HSPの筆者がPMS期間中にパワハラを受け、適応障害で休職した話①
何とも流行りのワードがもりもりのタイトルである。
はい?と思った人もいるのではないか。
HSP、PMS、パワハラ、適応障害…
これらの言葉簡単に説明すると、
HSP
色々感じ取る能力が高くてめちゃ繊細で傷つきやすい性格の人。
PMS
月経前になると心と体に不調が出ること。
パワハラ(パワーハラスメント)
自分より権力を持った人がその立場を利用して理不尽に嫌がらせやいじめをすること。
適応障害
原因がはっきりとしたストレスによって、日常生活に支障をきたすほど心身に不調が出ること。
細かいニュアンスは省いたのと、あくまで筆者の主観的な体験であるので参考程度に思っていただければ幸いである。
※プライバシー保護のため一部改変している部分があるが、ほぼ実話である。
※人によっては、トラウマを呼び起こしてしまう可能性があるので注意されたし。
(当時の)筆者について
福祉施設で勤務を始めて3年目となる。
仕事内容は主に障害のある利用者の生活支援(食事とか入浴とかの生活全般の支援)である。
HSPの気質に当てはまり、繊細で落ち込みやすい性格である。
PMSが顕著に
現在の職場に就職して3年目を迎えた4月、昨年度よりも人が減ってしまったことによって仕事量が増え、中堅としてのポジションを期待されるようになった。
元々、月経前に気分が落ち込んだり、なにもなくても涙が出てきたりということはあったのだが、3年目となって2ヶ月、3ヶ月と仕事をしていくうちに更にひどくなってしまった。爪を立てて自傷行為をしたり、仕事中に泣きそうになったり、夜になると漠然とした不安感で涙を流していた。仕事の質が落ち、職場の同僚やパートナーにも迷惑をかけてしまうことも多々あったため、婦人科に相談しに行った。
その結果、精神症状が強いということで心療内科に行くことを勧められ、8月の末にようやく予約が取れたので、行くこととなった。
食前に飲む漢方薬と、不安が強いときに飲む頓服薬を処方してもらい、約3週間後にまた行くこととなった。
漢方の効き目はよくわからなかったが、頓服はとてもよく効いたようで、夜にかけての不安感は軽減された。
上司から痛恨の一撃
PMS用に処方された薬を飲み始めて二日後だろうか。
元々苦手意識のあった上司と同じ時間に仕事をすることとなった。
仮にAさんと呼ぶことにする。
Aさんは勤務年数が長いお局のような人で、思ったことをオブラードに包まずにはっきりと言うような人だった。仕事ではできていないことの指摘しかせず、これまで褒められたことは一度もない。
できていないことをきちんと指摘してくれる存在は有難いのだが、具体的な改善方法やAさんの考えを教えてくれるわけでもなく、ヒントを出すわけでもなく、ただ、できていないことを言うだけのような人だった。
そのような経験から、Aさんがそこに居るだけでも委縮してしまって、思うように動けなくなってしまいがちで、さらに指摘を受けるという負の循環になりがちだった。
仕事中、Aさんが利用者と何かやりとりをしていた。その利用者は人に心をあまり開かない人で、どのように対応するのが良いのか迷っている利用者の一人だった。
二人の会話がよく聞き取れなかったので、Aさんにその利用者のことをよく知るために「今、あの利用者さんは何と言っていましたか?」と尋ねた。
すると、「やっぱりわかってないんだね」と返された。わからないから尋ねたのだが。
そこから、いかに筆者の仕事ができていないか?の話になった。
以下のようなことを、捲し立てるように言われた。
●3年目になるのにやっていることが2年目の時と同じ。3年目の動きをしていない。
●もっと利用者やグループのことに気づいたり気を遣うべきなのに、それができていない。なんでできないの?
●もっとできていないことを自覚するべき。それに気づいていないのが問題だ。
●筆者の仕事には血が通っていない。
●仕事を頑張っている、と言っても頑張っているだけで成果が上がらないのなら意味がない。頑張っているからと言ってもできていないことに変わりはないので意味がない。
●何のために仕事をしているのか?どこまでが仕事なのか?
