詩「一番　大切なもの」

小さい頃は
何が必要で大切なのか
分からずにいた
大きくなって
それが明確に分かってきたと
信じていた
あれは
ちょっとした軽いジョーク
「結婚しようね。」
学校帰り

ハラハラと落ちる　あの白いモノは
桜なのか？
雪みたいで
僕は笑ってた
君も笑ってた
季節外れで少し笑った…

春の暖かさに
僕は少し　眠りについて
つまらない大人になって
君を忘れ
孤独に慣れた君が笑った

ハラハラと落ちる　あの白いモノは
桜なのか？
雪みたいで
本当は　あの時　そんなことよりも
君が綺麗で　少し笑った
今なら分かるよ
本当に大切で守りたいものは
″君なんだ″と

ある暖かい日
よく晴れた春の日
君の薬指にペアリング
僕ではなくて　他の誰かと
ハラハラと落ちる涙が
ふと　桜にとけて
どうしようもなくて　少し笑った
笑うことしかできなかった