さなことは気にしない。そもそも記憶が飛んでしまうので、他人の言葉や態度で傷つくことが少ない。まあ、飲みすぎた反省は翌日にやってきて(同席してた友人から前夜の惨状を聞かされる)、それに対してもクヨクヨはするのだが。

ちなみに、飲み会の席で私はお手洗いに立つことができない。私が中座することで、飲み会の雰囲気を一瞬でもぶち壊してしまうのでは、と、半ば自意識過剰すぎることを考えるからだ。だから私はお手洗いに行くのを極限まで我慢する。しかし、我慢している間も杯を重ねているわけだし、膀胱が悲鳴を上げるのも当然だ。

飲み会の席に限らず、私のお手洗いへのハードルはとてつもなく高く、キャバクラでアルバイトをしていた時代も、クラブで遊んでいた時代も、我慢の限界で力尽きて客席や控室、ダンスフロアで寝ながら放尿したのは伝説と化している。

現在はやっとお手洗いに行くタイミングを少しだけ理解したものの、それは1人で飲みに行った時限定だ。誰かお相手がいると、やはりお手洗いを我慢してしまう。皆さん普通に「トイレ行ってくる」と中座できる神経が羨ましい。いや、それが普通なのか……。お手洗いに行く方が漏らすよりもずっとマシなのに、それでもやっぱりお手洗いに行けない。

お手洗いの話がしつこいが、お手洗いの場所が客席に近いと、それだけでも私はお手洗いに行くタイミングを考える。大きな音楽が流れていたら、客席が盛り上がっていたら、お小水の音が外に漏れないだろうとか、いちいち緻密な計算をしているのだ。すげえめんどくせえ……。

不思議なのが、小ならナシで大ならアリなところだ。「ごめん下痢っぽいからお手洗い行ってくるわ~」は言えるのに、「ちょっとお小水に……」というのは自分的にNGなのだ。この線引きは自分でも訳が分からない。ただ、HSS型HSPの何かは関係しているような気がする(しているのか……? 以前、ビートたけし師匠だっけかな、が、人前で食べるのが恥ずかしいって言っていたような記憶があるけど、多分同じような感覚。ちなみに私もよっぽど気を許した人の前でないと、飲みはするけど食べない)。

話がお手洗いにそれすぎた。

かつてアルバイトや契約社員、派遣社員をしていた時代などは、まず朝から缶ビール(500ml)×3本を飲んでから出社していた。そうでもしないと、自分を保つことができなかったのだ。

調べていくと、HSPの特性の1つに「依存症」もあるようだ。過食症だったり、恋愛依存だったり、アルコール依存だったり、性依存だったり、全く忙しい(笑)。何かに依存することで繊細さや敏感さを紛らわせるという背景があるようだが、まさにコレ。

何かに依存していれば、あんまり他人や自分、周囲のことを考える隙間が小さくなって、ちょっとはHSPから逃れられる。

また、電車などではいつも変な人が寄ってくる。これは私の霊媒体質ゆえだからだと思っていたが、変な人を引き寄せているのではなく、感受性が強すぎるので、普通の人は気付かないことに気付いてしまうのだ。「この人はピリピリしているな」「怖い」という風に。実は周りは何も気にしていないことが多いのにも関わらず、だ。

小さなことにクヨクヨしてしまうのは生きている全般で起こりえる。例えば、みんなで飲食店で食事した時、打ち合わせでお茶した時も、「私が先にドアを出てしまった……」と小さなことで落ち込むのだ。そんなこと、誰も気にしていないだろうに……。こんなことにクヨクヨ悩んで悪夢を見るくらいなら、HSPとはサヨナラしたいと思うばかりだ。

しかし、HSPの特性として、クリエイティブな仕事が合っている、というメリットもあるらしい。感受性が強いから、というのが大きな理由なのだろうが、とにかく敏感で人の顔色を伺ってしまうから生きづらい(笑)。

(その2へ続く)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?