アクトレイザールネサンス序盤時点での感想。アクションゲームとしての不満など。

※この記事はゲームクリア前に書いたものです。
現在はオールクリア済みの状態で、新たに感想を書き直した記事があります。
内容もある程度重複しているので、こちらの記事は読まなくても問題ありませんが、こちらの記事序盤の感想なので、ネタバレを気にする人向けとなります。

↓クリア後の感想https://note.com/currymanx/n/nb0ef5fb0592e


目次
●初めに
●2021年のアクションゲームとして見た時のクオリティについて
 ・敵配置の陰湿さ
 ・不必要に高性能な敵
 ・視認性の悪さ
 ・敵味方共に嘘くさい挙動と当たり判定
 ・モーションのダサさ
 ・他色々
●リメイク作品としての不満点
 ・失われたエモさ。
   →神と人間の関係性
   →石像のロマン

 ・キャラクターの解釈違い
   →天使をゲスいと思ったことはない
   →立ち絵が追加されたことによる違和感

 ・タワーディフェス

 ・ロード時間とロードのタイミング

●最後に

●初めに
最初に言っておくと、僕はやこのゲームにあまり良い感想を抱かなかったので、かなりネガティブな感想になるよ。

ちなみに、ネタバレは最初のマップであるフィルモアクリアまでの内容に留めているから、そんなに気にしなくても大丈夫だよ。

自分は、このゲームをプレイして他の人のレビューを見て、1番気になったのは、必ずしも高評価一辺倒というわけではないけれど、否定的意見の多くが「追加要素が蛇足」という点に収束していて、アクションゲームとしての根本的なクオリティの低さについて言及している人があまりいなかったので、その点を中心にして感想を書こうと思ったんだ。

というわけで、旧作との比較は極力せずに、2021年のアクションゲームとして見てどうか?という話と、旧作と比較しての良し悪しに関する二つの項目に大きく分けて書いていくよ。

2021年のアクションゲームとして見た時のクオリティについて

アクトレイザールネサンスは、2021年のゲームとして見た時に、あまりにも作りの荒い部分が目立ちました。例を上げて見ていきます。


・敵配置の陰湿さ
画面に対してキャラクターが大きく、カメラ制御も全く工夫されていない(常にプレイヤーが画面の中心にくる)ので、先が見えない場面が多いため、理不尽な被弾をする場面だらけです。

例えば、このような場面↓

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普通ならカメラが下に寄って、降りた先に何があるかが見えるように作ります。
あるいはそれが難しいなら、飛び降りた先に敵は置かないようにします。
この場面の場合、下にいる敵がウロウロと歩き回るので、敵の上に着地してしまうこともあります。一応無敵時間のついている急降下攻撃で降りれば敵にぶつかっても大丈夫ですが、敵が離れた位置にいた場合は着地の硬直中に弾を撃たれます。そもそもそんな未来予知みたいなプレイを要求するのはおかしいです。

次にこの場面↓

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トゲを飛び越えようとジャンプしたら、狙い澄ましたように弾を撃たれてトゲに落ちるようにできています。
普通はトゲの手前で、対岸にいる敵がカメラに収まるような位置に配置します。
ジャンプした瞬間に画面外から高速弾が飛んできて死ぬパターンはここ以外にも至る所にありますが、敵配置のセンスが30年以上前のゲームです。忍者龍剣伝じゃないんだからさ…。
旧作も敵配置はそこまで美しいゲームではなかったですが、現代のゲームとしてこれはダメだと思います。
アクションゲームを普段あまりやらない人からすると、アクションゲームってそういう理不尽な敵配置を覚えて攻略するゲームじゃないの?と思うかもしれませんが、それは出来の悪いゲームです。世の中にはもっとちゃんとフェアな敵配置になるように拘って作られたゲームが沢山あるので、良いゲームを遊んでアクションゲームリテラシーを磨いて欲しいです。
一アクションゲームファンとしては、こういう出来の悪いゲームだけを遊んで、アクションゲームってこういうもんなんだっていう意識を持って欲しくないんです。出来のいいゲームはちゃんと気持ちよく遊べるように作られています。

・不必要に高性能な敵
このゲームの敵は全体的に必要以上に強いです。
例えば、最初のステージの最序盤から出てくる鳥のザコがいるのですが、なんとジャンプ斬り一発で倒せません。

