見出し画像

【超私的考察】クックパッドの事業概況と目指すべき未来について解説。#note」

考察まとめ

先に、今後の打ち手提案の内容を2つ申し上げます。

  1. 後発のクラシルを参考にUI・UXを改善すること

  2. 現在の経営陣では再生は難しいと考えるため、外部人材を登用するか、ファンドへ売却し上場廃止をする選択肢を検討するべきです。

クックパッドは過去の成功体験を引きずり、結果的に今いるユーザーのニーズをとらえきれていないです。

現在のクックパッドの課題は、マーケティングによる効率的な会員獲得などの段階ではないということです

サービスとして、単純にユーザーから支持されない状態になっている点を根治する必要があります。

提案1点目

クックパッドがやるべきことは、後発のクラシルを参考にUI・UXを改善すること

レシピサイト最大手としての過去の成功例に引きずられず、挑戦者としての取組をしていくべきだと考えます。

競合企業のdely株式会社が運営する「クラシル」は動画によるレシピサービスを展開し、急速に成長しています。

人々の料理は省略化しつつも楽しみたい、というニーズを
動画をメインに押し出すことによってガッチリ掴んでいます。

クックパッドは依然としてテキスト中心なサービスである点が否めません。

提案2点目

現在の経営陣では再生は難しいと考えるため、外部人材を登用するか、ファンドへ売却し上場廃止をする選択肢を検討するべきです。

まずIR資料である決算報告資料のスライドをみると分かりますが、こだわりを感じません。株価を意識しているような内容ではないということです。

つまり、上場にメリットを感じていないと見えます。

上場維持の費用も馬鹿にならないため、上場コストを使って、優秀な経営層を採用したほうがクックパッドのためになると考えます。

もう一つの選択肢として
ファンドに経営権を渡し、ファンドのコネクションを有効活用しつつ、他サービスとのアライアンスによって売上高を維持するという選択肢も有効ではないでしょうか。

外部人材の経営陣登用やファンドへの売却に共通する点としては
戦略を描き実行する人間を新しく入れるべきということですね。

下記より詳しく解説していきます。

クックパッドって何している会社?

レシピ検索サイト・アプリを運営しています。

利用者は、自分が考えた料理レシピを投稿し、他の人がそのレシピを見て、作り方や材料などを学ぶことができます。

利用者同士がコミュニケーションを取り合うこともでき、料理に関する悩みや質問にも答え合うことができます。


売上高は22/12月期では、全体で90億円となっており、うち70%がクックパッドの有料会員者による月額課金(月額300円)によるものです。

売上高は減収傾向であり、営業利益ベースでは赤字幅は拡大しています。
22/12月期では、営業利益▲35億円となっています。


想定される当社の課題

有料課金ユーザー減少の歯止めが大きな課題でしょう。

当社の主要売上である有料課金ユーザーの減少による減収が止まらない状況です。

下記、2つ目の画像を見て頂くと、国内PS会員数が

2021年1Q時点で197万人だったのが、2022年4Q時点で168万人と
約▲30万人も減少しています。

クックパッドの利用者が減少している一方で、「クラシル」という同じくレシピ検索アプリ・サービスの利用者数が増加しており、2021年時点で、アプリのダンロード数で国内No1になると発表しています。

クラシルでは、動画によるレシピ紹介をメインとしており、料理をこれから学びたい・手軽に始めたいユーザーにとってはかなり使いやすいサービスとなっています。


また上記のサイトをみたところ、料理に対する多くのユーザーの意識は

  1. 普段は手間がかからないメニューが多い

  2. 普段は調理時間が短いメニューが多い

がメインであり、省略化志向が強い。

つまりレシピ数が圧倒的であるがテキストによる紹介がメインのクックパッドよりも、
動画によって簡単に料理ができるクラシルのほうがユーザーのニーズに合っていたととらえることができます。

また皆さん肌感覚があると思いますが、現在では、YouTubeやインスタグラムを見ながら、情報収集をするユーザーが若者中心に増加しています。

レシピも例外ではないです。

テキストから動画へトレンドは間違いなく遷移しています

今後の打ち手

クックパッドは2015年や2016年が株価のピークであり、利益も数十億円でていました。その成功体験を引きずり、結果的にユーザーのニーズをとらえきれていない。

サービスとして単純にユーザーから支持されない状態になっている点を根治する必要があります。

今の段階では、マーケティングの最適化が課題ではないということです。

クックパッドとクラシルのアプリのUIを一見すると、クックパッドはゴチャゴチャしています。昔からあまり変わっていないのではと考えます。

クラシルはぱっとみた際に分かりやすく、料理をクリックすれば、すぐに動画が始まります。

したがってクックパッドがやるべきことの一つ目は、
後発のクラシルを参考にUI・UXを現ユーザーに提供していくことです。

クックパッドTVで動画を上げているかと思いますが、そこではなく、メインのページに動画を追加していくような地道な作業から始めていくべきでしょう。

幸い、クックパッドは現預金同等物は22/12月時点で168億円存在します。

足元の業績をみても少なくとも3-4年は持つでしょうから、レシピサイト最大手としての過去の成功例に引きずられず、挑戦者としての取組をしていくべきだと考えます。

本当はクラシルの母体であるdelyを買収できれば良いですが、非上場ですし、おそらく売らないでしょう笑

もう一つの打ち手ですが、

現在の経営陣では再生は難しいと考えるため、外部人材を登用するか、ファンドへ売却し上場廃止をする選択肢を検討するべきです。

まずIR資料である決算報告資料のスライドをみると分かりますが、明らかに手抜きです。

資料の前半はポエムが続き、出てきたものが上記のような抽象的なものです。
株価を意識している動きではありません。

つまり、上場にメリットを感じていないと見えます。

上場維持の費用も馬鹿にならないため、上場コストを使って、優秀な経営層を採用したほうがクックパッドのためになると考えます。

先ほど申し上げたクックパッドのUI改善をしていくには時間がかかります。その間にも有料会員が減少していくでしょう。

それを食い止めるためには、ユーザーにとって有料会員になる魅力付けが必要です。

退会者数食い止めに対し、即効性のある方法としては、外部企業とのアライアンスが挙げられます。

既に取り組んでいる部分もあるかと思いますが、社内のリソースだけでは限界を迎えていると思うので、
ファンドに経営権を渡し、ファンドのコネクションを有効活用しつつ、売上高を維持するという選択肢が有効ではないでしょうか。


外部人材の経営陣登用やファンドへの売却に共通する点としては
戦略を描き実行する人間を新しく入れるべきということですね。

ニュースにもなっていますが、クックパッドはかなり人を切っており、社内でも不穏な空気が流れているものと推察します。

潤沢な自己資金を活用し、背水の陣を敷いた上で、改革に臨みたいところですね。

ここまでご拝読ありがとうございました。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?