すでにメンタルが弱っている状態だったので、その言葉一つ一つが深く突き刺さった。その人がいなくなった後、別の上司から許可をもらって休憩室へと駆け込んだ。
喉が詰まって息が苦しくて、体に力が入らなくなった。言われたことを理解しようとしても頭が回らなくて、悲しいとか腹立たしいとかそういう感情を感じる余裕もなく、ソファに倒れこんだ。数年ぶりの過呼吸発作だった。
自分がここまでになるとは思いもよらなかった。
結局、あの利用者さんが何と言っていたのかもわからず、Aさんが言っていた意味を詳しく知ることもできず、説明もされず、謝りもされず、自分が行っていたことを否定されるだけだった。以前、「わからないことがあったら聞け」と言っていたから聞いたのに、ますますわからなくなるだけだった。
パワハラであったと知る
翌日、周囲の人にその時の出来事を話すと、Aさんの言っていることなんて気にしないほうがいいとか、筆者に期待をしているから厳しくしてしまったんだろうとか、そのように言う人もいたが、それってパワハラだよね?と言ってくれる人がいた。筆者の中で腑に落ちるような感覚があった。
「上司からめちゃくちゃきついことを言われた」⇒「上司から言葉によるパワハラを受けた」にグレードアップした。
しかし、「そんな大げさな…」と思う気持ちもどこかにあって、大したことないのに自分だけ騒いでいたらどうしよう、と思っていた。
結局、管理職である上司にはまだ話すことができなかった。
体調不良と疲労感
PMSの期間は終わっていたが、それでも心身の不調は変わらなかった。薬の効果も実感しにくくなった。
人が足りないということで9月から派遣の人が入ったが、なかなか癖の強い人で、入って数日で利用者からも職員からも評判が悪くなりつつあった。筆者も苦手なタイプで、立場上指示を出したり教えることが多くあったので苦痛だった。
例のAさんともまた一緒に仕事をする機会があった。幸い何も言われなかったが、姿が見えるだけで心拍数が上がり、先日のことを思い出して過度に緊張した。それは職場の外でも起きて、Aさんに似た人を見かけるとドキッとしてその場を離れ、別人だとわかるとほっと胸を撫でおろすような、そんな日々が続いた。
そのうち、職場の敷地内に入るだけで過度に緊張して、心拍が速くなって、光のまぶしさや騒音、いろいろな刺激に苦痛を感じるようになった。
PMSが常に続いているような状態だった。出勤中に涙が出て、よく腹を下すようになって、嫌な夢をよく見るようになった。気分が落ち込み、寝ても疲れが取れなくてぐったりしていた。最近ちょっと調子が悪い、おかしいかも、という感覚がなんとなくあった。
休んでもいいのか?
飲み会に参加する機会があったので、その場にいた人に現在の自分の状態を相談してみた。
すると、満場一致で「休んだ方がいい」と言っていた。
休むほどのことなのか?と思った。体を動かすことはできるし、全く働けないわけではない。体のどこかが痛いわけではないし、こうやって飲み会にも来て参加することができる。
むしろ人がいなくて忙しいのに、自分が休んでしまうのは申し訳ない。
この程度で休むのは甘えなんじゃないのか?とさえ思った。そこまで大げさなのか?と。
とりあえず、その次の日の仕事を一日だけ休んでみるか…と思った。
翌日、休みの連絡を入れた。休みの理由を聞かれて、「メンタル的に…」と話したところで涙が出てきた。情けなくて申し訳ない気持ちでいっぱいだった。電話越しに泣いている相手の対応をさせてしまったのも申し訳なくて、とにかく「ごめんなさい」と謝ることしかできなかった。
自分ってこんなに余裕がなかったんだ、と、この時に気が付いた。
その日は休んでしまった罪悪感で押しつぶされそうだったが、休みが確定したためか体の力が抜けて、疲れが出て動けなかった。
二回目の通院
9月の半ばに二回目の心療内科の通院があった。現在の体調と、Aさんの件を話して、休んだ方が良いのかを相談した。仕事に行きたくないとは思いつつも、この程度で休んでも良いのだろうか?という気持ちが大きかった。
すると、担当医が診断書を書くことができると言っていた。
医師の診断があれば、医師の見解に基づいて、休まなければならない状態だという根拠ができる。
自分の判断だけではどうにも休むことに踏み切れなかったので、とてもありがたかった。
そして、「適応障害」という診断名が付くこととなった。
診断書は5000円近くしたが、それで堂々と休むことができるなら良いと思った。
診断書を上司に渡して、とりあえず1カ月間休職することとなった。
②へ続く…
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