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↑硬い鳥

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↑最初に登場するザコもなんと二発攻撃しないと倒せません。

それがなんの問題があるの?と思われるかもしれませんが、例えるならマリオで最初に出てくるクリボーが2回踏まないと倒せない耐力に設定されているようなものです。

二発当てないと倒せない耐久力にするなら、せめてその場から動かないザコにしましょうよ。

あと、鳥みたいな不規則な軌道で飛ぶ小さい敵は、空中攻撃一発で倒せる体力にするのが常識です。
悪魔城ドラキュラでもロックマンでもみんなそうです。ちゃんとしているゲームでは全て共通しています。

また、全体的に敵が画面外から自機狙いの高速弾を撃ちすぎです。↓

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敵が画面に表示されるよりも前に射撃体制に入っています。
一番最初に貼った動画でも画面外から弾を撃たれてるのがわかると思うのですが、なぜ視界の外から弾を撃たせるのかが解りません。
なぜなら、主人公の攻撃手段は剣だからです。
ロックマンや魔界村のように遠距離から弾を撃って倒せてしまう主人公ならまだ解りますが、近づかないと攻撃できないのに、そんなに遠くから弾を撃ってくる必要がどこにあるのかと尋ねたいです。

弾も早く、ある程度プレイヤーを狙って撃ってくる敵が多いため、敵配置をあらかじめ知っていないと、不意打ちのように被弾することが非常に多くストレスが溜まります。

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これは、マリオメーカーが発売された直後に、あまりにも陰湿なステージばかりが作られたのを見るに見かねて、任天堂が「こういうステージは作っちゃダメだよ!」と特集してくれた記事の一部です。製作者は必ず読んでほしいです。
自分たちが作ったステージがいかに素人レベルか反省してほしいです。

https://www.nintendo.co.jp/kids/sp//151014/supermariomaker/index.html

意地悪な敵配置をするときは、事前に警戒を促すようなヒントを出すのがフェアであり、ノーヒントで全部敵配置を暗記して、画面外の敵に対処しろと言うのは理不尽です。とにかく不意打ちが多い。

・視認性の悪さ
敵やトラップの視認性が悪く、何を食らったか解らないまま、気がついたらやられていた、という場面がとても多いです。

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床から生えるトゲ。
ご丁寧に壊せるタルを重ねて視認性を悪くしてあります。
しかもこの床から生えるトゲ、ゲームを通してここが初登場なんですよね。初見のギミックで不意打ちで殺すって…。

アクションゲーム慣れしてない人からすると、見えない訳ではないから喰らう方が悪いのでは?と思うかもしれませんが、常識的なアクションゲームでは、初登場のギミックは解りやすい場所に配置するのが普通ですし、うっかりミスしてもダメージを受けないような配置にしておいて「今回は最初だったから大丈夫なようにしておいたけど、これからはこのギミックで君を攻撃するから、次からは気をつけてね?」と思わせるような作りにします。
この場面だったら、例えば、トゲのでる場所に近づいたら、床からトゲが生えて勝手にタルが壊れる、とかにすれば良いのにと思います。
自分で攻撃してないのに勝手にタルが壊れたらビックリして警戒し、観察しますよね?

ちなみに、このステージは1-2なのですが、同ステージ内だけで同じ配置を、何度かやっています。
ネットを見ている限り、この場面で自分と同じ死に方をして動画をあげている人を結構見かけるので、やっぱり陰湿だと思います。
ハタから見ている分には対処できそうに見えるかもしれませんが、実際にプレイしていると周囲の敵に意識を持っていかれるので、全然トゲには気付かないですね。

次。

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灰色の背景に灰色の敵を置くな。
あまりにも視認性が悪いので、何にぶつかったのか解らず、ダメージ受けた後一瞬狼狽えているのが見て取れると思います。
背景と同じ色をした敵が置いてあるだけでもかなり陰湿なのに、この敵が石像のような敵で、ほとんど動かないんですよね。
せめて常時激しく揺れているとか、存在を主張してくれれば良いのですが…。
あるいは背景とスクロール速度が違う場所に配置して、プレイヤーが動くとザコが浮いて見えるように工夫して配置するとか、やりようはいくらでもあると思うんですけどねぇ。

