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ダイレクトな電話

もしもし、こんにちは
と外国から日本にかけるといつも鳴ってた音
最近ならなくなってる。

夜が更けてくると
やってくる多少の悲しみも
夜更けの月の美しさで見えなくなる


見えなくなるくらいがちょうどよかった幼少期に比べると、
今はやっぱり見えていた方がいい

嘘つきよりも本心から伝わる
畦道の幼きこもごもの方が好き
だからわたしは子供のまま

今日はここにいる、まるで緩いパラドックスみたいな街

髪の毛も切ったし、
夢は歌うし、
café au laitには、お菓子だってある

何処か旅行に出かけるのには絶好の
気分なのに
一つの掛け違いで違う方向の暗いものに
恨みを抱く

だめだな、だめだな
弱い強いじゃない

割り算が必要だ

割り算をして
掛け違いを他所へ替えそう

そういう風に考えられるってただのことじゃない
さあね。ともいえず

掛け違いに真色を当てては
煩いと
思う日々であった。
これで500人。
ああ、この街にいて不満が出るのは論より罰なのか?

静かな幸せ
やまのうちばくさんの詩の中みたいな
そういう不思議な静けさを取り戻さなきゃな。
そろそろ時間だ!

ほら青空も歌い始めてしまったの
嘘をつくことはできないんだよ
だからみんな守ってる
わたしはそちら側のとても真面目な心の広い凡人です。

でもはやぶさみたいな飛行機乗って、回転して
いつのまにか。
ヴァイオリンで歌ってるんだ。

急いでいるんだよ。
守るため

人の悲喜交々に茶々入れることもない

そういうの知らない

まっすぐな、ガヴォットで、猫を笑わす。
可愛いな
可愛いの大好きだな

そうやって彼から撫でられる。

今朝の始まりはそうだったのに。

とモーツァルトのピアノソナタの
苛立ちに、高校生の教科書にある悪口の“ラクガキ”を重ねる。
間違いじゃない
割り算が必要だってわたしだって知ってるから。


遠くのポート(港)の汽笛が、悲しげに呼んでるんだ。
「お前は、よそで何してるんだ。帰ってくるんだ。」とアンセムを歌う人々。

ソウル、バルセロナ、マニラ、リヴァプール

何処にでもある
そういう歌。

わたしはその歌が大嫌いで。
だって実らない現実があるから

しとしとと降る雨の日に、絵ばかり描いては
外国に電話を掛ける。

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