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【続いてる写経 1431日め】光悦の「大宇宙」にダイブ

閉会間近の『本阿弥光悦の大宇宙展』へ滑り込み。

光悦さんを認識したのは、2015年に開催された京都国立博物館の『琳派』展で俵屋宗達の下絵に、本阿弥光悦が書を書いた絵巻物
『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』

初めて目にした時の衝撃たるや…
その美しさに頭がクラクラし気絶しそうになりました。

それ以来、光悦先生の大ファンです。

この展覧会でもこの作品が展示されているとのこと。
これだけでも観にいく価値は十分。

さらに今回の展示は光悦先生の八面六臂の活躍ぶりを、刀、信、漆、書、陶と5つをテーマにし、多角的にアプローチ。

テーマによって、人によって、
刺さるものが全然違うと思われます。

が、どのコーナーも凄かったですよ‼️

ワタシの場合は、光悦先生の「書」がいちばんの興味の対象。
主にそこに注力して鑑賞しました。

最初のほうは国宝や国宝級の刀剣に並び、その関連書簡が展示。

でも、その文字、あまり芸術性は感じられないというか、割合普通…

アレ⁉️
光悦先生、こんなんでしたっけ❓

と逆に面食らっていると、次のコーナーに屏風絵登場。

色褪せた状態ながら、散りばめられた和歌の筆致がヤバ過ぎる。
なんと艶めいて、なまめかしい運筆だろうか…
ゾクゾクしますわ。

光悦先生、本気だしたらとんでもないから、書状はフツーに留めているのねと、納得。

蒔絵のデザインは意匠が凝っていて、形も独特。
この書道用具一式欲しいです。

謡本は、紋様も凝った料紙に光悦先生的な書体の活版。
光悦フォントってことですかね、毎日眺めていたら、自然と字が上手くなりそう。

そして書の章。
『蓮下絵和歌巻』から。絵もモノクロで墨の濃淡と筆致がつやめく作品。


会場内の8Kムービーより


そうそう、キタキタ、光悦先生はこれですよ‼️

しかし、和歌だけには留まらず
日蓮聖人の教えなど、仏教の教えを書写した作品も展示。仮名文字の流麗さと対照に、生真面目な印象で力強い。

この手の作品は初見でしたので、こんな文字も書けるのかと、バリエーションの豊かさに驚きました。

変幻自在に楷行草、そして仮名を、テーマに沿って文字の硬軟も使い分けて、意図た通りに書の作品を作り上げていたことが伺えます。

かの空海さんでも、これは出来ない…
なぜならば、あの時代には仮名文字が無い‼️

そして、メインに展示された『三十六歌仙』は天才同士の迎合が生んだ奇跡のような作品で、これは別格の美しさ。

文字のリズムに、書くのが楽しくて仕方ない、ワクワク感が出てます。

いや〜、何度見ても良いよね、コレ
今回も3周しました。

最終コーナーは陶器。

ここは、、リーサルウェポンでした…。

光悦先生、二次元だけでなく、三次元作品もお手のもの。

立体感がわかるように、絶妙な角度で照らされた光の下、作り手の思い溢れる形と文様、軸の入り具合。

器を手にして触れないもどかしさ。

会場内の8Kムービーより

もし器を手のひらに載せてみたら、そこに何が見えるだろうか

それこそ宇宙かもしれません。


展覧会に「大宇宙」と入ってるのは、光悦先生の作品から想起される世界の広がりを、よく表していると思いました。

この陶器作品の最後に飾られていたのは、神坂雪花の描いた光悦像はかわいい好々爺。
このオマケ感、愛らしい。

蒔絵のデザインを模したグッズなど、たくさん書いたくなりましたが、図録にとどめました。

もしウサギの香炉のレプリカがあったら、即買いでしたね。

あぁ観られて良かった。

今回も、飛んだ、意識、飛んだ。

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