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青い背景に青い敵を置くな。
こんなのばっかりです。
動画で見ると、視認できなくもないのですが、実際にプレイしている時は、樹の幹の位置まで来たところでようやく視認できるレベルです。
全く見えてなくて、回避しようとする素振りすら見せずに食らってしまっているのが見て取れると思います。
そもそもこの敵自体が小さすぎるのもよくない。


・敵味方共に嘘くさい挙動と当たり判定
発売直後からバックステップが強すぎると話題になっていましたが、このゲームは全体的に画面に表示されている絵と判定と挙動が一致しません。
プレイヤーだけに限らず、敵も見た目通りに判定がついていません。

そもそも、敵に背を向けてバックステップで前に進むと言うプレイを当然のように推奨するのはおかしいと思うんですよね。
常識的に考えてやってる事が不自然です。
悪魔城シリーズでは確かにお約束みたいな部分もありますが、あくまで本来は後ろに下がるためのアクションであり、しゃがんで硬直をキャンセルしたりといった、普通に遊んでいたら気づかないようなテクニックと併用した時に壊れるだけであって、変な使い方は推奨していません。(少なくとも表向きは)

なんとなく、難易度を下げる為にこういった無敵時間のある各種新アクションを足したのは解らないでもないんですが、難易度の下げ方ってもんがあると思うんですよね。
というか、プレイヤーを強くする前に敵配置の理不尽さをまずなくして欲しい。
敵配置を丁寧にするだけでもかなり難易度は下がりますよ、このゲームは。

バックステップは無敵時間が長いのもあるのですが、バックステップ終了時に重なっていた敵からは、移動しない限りダメージを受けない(一部、重なっている間に敵が別の行動を行なった時は喰らう場合もある)という、不思議な仕様です。
なので、先程上げた理不尽な敵配置の場面だと

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普通にプレイすると難しいですが…
(ちなみに、この直後トゲによるダメージで死んでます)

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バックステップ連打でこの通り。

まぁまぁ、たまたまそういう場面があっただけでしょ?と思われるかもしれないのでもう1箇所。

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旧作からお馴染みのこのギミックも…

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ご覧の有様!
これでいいのか…?

これを悪用すれば、バックステップで敵に重なって、敵の体内から攻撃を連打する事で、一方的にボスも倒せてしまったりします。

例えば1面ボスセントーンの突き攻撃だったら…

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真面目に攻略するとこんな感じですが…

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バックステップ大正義ぃぃぃ!!
使わない手はないよなぁ?

他にも落雷攻撃なんかも

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真面目に戦うとこんな感じ。

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バックステップで避けた方が沢山殴れるんですよね。
一番簡単な行動で最大のリターンが取れるちゃうんですよ。
もう全部バックステップでいいんじゃないかな…

何が問題って、各種無敵時間を悪用して戦うと、敵が誰であっても同じ攻略法が通用してしまいやすく、無敵時間を使わずに真っ当に戦うと、ただただ時間がかかるだけで全然楽しくないボスのアルゴリズムをしてたりするんですよね。
真面目に戦った人がバカを見るデザインをしていて、モチベーションがどんどん下がっていきます。

普通は無敵時間に頼らずとも気持ちよく攻撃を避けれて、敵の攻撃を避けたらちゃんとまとまった攻撃チャンスが貰えて、上達を感じながらボスを倒せるように作っておいて、アクションゲームが苦手な人のために救済処置として、ちょっとズルできるアクションを用意しておく…みたいなバランスにすると思うんですよねぇ。
無敵時間で適当に背後を取って瞬殺する方が圧倒的に楽なんだもんなぁ。

もう一つ例をあげましょう。
1-2のボス、ミノタウロスです。

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このボス、なんの予備動作もなく唐突に歩き出す事がありまして。それ自体は別に良いんですけど、後ろ向きに歩くのはダメだろと…。

というのも、このミノタウロス、攻撃の隙に背後に回って後ろから殴れ!という攻略法のボスだと思われるのですが、こんな感じでいきなり後ろに歩いてきて接触ダメージで死ぬっていう場面が多いんですよね。

常識的なゲームなら、背後をとった!反撃のチャンス!という流れでしばらくプレイヤーにチャンスを与えた後は、一旦ミノタウロスをプレイヤーの方向に振り向かせてから次の行動を取らせると思うんですよ。
そうすれば後ろ向きに歩くとかいう頭の悪いことにもならないですし、振り向いたのを合図にして、距離を取るという判断をすることもできますよね。

