詩「母」
砂浜に打ち上げられた貝殻は
今まで旅してきた波の音を記録している
それと同じで
私が あなたを忘れる日はないだろう
あなたとの日々は
額縁に入れて飾られるようなものではなく
ノートの端っこに描かれた
フリップブックの様に
温かみがあって活動的だ
いつまでも未完成のまま
続いて行く二人しか知らないストーリー
私は心の中で
何度も何度もページをめくるだろう
その度に
あなたとの日々が
私の目の前で動き出す
あの頃は
本当に何も分かっていなかったけれど
今は あなたが居たから
貝殻の波の音は
穏やかだったと知った
その調べは
安らぎに満ちた
至福の揺らぎだった
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