見出し画像

旅行中に、忘れていたあの頃を思い出した

未熟で、まだ世界を知らなくて、未知にワクワクしていた子供のとき...あの頃。

誰もがそんな時代があったのだと思う。
しかしそれは時間の経過と共に徐々に色あせていって、いつしか懐かしい思い出になっていく。好きで何度も聞いていたあの曲、深夜まで起きてリアタイで見ていたアニメ、好きだったあのキャラクター、いつの間にか忘れていってしまう。そして大人になる。


友人と2人で旅行していたとき、ふとあの頃の記憶を取り戻した。

ので、その時のことを書いてみた。


九州旅行

友人と大分に旅行に行ってきた。
目的は、知る人ぞ知る書肆ゲンシシャという場所だ。
表ではなかなか出回らないアングラなものや本が沢山ある古書店のようなところである。
ずっと行きたいと思っていたのだが、関東地方に住んでいるため、大分に行くには飛行機に乗らねばならず、それがハードルとなっていてなかなか行けなかった。1人で飛行機に乗った経験がなかったので、友人に同行してもらい、2泊3日の旅をした。温泉も楽しめたし、とり天やだんご汁などのご当地グルメもいただくことができた。

1日目夕飯は宿で食べたが、2日目の夕飯は、居酒屋に行った。

ポケモンの映画の話題になった。



筆者 「ミュウツーの逆襲で、生まれたばかりのミュウツーにあの女の子が、これは 涙 とか説明するシーンがあったんだけど完全版にしかないらしい。なんかカットされてたりする。覚えてる?」

友人「あったっけかなー。そこは覚えてないかも。印象に残っているのは、最後の方のシーンでコピーポケモン達が空を飛んでくやつだわ」

筆者  「ジブリで好きな映画なんだった?ワイはもののけ姫」

友人「もののけ姫は怖くて見れなかった。少し大きくなって、やっと千と千尋が見れるようになったかな。なんだかんだでトトロを見てたかも。」

筆者「トトロ見てた!やっぱ定番よなー」

筆者 「ライコウが出てくるやつってなんだったっけ。主人公がサトシじゃなくて違う人のやつ…」

友人「あー!朧気に記憶にある…なんだったっけ。検索してみよ...」


筆者「これだ!ウワーッ!懐かしすぎる!!」

友人「これ映画じゃなかったんだ」

2人とも世代が同じなので盛り上がった。その流れで、懐かしいものの話をずっとしていた。


筆者「ドラえもんの映画でなんか覚えているやつある?」

友人「えーっと、なんだっけ、タイトルが思い出せない。検索してみる」

友人「あーった!これこれ!」

筆者「あ!宇宙のやつ!!これめっちゃ見てた!このちっちゃい妖精が裏切り者のやつ!」

友人「このロボが毒舌だったの覚えてる」

ドラえもんの映画で画像検索をする友人。

友人「ドラえもんズ!?うーわ、めっちゃ懐かしい。覚えてるわー……」

ドラえもんズの画像を見て友人が懐かしさのあまり泣きそうになっていた。酔いが回っていていつもより饒舌だった。めっちゃおもろい。


居酒屋を出てからコンビニで酒を買い、ホテルに戻って話の続きをした。

今度は、初めて買ったボカロのCDがなんだったかを話した。友人はなかなか思い出せない様だったので、どんな曲が入っていたか、誰が歌っていたかを質問した。

「GUMIのCD?それか全員が歌ってる系のやつ?このシリーズのボカロのCD?」

画像検索して友人にCDのジャケットを見せる。

友 「いや、これじゃないな…」

筆者「じゃあボカロPのアルバムだったりする?」

友人 「うーん、そうなるか」

友人「曲名は思い出せないけど覚えている曲があるんだよなーこんな感じの。」

鼻歌を歌う友人。

筆者「なるほど、わからん!」

聞き覚えがあるようなないような…というものだった。

とりあえず、誰かのボカロPのアルバムとして1つずつ友人に確認することにした。

すると、あるCDで反応があった。

蝶々Pのアルバムである。

友人「グロリアス・ワールド!!これだー!!」

YouTubeで曲を再生する。当時の記憶を思い出したようである。

友人 「部活してた時にめちゃくちゃ聞いてた…やばい、懐かしい…あの時のことを一気に思い出した…なんで今まで忘れていたんだろう」

あの時の青春が蘇ったようだ。

友人の鼻歌では分からなかったが、筆者も聞いたことのある曲だった。

友人はまた泣きそうになっていた。

友人「懐かしい……何年前だ?これ」

筆者「この曲の発表が2011年かな?12年前くらいか。もうあの頃には戻れないね。君はもう大人になってしまったのだ。」

友人「やめろーーー!!!」

そんな感じで懐かしさに浸りながら、あの頃の記憶を思い出していた。めちゃくちゃボカロを聞いていたり、友人と歌ったなとか、給食の時間の放送でボカロ曲が流れて、いたたまれない気持ちになったりとか。
その頃はニコニコ動画がちょうど全盛期で、様々なコンテンツで溢れていた。親のパソコンを借りて見るインターネットの世界は、毎日が新鮮だった。

本当に懐かしい。


好きだったカード

記憶が曖昧なのだが、ボカロの話題から何故か遊戯王カードの話になった。しかも初期のやつ。それこそ20年以上前の。
遊戯王カードでなんだか好きだったカードがあったことを思い出したのだ。

筆者 「初期の遊戯王カードで、なぜか好きだったやつがあったんだよな。怪物のような奴が、血を飲んでるみたいな、ケチャップみたいな…」

友人「そのカード、なんとなくわかる気がする。」

遊戯王カード 初期 で画像検索してみたが、それらしきものはなかなか見当たらない。

筆者「なんのカードだったかも忘れたけど、イラストは朧げに覚えてるんだよね 、こういうの」

朧げに書いたカードのイラスト

友人 「あー!やっぱり知ってる!!なんて名前だったか忘れたけどわかる!!」

筆者「なんて検索すれば出てくるんだ…」

色々ワードを変えて検索してみたが、なかなか出てこなかった。
そこで友人がSwitchを取り出し、遊戯王のゲームを開き始めた。

友人「カードの属性や名前がわからないのなら、カートの絵柄を見て探す!」

何百枚もあるカードの中から1枚1枚絵柄を見ている。

夜も遅い時間だったので、探すのは明日にしても…と思っていたが、友人は青春のあの頃を思い出してくれたお礼にと必死で探してくれた。

数十分後、ついに見つけた。


これだ!!!

ドーピングだったのか!!


比較すると記憶は間違ってなかった。だいたい合ってた。
なんでこのカードが幼少期に好きだったのかは覚えていない。なぜか好きだったのだ。

カードを買ってもらって開ける時のワクワク感、その時に食べてたミルキーの味も同時に思い出した。

懐かしい。
ずっと忘れていた。

気持ちが軽くなったような、自分を取り戻したような感覚になった。


今回の大分の旅行では、意図せず失われていた記憶を思い出す旅となった。
あの頃の記憶。
記憶を失った主人公が旅先で徐々に思い出し、真相が明らかになっていくストーリーは胸熱だが、自ら体験することになるとは。
しかも一度も訪れたことの無い場所で。

皆さんも、たまには何処か遠い場所に旅をしてみてはいかがだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?