でも、このミノタウロス、実はアルゴリズム自体は割りとよくできています。

斧ブーメランの後は必ず叩きつけ攻撃を繰り出してくるため、ちゃんと避け切れば背後をとって反撃するチャンスが回ってきます。
それを踏まえてこちらをご覧ください。

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叩きつけ後の隙の無さ!
折角基本的なアルゴリズムはよくできているのに、攻撃チャンスがチャンスとして機能していなくて台無しです。
いつ後ろ向きに歩いてくるかが解りにくいので、踏み込むのが難しいんですよね。
先ほど述べた通り、必ず振り向いてから次の行動を取るようにするだけで、メリハリが出てきて、ずっと面白くなると思うんですよ。

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ま、バックステップすれば解決なんだけどね!
移動、斧投げ、叩きつけのどれが来てもバックステップするだけで対処可能な上に、普通に戦うよりも圧倒的に殴れる時間が長いです。
真面目に遊ぶほどバカを見ます。


また、敵側の判定の嘘臭さも負けてはいません。
セントーンの構えている槍ですが…

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実は振り下ろした時以外攻撃判定ありません。
当たったらダメなんだと思ってずっと警戒してたんですよね。
正面から攻撃しようとするとぶつかる位置に構えてるからさ…
別に攻撃判定がないのは構わないんですよ。プレイヤーにとって有利だから。
でも、これだと作り手は「そんなに難しくしたはずはないのに難しいって言われる…」ってなるし、遊びて側は「槍が邪魔すぎてこの敵強いな…」ってなるしで、お互いが不幸になると思います。
攻撃判定がないのなら、せめて邪魔にならない位置に構えましょうよ…。

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スーファミ版はちゃんとしてるのに!
そういうとこやぞ!

セントーンでもう一件。

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実は後ろ半身に接触ダメージが設定されていません。前半身にぶつかると流石に食らいますが…。

アクションゲームにおいて、敵の攻撃判定は見た目より少し小さめにつけておく事で、プレイヤーが気持ちよく遊べるという制作手法は一般的ですが、あまりにも見た目と判定が乖離しすぎていると、画面に表示されている情報の信用度が失われます。

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というわけで、どれくらいめり込むとダメージを受けるのか、死にながらチェック。
不毛である。


ちなみに、別にゲームを難しくしろなんて1ミリも思っていません。難易度自体は今風にマイルド化されていて、そこは高く評価しています。
旧作のままの難易度では、今の時代では受け入れられないだろうことも理解はできますし。
ただ難易度の下げ方が雑だと言いたいだけなんです。
陰湿理不尽敵配置で体力削ってくるけど、有り余るHPと無敵時間のお陰で、雑にプレイしてもクリアできてしまう。
だから難易度を上げてもストレスが溜まるだけで、別にクリアはできるけど、楽しくならない。

難易度の下げ方で言うと、魔法が強くて使いやすいのは個人的には悪くない調整だと思っています。好きなバランスではないですが。
mpが潤沢にあるので、ちょっと嫌な位置に敵がいる時なんかに、気軽に魔法が使えて、うまく使いこなして攻略してやったぜ感が味わえるのは良いですね。
強すぎると思ったら縛れば良いだけですし。



・モーションのダサさ
全体的にモーションのクオリティが低いと思います。15年くらい前の安いスマホゲームって感じ。

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↑2段斬り
なんで1段目から2段目を出した時に少し後ろに下がるんでしょうかね…。

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↑3段斬り
2段目から3段目に繋ぐ時に完全に足が滑ってるんですよね。
このモーションだったら一歩踏み込まなきゃおかしい。
とはいえ、敵との接触ダメージが存在するゲームで、攻撃時に勝手に前に進むとそれはそれで事故るので、普通は足の位置は動かさずに攻撃するようなモーションにします。

3段目も、最初は突き攻撃なんだと思っていたのですが、良く観察したら横薙ぎ攻撃でした。
横スクロールアクションで横に剣を振る攻撃って、何してるのかわからないから普通はやらないんですよね…。

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↑対空斬り
文句なしにダサい…。
でも無敵時間がついてて強いので多用します。

3段斬りとか対空斬りって、現代の剣を振る全てのゲームに存在するといっても過言ではない攻撃手段なので、参考にできるものはいくらでもあったでしょうに…。どうせありきたりな攻撃なんだから、パクリでもいいからもう少しカッコよくして欲しかったです。

