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ゲームに救われた

過去と向き合う作業 正直しんどいです。
思い出したくない人の顔や言葉まで鮮明に蘇ります。
時に芋づる式に、時に決壊したダムのように
 目を背けてきた記憶があふれだして処理しきれず
軽い吐き気や目まいにおそわれることもしばしばです。


今日は、気分転換にゲームのお話を!
「明日が来るのがつらい」「このまま目が覚めなければいいのに」
来る日も来る日もそう思い詰めるほど
どうしようもなく落ち込んでいた時期がありました。
すっかり大人になってからの話です。

ある日、たまたまデパートのおもちゃ売り場を通りかかった時
大画面テレビに流れるデモゲームの映像に目がとまりました。
赤、青、緑、黄 小動物のような顔のかわいらしい4匹の小悪魔が
地の底から浮き出る無数のサイコロに乗って転がして
 巧みに賽の目を合わせて、次々とサイコロを消していきます
ステージは、升目で区切られた狭い盤上
些細なミスであっという間に巨大サイコロに埋め尽くされてゲームオーバー

「おもしろそう!」「このゲームやってみたい」 
 久しぶりに感じるワクワクした気持ちに背中を押され
私は初めてのゲーム機とゲームソフトを購入しました。

「ゲームなんて子どものやること、いい大人のすることじゃない、 
 くだらない、無駄な時間をつぶすだけ」
そんな先入観と偏見からゲームセンターの前は素通りだった私にとって
それはまるで小さなレボリューションのようでした。

購入後、説明書もろくに読まないまま、ゲームを開始。
最初はもちろんうまくいきません。おもちゃ売り場のデモゲームのようには小悪魔は動いてくれず、巨大サイコロを消すことができません。
でも、毎日、何時間もゲームを続けるうちに、だんだんとコツをつかんでゲームオーバーまでの時間が長くなっていきました。
サイコロの目をどの方向に何回転がせば、どの目が出せるか直観的にわかるようになってきたら、しめたもの。日に日にハイスコアを更新できるようになって、そうなるともう、沼にはまって止まらない。

「いい歳をしてゲームに夢中になるなんて」 「不毛 ムダ 非建設的」
「本の一冊でも読んだ方がいいのでは?」
頭の片隅で、冷めた私が、ゲームに没頭する自分を見つめている。
うしろめたいような、大人としての自尊心を自ら傷つけているような、
あの何とも言い難い感じ、それさえ心地いいような不思議な感覚でした。

自己ハイスコアを更新し続けたある日のこと
その日は、特にサイコロを転がす勘が冴えて浮かび上がるダイスの目にも恵まれて、最高得点を記録!
そして、ゲーム画面上に見たことのないパスワードが表示されました。
しかし、今の感覚が抜けないうちにもう一度、さらなる挑戦をしたい衝動に駆られた私は、その暗号をメモすることなく、ゲームをリセット&再開。
~後に調べたところ、公式サイトのランキングにアクセスして、記録とHN  
 を入力できるパスワードでした。
 あらら~ ちょっともったいなかった?( ̄▽ ̄;)

その頃になると、現実社会の生活で私を悩ませていた問題もわずかずつ収束に向かい、当初のように希死念慮が浮かぶことはなくなりました。


その後、私が次々とゲームにハマり、女ゲーマーと化していったか?というとまったくそんなことはなく、自らゲームを購入することもありません。

ゲームに熱中したあの狂気の何百時間は無駄だったのか?
いえいえ、そんなことはありません。
子を持つ親の身になった私は、ゲームに関する「子どもの言い分」に寛大です。「急には止められない」「いまいいところなの」「このチャンスを逃したら次はない」等々   うんうん、わかるよ、そうだよね。

わき目もふらずゲームにのめりこむ我が子の胸の内に、
親の私のあずかり知らぬ 悩みや孤独が隠れているかもしれない
そのことを常に忘れないでいようと思うのです。


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