モーションも良くないし、剣を振った時の軌跡のエフェクトも薄いから、剣を振っているように見えないし、攻撃判定も分かりにくいです。効果音の気持ちよくなさも相まって、SFC版の方が断然気持ち良いですね。少なくとも攻撃に関しては。(SFC版は他の部分のクセが強いですが…)

ジャンプ攻撃もなんで横薙ぎにしたんだろう。
別に横薙ぎ前提でバランス調整してあるなら特に問題はないけど、意図が掴めない…。

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↑問題のバックステップ
というかこれはバックステップなのか…?
しゃがんだポーズのまま、何か不思議な力に引っ張られるように後ろにすっ飛んでいっているようにしか見えない。

モーションに関しては、ちょっと揚げ足取りみたいな評価をしているとは思うのですが、アクションゲームにおいて主人公のモーションがダサいのって、結構致命的だと思ってるんですよね。
ゲーム中ずっと見ることになるし、攻撃モーションなんてゲーム中一番気持ちいい瞬間に表示される物じゃないですか。
動かしていて気持ちよくない主人公ってやっぱり良くないので、厳しい目で見られても仕方ないと思うんですよね。

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↑おまけ
ジャンプを繰り返していると、そこそこな確率で、前掛けが上向きで固定されるバグがあります。なんか面白い。
というか、ジャンプモーションも上昇と下降にメリハリがないんだよなぁ…。

ちなみに、モーションがダサいのは主人公だけではありません。

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↑最初のボスセントーンの登場シーン。
足をチョコマカと動かして走ります。
停止後のいななき動作も地味。
全体的にもう倍くらいダイナミックなモーションをつけて欲しいです。
ちなみに、足音もダサいです。
結構な速さで走ってるのにパッカパッカ…と、呑気な足音が鳴ります。散歩してるんじゃないんだからさ…。

・ほか細々
魔法使用後には無敵時間ないのね…。
これくらい発射硬直が長いのなら、硬直が解けて動けるようになった直後に1秒くらい無敵つけた方がいいと思うよ。

下を入力したままジャンプボタンを押すとジャンプが不発になるのはバグなのか…?
後でまた語るつもりだけど、意図を感じる操作性であれば、クセが強くても受け入れるべきだと思ってるんだけど、これは流石に意図がわからなかったのよね。単に操作性が悪いとしか言いようがない。多分何も考えてない気がする…。

細かい事を書き出すと本当にキリがないのでここまでにします。



●リメイク作品としての不満点

ここからは、旧作と比較して、異なる部分に対しての感想を述べていきます。
2021年のゲームとしてどうよ?という話よりは幾分思い出補正込みの話になりますし、他にも多くの人が既に述べている感想になります。

・失われたエモさ。
 →神と人間の関係性
旧作では神と人間はコミュニケーションを取る手段がなく、人間は神を信じているが、実在を認知しておらず、信仰心の一点でのみ繋がっている関係でした。
しかしルネサンスでは、人間は神の実在を認知しており、天使を介して話しかけてきます。
台無し。
神が実在していること知った上で神頼みをしているのだから、それはもう信仰ではなくてただの依存だろうよ。

また、旧作では基本的に人間が逞しく、放っておいたらどんどん勝手に進歩して、神離れしていってしまう強さがありました。というか、作品のテーマが「人間の神離れ」だったように思います。
しかしルネサンスの神は人間に対してあまりにも過保護です。
頼まれてもいないのに、心配だからと先回りして、人間の障害をどんどん取り除いていきます。
なんだその神。

旧作では「もう我々の力だけで魔物と戦えます!神様は見守っていてください」と言い残して人間だけで魔物の巣を封じに行くシーン。泣けるじゃないですか。
それがルネサンスだと「とはいえ心配なので先回りして巣を破壊してあげましょう」だってさ。はぁ。
それで始まる、ルネサンス版で追加された新ステージ!狭いステージでのザコラッシュ!30秒で終わる!なにそれ。
魅力を損ねてまで水増しした結果がこれなのか…。


 →石像のロマン
アクションパートに入ると、石像に神様の魂が宿って動き出し、役目を終えるとまた石像に戻って神が天界へと帰っていく。これが旧作の設定で、
ゲーム中は多くは語られないのですが、旧作の神は人間に対してあまり干渉せず、人間の力ではどう足掻いても立ち向かえない局面になった時に、初めて地上に降り立ち、人知れず力を行使する存在でした。

そうして、サタンを倒して地上に平和が戻ると、人間たちは神離れし、やがて神の存在は人々の心から忘れられていった…という物語でした。

しかし、想像するに、数千年経った後もあの世界には各地に神の石像が点在しているわけです。
明らかにオーパーツめいた技術で作られた、作られた目的も、モチーフも、何も解らない、全く同じ形をした不思議な石像が、全く歴史の異なる各地に存在している。
未来の人々をそれを見て不思議に思うのだろうな…と思いを馳せる事ができ、最高にエモい設定だったんですよね。現実の考古学にもリンクする最高にイカした設定でした。

それが…ルネサンスではぞんざいに扱われていてガッカリしました。
多分旧作の魅力をなにもわかってない人が作っている…。

細かく突っ込み出すとキリがないので、「エモさが失われてしまった」というまとめ方にさせていただきます。

リメイクなので、別に旧作そのまま移植する必要はないですし、必要と判断したら変更やオミットは構わないと思うのですが、変えるからには別の魅力を生み出して欲しかったです…。
単純に魅力が失われた…。

英雄の存在なんかは面白いとは思いましたけど、やっぱり神と会話できてしまうのは受け入れられないなぁ。


・キャラクターの解釈違い
 →天使をゲスいと思ったことはない
ルネサンスではキャラクターの立ち絵が追加された事で、キャラクターの解像度が上がりました。
これにより、天使がメスガキ的なゲスキャラになっていて、まぁそれはそれで良いかとも思ったのですが、旧作の天使は口こそ悪かったけど、ゲスなキャラではなかったぞ?と思いました。

旧作の天使は、超常の存在らしく、人間の価値観があまり理解できない、共感できていないからこそ無遠慮に無神経な事を言ってしまうという、実に天使らしいキャラづけがされていたと思います。別にゲスキャラじゃないんですよ…勘違いしないで欲しい。
今風と言われればそうなのかもしれませんが、やっぱつれぇわ…。


 →立ち絵が追加されたことによる違和感
ルネサンスでは天使に限らず、人間にも立ち絵が追加されました。
しかし、これによって違和感が…。

旧作では人間たちは立ち絵はなく、小さなドット絵でのみ表現されていました。
そのため「個」が薄かったんですよね。


ゲーム中は神の視点で時間が流れるため、現実での1分が、ゲーム内での10年くらいの速度感だと甘います。
なにせほんの10分かそこらで文明のレベルが上がるわけですからね。
なので、ゲーム中に出てくる人間たちも、当然ながら凄い速さで世代交代しているはずです。

とはいえ、旧作だと小さいドット絵だったので、特に問題はありませんでした。
ですが、ルネサンスだとその国の人間は全て同一のキャラグラフィックが表示されます。
そのため、こいつ原始時代からずっと生きてるな…という違和感が生まれました。
せめてギャルゲーの主人公みたいに目を隠すとか、個を薄めるような表現を入れて欲しかったですね。
実は英雄とも相性が悪いんですよね、この仕様。
英雄は確実に数百年は生きてる。
英雄だからいいのか…?そんなわけないか。


・タワーディフェンスについて
もう散々言われてるので割愛します。


・ロード時間とロードのタイミング
ロード時間はコンシューマー版だと割りと長いと思います。
ステージを選択して、ステージ突入デモ(ワールドマップからぐるぐる回りながら突入するアレ)の後に長々とロードが入ってからステージが始まるのはテンポ悪いなって思いました。
旧作のデモからステージに綺麗に曲が繋がる感じが最高だったのに…。
ロードを入れるタイマングはなんとかならなかったのかなぁ…。

●最後に

このゲームに限らず、リメイク物を悪くいうと「じゃあ原作だけ一生やってろ」と言われる事があるのですが、言われなくてもずっと遊んでいます。
逆に、お言葉ですが、そこまでリメイク版を推されるからには、あなたは向こう10年、20年と、このリメイク版を遊んでいくつもりがおありなんですよね?と聞いてみたくなりますね。

と言ったところで、長くなりましたが、書きたい事は大体書けたので以上としたいと思います。


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